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THE NAME  作者: リザ・ベルフェゴール
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ガラウの秘密


ガラウを抱きかかえベッドまで連れて行き、ガラウをベッドで寝かせた。黒羽はガラウの寝顔を覗き込んだ。長いまつ毛に小さな赤い唇、寝ている姿は人形の様に絵になる。


どうして、彼女が、、、

どうして、ガラウなんだ、、

ガラウは生まれながらにして、治癒能力が高かった。母親と違い、丈夫な体で産まれたのが許せなかった父親は毎日憂さ晴らしに暴言を吐き、気が済むまで殴る蹴るの暴行を繰り返した。ガラウの身体に刻み込まれた傷は、次の日には跡形も無く治っている。すぐに傷が治るガラウを何回殴ろうと父親は罪の意識など覚えなかった。

俺は知っている。ガラウは父親を恨むことなく毎晩毎晩今は亡き母親に謝り続けていた。

泣ながら泣き疲れて眠る毎日を、、、

ガラウに何もしてやれない自分の無力さが苛立たしかった。

俺にもっと力があったら、、、


ガラウは10歳を迎えた日、父親に連れられて街へと出かけて行った。

家を出るとき、ガラウと目が合った。

ガラウは俺に笑いかけた。


その日ガラウは帰ることは無かった。

早く気付いていれば良かった、、、

ガラウのあの寂しそうな笑顔に、、、


ガラウがいなくなって十数年過ぎた頃、、

奴らがガラウを訪ねてやってきた。

父親はガラウが10歳になって捨ててきた、と涼しい顔で嘲笑った。奴らは父親がガラウをかくまっていると、父親に尋問を繰り返した。飲まず食わずに寝る時間も与えられないまま、同じ質問を繰り返されて、父親は耐え切れず、ガラウの不思議な身体の事や捨てた町の事を話した。


奴らはガラウの不思議な身体を、病弱な娘の為に利用しようとしている。


ガラウの人格と、娘の人格を入れ替えれば、娘は元気になる、、、らしい。


難しい事はよくわからないが、、、

もしも、ガラウが捕まったら、ガラウはいなくなってしまう。


ガラウを守らなくては、、、

次こそは、ガラウを絶対守り抜く、、


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