手を組む
黒羽はカンナが嘘をついているようには見えなかった。だが、このままガラウやダリアに会わせるのも気が引ける、、、黒羽の気持ちを感じ取ったようで、カンナが口を開いた。
「信用してもらえないのなら、私が奴らの敵であるという事を証明しよう。」
「何をするつもりだ、、、」
カンナは黒羽の前で次々と服を脱ぎ始めた。カンナの行動に驚きつつ、カンナから目を逸らして言った。
「いきなり何してるんだっ!」
「こっちを見てくれ。」
「でも、お前服着てないじゃないか、、、」
「いいから!」
カンナに引っ張られ、カンナの方を見てしまった。カンナの背中には焼き鏝で{不良品}と押されていた。黒羽はカンナにどんな言葉を掛ければいいのか分からず、ただ背中の文字を凝視していた。見れば見るほど、カンナの苦痛が黒羽に流れ込んでくるようだった。黒羽の口をついて言葉が零れた。
「誰が、、、こんな酷い事、、」
カンナは服を着ながら答えた。
「父よ。父はカスミを助ける為だけに私を生み出した。でも、私ではカスミの力になれなかった、、、。だから、処分された。その寸前で逃げ延びて、私は父に復讐しているんだ。あの教会に忍び込んだ時、君達の存在を知った。そして、ずっと監視していた。幸いなことに私と君達の目的は同じだ。」