二人の距離
身体が温かくなるのを感じた。温かいものの正体を知りたくて瞳を開いた。
周りを見渡すと、見慣れない景色が広がっていた。あの温もりは夢だったのか。
この懐かしい感覚、、、唇に残る熱、、、胸の奥が熱くなった。
ベットから起き上がり、部屋を出た。
「おはよう、お嬢様」
黒羽はコーヒーを入れている所だった。
「おはよ。昨日はごめんなさい、寝ちゃったみたいで、、、今までこんな事無かったんだけど、、、」
黒羽からコーヒーを受け取り一口飲んだ。
「ごめん、ガラウちゃんには眠ってもらったんだ。ガラウちゃんにも俺の能力が通じるか試してみたかったんだ。」
黒羽はまた、あの意地悪な笑みで続けた。
「ガラウちゃん、、、意外と夜は激しいんだね?」
「、、、騙されないわよ?、、、嘘よね?」
「どーかなあ?身体に聞いてみる?」
黒羽は怪しげな笑みを浮かべた。
昨日会ったばかりなのに、黒羽という人間が全く見えない。
何を考えてるか、本心が見えない、、、何を隠しているんだ?
仕事柄、本心を見抜けなかった人などいないのに、、、
黒羽には一切の隙も見つけられないのだ。
「黒羽、、、」
何を隠してるの?と言いかけて止めた。
きっと今聞いても黒羽ははぐらかすと思ったから、、、