気配
「私を仲間に入れてはくれないか?」
カンナは捨てられた子犬の様な目で黒羽を見つめた。
「俺だけじゃ決められないからなー、、、」
黒羽はカンナの顔から目を逸らして答えた。
「私はいいよ!」
突如声が聞こえた。振り返るとダリアが笑って立っていた。
「ダリア、お前いつの間に、、」
黒羽の質問にダリアはため息をついた。
「黒羽が全然帰って来ないから、心配して探しに来たんだよ。」
「ごめんな、じゃあ、ガラウは?」
「ガラウは家で待ってるよ。」
「カンナの事ガラウに、、、」
「大丈夫だよ。ガラウは黒羽とお客様を迎えに行って来てって言ってたし。」
ダリアの言葉に黒羽は目を丸くした。
やっぱり、ガラウはすごい。俺はこんなに近付かないと分からなかったのに、いつからカンナの存在に気付いていたんだ?
「ところで、、、」
ダリアはニヤニヤしながら黒羽に尋ねた。
「何で裸なのかなー?」
ダリアの言葉に黒羽は弁解した。
「俺が脱がせた訳じゃないからなっ!?」
黒羽の動揺の仕方が可笑しかったのか
ダリアは笑いながら言った。
「分かってるって!ただ、少し意地悪言っただけ!」
ダリアの言葉に黒羽は胸を撫で下ろした。
黒羽が落ち着いたのを見てダリアは言った。
「さあ、早く帰ろ!ガラウが待ってる 」