表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

1話 告白

4年ぶりの新作です。



「失敗したな…」

土砂降りの雨の中、薄暗い路地裏で俺は呟いた。


俺は一応ある程度実力のある冒険者のはずだった…

それが今は防具はボロボロで歩くのも精一杯だ。


ギルドから受けた依頼で油断し、魔物の反撃を受けてしまった。 

更に厄介な事に毒性の魔物だったので身体に痺れもある。



「限界…」

しばらく歩き続けたが身体に毒が回ってきたのだろう、身体が言う事を聞いてくれない。


俺はそのまま地面に倒れ込んだ。


「魔物の毒にやられて一人寂しく死ぬか…」

どうせなら死ぬのならもっと我儘に生きておくべきだったかと後悔する。


親友と時間を忘れて遊び続けたり、美味しいものを好きなだけ食べたりもしたかった。


好きな子とデートもしてみたかったな。


まぁ罪人の俺にはどれも無理な話だったが。


「来世があるのなら少しだけ我儘を許して欲しいな…」

最後の呟きは雨音にかき消されて誰に届くこともなく、俺は意識を手放した。



目を覚ますとそこは知らない部屋だった。


俺はあの後どうなったんだ……

まだ完全に覚醒していない頭を働かせてなんとか思い出そうとするが、思い出すことが出来ない。


「目が覚めましたか」

声のした方へ視線を向けると美少女が佇んでいた。



「好きだ」

気づいた時には声が出てしまっていた。

仕方がないと思い…たい。

好みど真ん中の美少女が俺を心配しながら優しく微笑んでいるのだ…好きにならない方がおかしい。

これが一目惚れなのか。



「あなたは何を言っているんですか!?」

彼女は顔を真っ赤にして驚いている。

まぁ当然の反応だと思うが、今は許して欲しい。



あのまま死ぬはずだったが生きているみたいだし、また同じように死にたくないから少しだけ我儘に生きてみたい。



そしてこれが初めての我儘だ。



俺はベットから立ち上がり彼女に真っ直ぐ向かい合う。



「あなたに一目惚れしました。 俺と付き合ってくれませんか。」



言い切った。

勢いで告白してしまったが中々に恥ずかしい。



「は!??」

彼女は困惑した声をあげて唖然としていた。

 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