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私を呼ぶ声
「何だ?もう終わりか。意外とあっけなかったな。最後ぐらい苦しまずに逝かせてやるか、、、」
花達は虫の息のダリアの首にツタを絡ませた。じわりじわりとダリアの首を締め上げていく、、、死を覚悟したダリアは静かに瞳を閉じた。
その時、聞き覚えのある優しい声が名前を呼んだ。
「ダリア、、、ダリア!」
この声は、、、ガラウ?
声がしたかと思うと、花達が騒ぎ始めた。
「なっ、何だ貴様!」
「我らの聖域から出て行け!」
首を絞めつけたツタが突如切れて、肺に酸素が流れ込んできた。思わず咳き込んだ。ダリアはうっすらと目を開けた。ダリアを守るように、花の前に立ちふさがっている。
「ダリア、遅くなってごめんね。」
「ガラウ、、、?」
「そうよ。もう、大丈夫だから、、、」
ガラウはそう言うとダリアの傷口に何か液体を塗り込んだ。すると、みるみるうちに跡形もなく傷は消えていった。