光と影
「ねえ、さっきの粉は何なの?」
ダリアはリーダーと思われる男の子に尋ねた。男の子は歩く足を止めずに答えた。
「あれは花粉だよ。」
「花粉?大丈夫なの、、、?」
「大丈夫だ。その人の花だからね」
「そんな事分かるの?」
「ああ、あの人の血液から花の成分を分析したんだ。僕らには血液からその人の花を生成出来るんだ。」
「それって、、、」
「この力も注射で得た力なんだ。」
男の子の言葉に安心した。ダリアの顔を見て男の子は呟いた。
「まだ、貴女は自分の置かれている状況がよく分かっていないようだな。」
「えっ、それってどうゆう事、、、?」
「ほら見えてきたよ。あの扉を開ければ出られる。」
男の子はそう言うと立ち止まって言った。
「僕はここから先へは進めないんだ。後は君達だけで進んでくれ。」
「えっ?そんな、、、」
男の子は頷くと、他の子供達がダリアを連れて外へと向かって行った。ダリアは男に手を伸ばしたが、それは儚くも空を掴んだ。ダリアの声に男の子は悲しそうに笑った。そして、何か囁いた。その声はダリアに届く事は無かった。
「貴女が光に生きるなら、いつかきっと僕は貴女の敵になる、、、」