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僕(わたし)のキモチ  作者: 対子落とし
第1章 ふとしたことで
5/9

1-5 僕の拘束時間

「ううー、どうしてこんなことに……」


「ほらー、さっさと着替えるー!」


「は、はい!」


 お姉ちゃんに急かされて慌てて着替える。どれも同じような服しか見えないんだけどなぁ……。あ、でもお姉ちゃんは何かブツブツ言ってる。もうわかんない。どうにでもなれー……。


 僕は今、どうしてこういう状況になっているかというと……。


 それはつい1時間前―――。



 ☆☆☆☆☆ ☆☆☆☆☆ ☆☆☆☆☆ 



「祈梨ー、起きなさーい」


「うーん、むにゃむにゃ……」


「起きろったら起きろー!」


「うぅ……。あと10分……。」


「起きろっての!!」


バサッ。誰かに布団を捲くられる。そんなことしたら風邪引いちゃうじゃん……。


「くしゅんっ」


 そう、僕は朝には弱い。だって眠たいんだもん……。でも日によって起きれるときと起きれないときがある。なんでなんだろう? 今日が日曜日だからかな? あれ? 日曜日……? 日曜日……、日曜日…………。はっ!


「うわぁあ!!」


 僕は慌てて飛び起きる。するとベットの横にお姉ちゃんが立っていた。いつの間に……。


「わっ!! びっくりするじゃない!」


「あれ? なんでお姉ちゃんがここに?」


「『あれ?』じゃない! 今何時だと思ってるの!?」


「え???」


お姉ちゃんにそう言われたから時計を見てみる。すると、10時23分(10:23)。そう時計には印されていた。げっ! 寝坊! お姉ちゃんありがとう、起こしてくれて! 目覚まし付けてたけど気付かなかった、っていうこと……? お姉ちゃん、ごめんなさい。


「―――……」


 ぼーっとしていると……。


「早く支度しなさい!」


「は、はい!」


 怒られました。今のお姉ちゃん、すごく怖い。おかけで目が覚めました。 今日はおでかけする日だったんだ! でもまさか寝坊しちゃうなんて……。 すっかり忘れてた。でも、あれ? なんでおでかけるんだっけ? とにかく急いで支度しないと!

 

 とりあえず僕は近場にあった白のTシャツに黒のネクタイを結び、黒の短パンを穿いて、靴下を履いて、ショルダーバックを持って部屋から出て、家から出ていった。ちゃんと鍵を閉めるのを忘れずに。周りから見るとボーイッシュな女の子って思われていそうだなぁ、と思い1人心の中でため息をついた。


 今日は車でおでかけだから、片道30分くらいの道のり。運転はお父さんで、助手席にお母さんが座って左後部座席に僕、右後部座席にお姉ちゃんが座って、いざ、出発!!



 ☆☆☆☆☆ ☆☆☆☆☆ ☆☆☆☆☆ 



「まったく祈梨ったら……」


 行きの車の中、私はため息をついた。


 まだ寝ぼけている祈梨を起こしたあと、私は昨日のうちに支度を済ませていた手荷物を持って車に乗り込んだ。もちろん今日は祈梨を着せ替え人形にするつもり。だって寝坊した祈梨が悪いんだから。


 今日の私は水色と白色の横にラインが入ったチェック模様の半袖のシャツに、デニム生地を使ったジーパンの短パンを穿いてる。過ごしやすい服装なんだけど……。


「…………」


 あ、祈梨のやつまた寝てる。もうちょっとなんとかならないかなぁ、と私はため息をついた。さっき無理やり起こしたから、かなぁ……。ま、いっか。



 ☆☆☆☆☆ ☆☆☆☆☆ ☆☆☆☆☆ 



「……い……つ……た……よ」


 あれ、声がうまく聞き取れない。なんだろう?


「い……り……つ……た……よ……」


 なんだかぼーっとする。


「いのり着い……よ」


 さっきよりかはよく聞こえる。


「祈梨着いたよ」


 あれ、なんでお姉ちゃんの声が……?


「祈梨着いたよ!!」


 そこで僕はハッと目が覚める。車のドアの窓から見える景色に僕は不安を抱いた。ここ、どこ?


「はぁやっと起きた。お母さんとお父さんが先に行って待ってるから急いで」


「へ?」


 僕はついウトウトしちゃっていつの間にか寝てたみたい。


「早くしないと今日のお昼ご飯抜きだよー?」


うっ。それはずるい。


「はーい……」


もうちょっと寝ていたかったけど、お昼ご飯がなくなるのは嫌だから僕は仕方なく車から降りてお姉ちゃんに着いていった。



 ☆☆☆☆☆ ☆☆☆☆☆ ☆☆☆☆☆ 



「で、なんで僕はこんなところに居るの?」


「ふっふーん。それは祈梨が起きるのが遅いからだよー?」


お姉ちゃん、すっごいテンションが高い。そういう僕はというと……。


「うぅ……。そう言われると僕は何も言えない……」


お姉ちゃんと正反対で、僕のテンションはものすごく低い、いや、低くなっていた。


 今僕たちが居るのは女の子向けの洋服屋さん。いわゆるランジェリーショップらしい。そして僕は(お姉ちゃんに無理やり)その中の更衣室に押し込められている。更衣室と言っても、簡単に作られたようなボックスのようなものじゃなくて、きちんと整えられた更衣室だった。壁が白くて廊下のように長い部屋に、吹き抜けのような仕切りがあって、その真正面に姿見である鏡が1枚貼られている。出入り口には靴を置けるスペースがあって、ちょっと広めの部屋みたいな空間だった。


