Ⅲ 天使からの願い
第三話です。
今回、全然進展がなかったです。
次話、頑張ります。
「私に、手伝ってほしいこと…?」
問うと、ジ―クはうなずいた。
「お前にしか、できないんだ。頼む。」
「私にしかできない……」
私にしかできないこととは一体、何だろう?
私が今までやったことと言えば、誰かに教えてもらったことばかりだ。
「そんなこと、ないわ」
そう考えると声にも自信が少しなくなった。
「いや、あるんだ。」
ジ―クは私の知らない何かを知ってるみたいだった。
「お前は生まれつき、強力な『力』を持っている。本来なら人間を巻き込みたくはないのだが、今回は頼るしかないのだ。お前の『力』に。」
「私の、『力』?」
首をかしげた私に、ジ―クは真剣に語った。
「たまに、いるのだ。我々天使と同じような『力』を持った人間が。ほとんどは並の人間と同じような暮らしをしていく。だが、そんな人間の中でも稀に我々よりも強大な『力』をもった者がいる。そういう人間は、我々に力を貸してもらうのだ。我々は常に、人々の幸せを願っている。だが…」
「だが…?」
「何年かに一度、天使が多く死ぬ年があるんだ。天使は人々の願いをかなえるためにいるからな。数が減ると人々の願いはあまりかなえられない。天使も忙しいんだ。その時に、天使と同じような『力』を持った人間に手伝ってもらっているのだ。」
「人間が、手伝うの?」
「ああ。そして今年は天使が減ってきている。若い天使も死ぬのが増えてきた。そこで我々は『力』を持った人間を探し始めた。早めに探しとけば後々楽だからな。元気な天使たちは各地に探しに行った。俺もその一人、というわけだ」
「私にも、『力』があるというの?」
恐る恐るにしか聞けなかった。
ジ―クはそんな私を見て、頷いただけだった。
「私にも、手伝えと?」
「ああ。お前の『力』は強力だからな。無理やりにでも手伝ってもらうぞ。」
ランティスは、自分に出来ることなら協力したいと思った。
「わかったわ。お手伝いさせてもらうわ。私にできることなら、だけど」
するとジ―クは、待っていたというように言った。
「その言葉を待っていた。さすがあの人の娘だ。」
「あの人…?」
あの人、とは一体誰のことなのか?
ジ―クは焦ったように言ってきた。
「な、何でもない。気にするな。ほ、本題に入るぞ。」
「うん。」




