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黄色い粉
「このままじゃ、10時間待たずにこの人死んじゃうよ。」
「えっ、、、」
ダリアの頭は真っ白になった。ダリアを見て、子供達は何やら相談し始めた。子供達は頷くとダリアに言った。
「それに、この場に長居するのはまずい。手当するには場所を変えないと、、、」
「でも、今ガラウを動かしたら、、、」
「それは普通に考えたらの話だ。」
「、、、どうするの?」
「この人がこうなってしまったのは僕らの責任だ。」
子供達がガラウを取り囲んだ。
「貴方たちを安全に教会外に送り届ける。」
子供達はガラウの傷口に黄色い粉の様なものをふりかけた。その粉のお蔭でガラウの出血は止まった。ダリアが見ている中子供達は自分達で分担し、先に何人かの子供が安全な道を確保し、残った子供達は一糸乱れぬ動きでガラウを持ち上げ運び始めた。リーダーらしき子供が、ダリアの方を向いて言った。
「早くこちらへ。」
ダリアはハッとして子供達の後に続いた。