「ううー、どうしてこんなことに……」


「ほらー、さっさと着替えるー!」


「は、はい!」


 お姉ちゃんに急かされて慌てて着替える。どれも同じような服しか見えないんだけどなぁ……。


「はいこれ次着るー」


「何着あるのー……」


もうまさにされるがまま。まるで着せ替え人形みたいな……。


「あっ、これ祈梨に似合いそう!」


「似合いそうって、それワンピースじゃん!」


ワンピースってなんか僕が穿くようなものじゃないと思うんだけどね……。だって僕、男の子だし。


「じゃあなんでこの前私の制服のスカートなんて穿いてたのかなぁー?」


お姉ちゃんがすっごいニヤニヤしながら僕を見てる。


「ハイゴメンナサイ」


「よろしい」


お姉ちゃん、何気に怖いです。なんかお姉ちゃんに何か大きな弱みを掴まれたような……。


「じゃあ外で待っとくからねー、着替え終わったら教えてねっ」


「うぅ……。はーい……」


 僕は何かを諦めてそう答えた。お姉ちゃんから渡された服は、水色と白チェック柄のタイトワンピースに、水色の紐みたいなやつ(リボンにするのかな?)で、それと白の生地の薄いジャケットだった。


 見た感じ僕でもうまく着れそう。そう思って服に手を伸ばして僕は気持ちを切り替えた。今お姉ちゃんに渡された服を見直して、何か心の中で大事なものが崩れていくのを感じながら服を着ようとしたとき、後ろからお姉ちゃんが……。


「着替え終わったー?」


そう言ってすぐにカーテンを開けてお姉ちゃんが覗いてくる。


「うわぁ!!」


 お姉ちゃんがいきなり覗いてくるからびっくりして大きな声をあげてしまう。お姉ちゃんから渡された服を胸元にぎゅーっと持った感じになっていた。


「恥じらう姿の祈梨かわいい〜。あとそんなに大きな声を出すと周りの人に気付かれちゃうよ?」


 お姉ちゃんにそう言われて慌てて口を手で塞ぐ。なんだろう、今僕自身もすごく女の子っぽい動きしたなぁ、と思ってしまったのが悔しい……。


「もう見てられないからお姉ちゃんが手伝ってあげるね」


お姉ちゃんはそういうと有無を言わさない感じで更衣室に入ってきて服の着方とかを教えてくれた。ちんぷんかんぷんだったけど。


 僕、女装とかしないから!!

 そっちの方が似合うとか言われても着ないから!!


 そう心の中で叫んでいたけど、いざ鏡を見てみると……。


「か、かわいい……」


 なんだろうこの子すっごいかわいい。『これが僕なの!?』ってくらい似合っていた。


「ほら見なさいお姉ちゃんの言う通りでしょ?」


 あ、お姉ちゃんがすごく笑顔で僕を見てる。それってドヤ顔じゃ……。


「ドヤ顔じゃない!」


 あれ、読まれてた。ずるい。


「こんなかわいい服着れるんだったら、女の子でいいかも……」


「それは無理じゃないかなぁ」


「「ぷっ、あははっ、ははは」」


 なんだかおかしくなっちゃってお姉ちゃんと僕と2人して笑ってた。


「じゃあ、この服で外歩く?」


「うん、そうするー」


 僕はなんだか楽しくなってきちゃって「このままでいいや」って思っていた。僕の中でつっかえていた何かが吹っ切れたのか、お姉ちゃんと一緒に今日はこのまま過ごしてみたいと思った。お母さんとお父さん、なんて言うかなぁ。似合うって言ってくれるかなぁ。そんなことを思っている自分に気付いて苦笑いをしていた。



 ☆☆☆☆☆ ☆☆☆☆☆ ☆☆☆☆☆ 



 結局あの後僕の携帯電話でお母さんとお父さんに電話をかけて今居る場所を伝えて迎えに来てもらった。


 お母さんとお父さん、どんな反応するのかなぁとワクワクしてたけど、期待した反応は返ってこなかった。

お母さんからの反応は『まぁ、当然の結果よね!』と、お父さんからの反応は『お、おう、似合ってるぞ』だった。しかもお父さん、なんで照れながらそんなこと言うの……。僕でもちょっとドキッとしたじゃない。何かあったらお父さんにこれでおねだりしようかな、と意地悪な考えを頭の片隅に追いやった。でもあんまりいい反応が返ってこなかったことがちょっとショックだった。


 はっ! この考え方が女の子っぽいんだ! 僕は男の子! 男子なんだ!!


 でも、かわいい服とか着れるからいいなぁ、女の子っていいなぁ、と思っていたり。


 そんなことを1人考えているとお母さんから


「祈梨たち、そろそろ帰るわよー」


と言われたので、 お姉ちゃんから渡された服のまま の格好で帰ることにした。お父さんもまんざらではなかったらしく『今回だけだぞ』と言いながら会計を済ませていた。でもなんで、お父さん照れてるの……。



 なんだかんだで楽しい日曜日は終わり、明日の支度をしようといろいろやったり、そろそろ寝ようとしていたとき、僕は気付かなかった。あのきれいなお姉さんから貰った勾玉が光っていたことに……。


もともと書いてあったものを仕事の休憩中とかに書き進めていたり、改稿していたりしてたんですけど、半年以上放置していましたね。ごめんなさい。


次はいつ書けるのかなぁ。


PSO2にハマってしましました。

9月の19日から毎日ログインしてます。

ハイ、ゴメンナサイ。



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