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death or alive
「単刀直入に聞くわ。昨日の話、詳しく話して頂戴」
コーヒーを飲み干して、カップを置いた。
「分かった。」
黒羽はテーブルの上の山積みになった中から、一つのファイルを引っ張り出して何枚かの写真を並べた。50代ぐらいの男性の写真と、望遠レンズで撮られたであろう女性の写真、、、年は私と同じ位か?
他には実験施設らしき建物と黄色い花の写真。
「ねえ、この花は何?」
「それはこの薬の原料になる花だ」
黒羽はそう言いながら、新しい写真を出した。
細長い筒状の容器にラベルが貼られていた。ラベルに印刷された文字を読んだ。
「death or alive、、、?」
黒羽は頷いた。
「デスオワアライブ、、、(死)か(生きる)、、、意味は、死を選ぶか生きるか、、、」
黒羽は続けて言った。
「この薬は、薬ではないんだ。」
「どうゆう意味?」
「この薬は、人間の遺伝子構造を書き換えるんだ。植物の遺伝子構造にな。」
「まさか、、、これって、、、」
黒羽は静かに口を開いた。
「ああ、カスミの為に作られた薬だ。」