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乗り込み前夜
「私は強い!」
そう言うとカンナは白い歯を覗かせて笑った。
「でも、、、」
「大丈夫。私は二度とガラウのあんな姿見たくないだけだ。自分の事もちゃんとコントロールしてみせる」
まだ、何か言いたげなガラウを制してダリアが口を開く。
「ガラウ、カスミの狙いは貴女なのよ?そんな危険な事私が許さない。」
「ダリア、、、」
「とりあえず、カンナと俺がカスミを何とかする。だから、ガラウとダリアは水の源を探してそれを絶ってくれ。」
黒羽達の言葉にガラウは仕方なく首を縦に振った。それを合図に、製薬会社へ侵入するために作戦を立て始めた。製薬会社の内部は三人がよく知っているから事細かな見取り図が書きあがっていく。だが、一つだけ何も書き込まれていない場所があった。
「ここで決まりだな、、」
黒羽の言葉にみんなが頷いた。