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天使・ランティス  作者: 山の麓
第一章 天使になる
9/10

Ⅸ 祖父と孫

第九話です。


前話と題名似てます…

あんまり進展ありません

祖父とともに家に帰ったランティスは、改めて祖父を説得していた。


「――というわけなんだけど……」


祖父に、なるべく天使のことは隠しながら言い終えると、祖父は少し悲しげな笑みを浮かべている。


「……」


「おじいちゃん…」


いきなりこんなこと言われても、困るよね…


そう思いつつ自分の部屋に戻ろうとした時、祖父が静かな声で言ってきた。


「ランティス、待ちなさい。」


いつもは優しい祖父の冷静で冷たさを秘めた声に、少しドキリとする。


「大事な話がある。」


「な…に?」


「いいから聞きなさい。お前には知る必要がある。」


祖父は静かに、居間にある長椅子に腰かけた。


そして、ランティスにも彼の前にある長椅子に座るように促す。


ランティスが座ると、祖父は静かな声音で話し始めた。


「ランティス。お前は天使になる気か?」


ランティスは驚いた。祖父には、町で仕事する、と言ったのに。


「わかるさ。お前は嘘をつくとき、目を逸らすから。」


「あ…!」


ばれていたのだ。うう…と、少し縮む。どうしてこう、ばればれなのか。


「…もう十何年も一緒に暮らしてきたんだ。わからないはずはないんだ。」


祖父はやはり少し寂しそうだ。


「おじいちゃん…」


ランティスをまっすぐ見て、ダンカンは続ける。


「おじいちゃんは大丈夫だ。今までずっと、お前に元気をもらってきたから。だからこれからはそれを、世界中の人々にあげるんだ。元気という幸せを。いいね?」


やっぱり寂しいのに変わりはない。だが、もう、自分だけの孫じゃないのだ。


「おじいちゃん…?」


ぐっと歯を食いしばり、涙が出てくるのを抑える。


「お前のお母さんが、そうしてきたように、お前も」


ジワリと目が潤う。何とか言葉をつなげる。


「お前も、人を、幸せにできる力があるんだ。精一杯、頑張るんだよ」


「うん!頑張るわ!ありがとう、おじいちゃん」


ランティスは、輝かしい瞳で嬉しそうに言う。これでよいのだ。


涙ぐんだダンカンに、ランティスははっとして問いただした。


「でも…どうしておじいちゃんは天使のことを知ってたの?」


しまったー…なんて、今更後悔しても遅いが、何とか誤魔化す。


「あ!そ、そんなこと言ったかなぁ???き、気のせいじゃないか?」


それに、ランティスはまじめに悩む。


「え…確かに聞いたんだけど……もしかして、空耳?」


「き、きっとそうだ!そ、そ、空耳だよっ」


「ならいいんだけど」


「ほっ……」


なんとか誤魔化せたようだ。思わず安堵する。


ランティスは気づかなかったらしく、ふとなにか思いついたらしい。


「あ、そう言えば…!」


「どうしたんだい?」


すると、ランティスは嬉しそうに言う。


「おじいちゃんが、お母さんのことを言ったの初めてだわ」


ダンカンは、少し目を見開く。


――まだ小さいのに、全てを言うのには早すぎる。


悲しい思いをさせたくなかった。


そう思い、何度も何度も言いそびれてしまった。


言わないといけないとは思っていたけれど。


いつか、そんな日が来ると思っていたけれど。


そんな日は来なくていいと思ってもいたから。


「ああ、そうだね。お前のお母さんは、良い妻であり、母であった。」


「まぁ」


ランティスは口元に手をやり少し顔を赤らめた。



「はぁ…はぁ…」


一方、母と別れ、一人ランティスの家を目指していたミリナは、ずっと走りっぱなしだったため足はズキズキと痛いし、髪も乱れまくっている。


「もう、ちょっと……」


呼吸をするのもだいぶつらいが、そんなことを言ってられるような時ではない。


なんとしても、ランティスに言わないと。


アイビスさんと、フレッドさんのことを。


早く言いたい。そして、納得してもらいたいのに。走る早さはどんどん遅くなっていく。


「…はあ…ついた……」


やっとの思いで着いたランティスの家で、ミリナはこくりと喉を鳴らした。

第九話と、もうだいぶ書いてきてるのに、まだ天使ジークしか出てこないって…

そろそろ限界?

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