黒羽の誓い
「お嬢様、もう朝ですよ~」
黒羽は眠たそうにあくちびをしながら、ガラウのベットへ近づいてガラウの寝顔を覗き込んだ。首筋にうっすらと脂汗が浮いていた。息も荒くなっている。悪い夢でも見ているのか?
汗を拭こうと手を伸ばした時、その手をガラウが掴み、黒羽を引き寄せた。
とっさの出来事に黒羽はバランスを崩し、ガラウに倒れこんだ。すぐにガラウから離れようとすると、ガラウが囁いた。
「行かないでっ、、、」
その言葉を聞いて、黒羽の理性は吹き飛んだ。黒羽はガラウを抱きしめた。
抱きしめた腕からガラウの温度が伝わってくる。ずっとこうしたかった。俺の腕の中で守ってやりたかった。いつの間にか腕の中のガラウは規則正しい寝息を立てていた。
ガラウを抱きしめていた手を緩め、ガラウの髪を撫でた。
白く透き通る肌に、赤く色づいた唇と頬。誰にも触らせはしない。ガラウは俺だけのものだ。ガラウが俺の前からいなくなったあの日からずっと探していた。次こそ、俺がガラウを守る。
黒羽はガラウの頬を撫でると、ガラウの唇にくちづけをした。
「あと、少しだけだぞ?」
ガラウの耳元に囁いて、黒羽は部屋を出た。