Ⅸ 祖父と孫
第九話です。
前話と題名似てます…
あんまり進展ありません
祖父とともに家に帰ったランティスは、改めて祖父を説得していた。
「――というわけなんだけど……」
祖父に、なるべく天使のことは隠しながら言い終えると、祖父は少し悲しげな笑みを浮かべている。
「……」
「おじいちゃん…」
いきなりこんなこと言われても、困るよね…
そう思いつつ自分の部屋に戻ろうとした時、祖父が静かな声で言ってきた。
「ランティス、待ちなさい。」
いつもは優しい祖父の冷静で冷たさを秘めた声に、少しドキリとする。
「大事な話がある。」
「な…に?」
「いいから聞きなさい。お前には知る必要がある。」
祖父は静かに、居間にある長椅子に腰かけた。
そして、ランティスにも彼の前にある長椅子に座るように促す。
ランティスが座ると、祖父は静かな声音で話し始めた。
「ランティス。お前は天使になる気か?」
ランティスは驚いた。祖父には、町で仕事する、と言ったのに。
「わかるさ。お前は嘘をつくとき、目を逸らすから。」
「あ…!」
ばれていたのだ。うう…と、少し縮む。どうしてこう、ばればれなのか。
「…もう十何年も一緒に暮らしてきたんだ。わからないはずはないんだ。」
祖父はやはり少し寂しそうだ。
「おじいちゃん…」
ランティスをまっすぐ見て、ダンカンは続ける。
「おじいちゃんは大丈夫だ。今までずっと、お前に元気をもらってきたから。だからこれからはそれを、世界中の人々にあげるんだ。元気という幸せを。いいね?」
やっぱり寂しいのに変わりはない。だが、もう、自分だけの孫じゃないのだ。
「おじいちゃん…?」
ぐっと歯を食いしばり、涙が出てくるのを抑える。
「お前のお母さんが、そうしてきたように、お前も」
ジワリと目が潤う。何とか言葉をつなげる。
「お前も、人を、幸せにできる力があるんだ。精一杯、頑張るんだよ」
「うん!頑張るわ!ありがとう、おじいちゃん」
ランティスは、輝かしい瞳で嬉しそうに言う。これでよいのだ。
涙ぐんだダンカンに、ランティスははっとして問いただした。
「でも…どうしておじいちゃんは天使のことを知ってたの?」
しまったー…なんて、今更後悔しても遅いが、何とか誤魔化す。
「あ!そ、そんなこと言ったかなぁ???き、気のせいじゃないか?」
それに、ランティスはまじめに悩む。
「え…確かに聞いたんだけど……もしかして、空耳?」
「き、きっとそうだ!そ、そ、空耳だよっ」
「ならいいんだけど」
「ほっ……」
なんとか誤魔化せたようだ。思わず安堵する。
ランティスは気づかなかったらしく、ふとなにか思いついたらしい。
「あ、そう言えば…!」
「どうしたんだい?」
すると、ランティスは嬉しそうに言う。
「おじいちゃんが、お母さんのことを言ったの初めてだわ」
ダンカンは、少し目を見開く。
――まだ小さいのに、全てを言うのには早すぎる。
悲しい思いをさせたくなかった。
そう思い、何度も何度も言いそびれてしまった。
言わないといけないとは思っていたけれど。
いつか、そんな日が来ると思っていたけれど。
そんな日は来なくていいと思ってもいたから。
「ああ、そうだね。お前のお母さんは、良い妻であり、母であった。」
「まぁ」
ランティスは口元に手をやり少し顔を赤らめた。
「はぁ…はぁ…」
一方、母と別れ、一人ランティスの家を目指していたミリナは、ずっと走りっぱなしだったため足はズキズキと痛いし、髪も乱れまくっている。
「もう、ちょっと……」
呼吸をするのもだいぶつらいが、そんなことを言ってられるような時ではない。
なんとしても、ランティスに言わないと。
アイビスさんと、フレッドさんのことを。
早く言いたい。そして、納得してもらいたいのに。走る早さはどんどん遅くなっていく。
「…はあ…ついた……」
やっとの思いで着いたランティスの家で、ミリナはこくりと喉を鳴らした。
第九話と、もうだいぶ書いてきてるのに、まだ天使ジークしか出てこないって…
そろそろ限界?




