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姉妹のような二人
「ダメ!私がするのっ!」
「いや、ここは私が、、、」
「ガラウには譲るけど、それ以外の人はダメっ!」
ガラウと言う言葉を聞いて黒羽は飛び起きた。その様子に言い争っていたカンナとダリアが気付き声を掛けた。
「大丈夫か、、?」
「大丈夫?まだ、ガラウが起き上がれないからって言ってたし、無理しちゃダメだよ!」
二人の心配そうな顔を見て、自分の勝手な行動を恥じた。黒羽は二人に詫びた。
「悪かったな、俺が勝手な事して心配掛けたみたいだ、、、」
黒羽の言葉に言い争っていた二人は顔を見合わせ笑った。その様子を見て、黒羽もホッとした。何だかんだこの二人は仲がいい。よく言い争ってはいるが、すぐに仲直りするのだ。それにどことなく二人は似ている。年の近い姉妹のようだ。見た目はダリアが年下に見えるが、カンナの方が精神的にはダリアよりも幼いので、妹はカンナの方だろうな。少し和んだ所で、黒羽は二人に尋ねた。
「なあ、ガラウは何処にいるんだ?」
「ガラウなら、薬の原料の花を摘みに行ってるけど、、、」
黒羽はカスミの言葉を思い出した。
「ガラウが危ないっ!」