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まんじゅう  作者: 火鳥-HITORI-


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年末年死


 10秒前、8、7、6で、テレビを観ていたジジイは、失神していた。警戒するのは、5秒前からで良い、と思っていたジジイは完全に、不意をつかれた。

 居間に突っ込んだ、キャデラックの運転席から、出てきたババアは、

「アクセルとブレーキを間違えた」と言って、新年を迎えた。


 正月、ジジイは便秘の如く、餅をノドに詰まらせた。

「うっ。……hel,l(ヘル)……p()」と助けを求めるが、途中意図せずに、『地獄(ヘル)』と言っていたのでババアは、ジジイの独り言だろうと思って、氣にとめなかった。

 かくし芸かと思っていたが、四時間経っても、ジジイの心臓が動かなかったのに氣付いて、ババアは、

「自然死、キチャーーッ」と喜び、タコ踊りをした。

 しかし、それはジジイの罠であった。ただ、「ヘル」については、想定外であった。いずれにしても、ババアを一人で外出させることに成功した。

 ババアは、初詣ついでに、ジジイの処理について考えていた。すでにスコップは、アマゾンで注文済みで、「あとは、場所かぁ」とつぶやいた。

 一方ジジイは、玄関に落し穴を掘り、穴の底に地雷を設置した。復讐に余念は無かった。

「そのまま墓にしよう」と言って、ババアの帰宅を待った。

 夕方、老夫婦の住む自宅玄関が爆発し、町は騒然となった。

 ジジイは両頬を、膨らむ餅の如く、満面の笑みで廊下を駆けて、その穴に放尿した。その光景をババアは、廊下の天井に張り付いて、無表情で見ていた。


 二人は仲直りに、銭湯にいた。男湯と女湯は、高い壁の上部がつながっていた。

 男湯でジジイは、シャワーついでに放尿しながら、女湯に向かって言った、

「バァさん、シャンプーかしてくれぃ」

「髪の毛、無ぇくせに、生意気だ」と言って、シャンプーを、男湯に向かって投げた。それをジジイが、キャッチすると同時に、爆発した。爆風は入口の、のれんまで激しく揺らし、町は騒然となった。それはシャンプーではなく、手りゅう弾であった。

 ババアは、風呂椅子の丸い穴から、小気味良く脱糞していた。

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