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正月が過ぎたが、ジジイは再び、餅をノドに詰まらせた。
「いづまでも、正月氣分で、いっがらだぁ」と言ってババアは、ジジイのノドに、蹴りを入れた。
すると餅は、ジジイの口から飛び出た。しかしジジイは、この蹴りのせいで、首を骨折した。
まだ詰まらせたまま、の方が良かったかもしれない、と救急隊員は言った。ババアは、照れくさそうに、「ヘヘッ」と鼻をさすった。
後日、病院へお見舞いに行くため、ババアは自転車をこいでいた。しかし道中、自転車のチェーンが外れ、
「クソがっ」とババアは額の汗を拭った。
そこに通りすがりの、若くて爽やかな男が声をかけた、
「大丈夫ですか? 僕、自転車好きなんで、直しますよ」
イライラしていたババアは、ブルース・リーの如く、チェーンをヌンチャクのように10秒ほど、クルクルまわし、男の顔をチェーンで引っぱたいた。失神した男の鼻は、完全に折れていた。
ババアは、倒れている男に向かって、両中指を立て、病院まで歩いた。
病室でババアは、首にコルセットを巻いたジジイにメロンを渡した。
「甘くて、うんめぇぞ」と笑顔でババアは言ったが、これが丸々、爆弾であることに、ジジイは氣付いていた。
ババアが帰ったあと、ジジイは開いている窓の外に、メロン改め爆弾を投げ捨てた。
「バァさんめ、退院したら許さんぞ」
しかし、この爆弾の外側はゴム製で、ゴムボールのように、はね返って病室に戻って来た、と同時に爆発し、町は騒然となった。
病院にあった自転車を盗み、ババアは家に帰った。しかし、ずっと立ちこぎであった。そう、脱糞していたのだ。
退院する前日、病室でジジイは、夜遅くまで復讐の計画を立てていた。
「明日に備えて、そろそろ寝よう」
ジジイはベッドコントローラーで、上げていたベッドの頭を下げた。フラットになった、ベッドの上でジジイは、
「しかし、便利なベッドじゃな。このボタンは、何じゃ?」
ジジイは、そのボタンを押してみた。するとベッドマットが、左右に裂け、ジジイは、「モニカッ」と言って床に落ちた。この間、1秒もなかった。しかし床かと思ったが、両側が壁になっていて、これがそのまま、棺桶になっていた。しかも完全防音、防水であった。そう、ババアの罠である。瞬時に、棺桶のフタはしめられ、ジジイは、
「誰か、助けて下さーい!」と号泣し、魂の叫びを上げたが、完全防音の箱の中、誰の耳にも届かない。
ジジイが行方不明になって、病院内はもちろん、メディアまでもが、このお年寄りの失踪事件を大々的に報じた。
灯台下暗し。一週間後、掃除のおばちゃんがこの箱、棺桶を発見した。中を開けると、ジジイの身体は、尿に浮いていた。だからババアは、防水機能もつけたのだ。




