第Ⅳ章:タレットの実力?
第Ⅳ章:タレットの実力?
日が昇りケルトは目を覚ました。
下に降りるとご飯と共にメモが書いてあった。
『食べ終わったら畑に来い。』
ケルトは食事を済ませ昨日耕した畑に向かった。
“はぁ。今日も手伝いさせられるのかなぁ・・・”
畑に着くと鍬を持ったタレットが立っていた。
「おぉ来たか。じゃさっそく手伝ってもらおうか。」
そう言いながら畑を指さした。
その途端緑色の動く物体が目に入った。
そう認識した瞬間にゴブリン数匹が目の前に現れた。
「なんだこいつら!?」
「こいつらはゴブリンだ。こんな人里に現れるのは変だが・・・」
驚いてるケルトを横にタレットは冷静に状況を把握していた。
俺は腰を抜かしてしまい動く無くなっていた。
そんなケルトをよそにタレットは持っていた鍬で電光石火のごとくゴブリンを打倒した。
“なんという強さ・・・俺もあんな風になれるのかな・・・“
タレットの鍬さばきと言い、体さばきと言い、魅せられていた。
「俺を鍛えてください!」
大声でそういいながら頭を下げていた。
「当たり前だろ?はなっからそのつもりだって。」
呆れたような、少しにやけた顔でタレットは言った。
そこからは俺はタレット言うことを聞き農業を手伝った。
~そして数日が立ち~
「タレットさん。いつまで俺はこんなことさせられてるんですか・・・?」
「そりゃお前、農民ジョブなんだから農業をするのが当たり前だろうが」
タレットは笑い飛ばしていた。
「そういうことを言ってるんじゃないんです。こんなことしてて本当にジョブを極められるのか不安で・・・」
「安心しろ!俺はこれでジョブを極めてるんだから!」
「いや、タレットさんおいくつなんですか?」
「俺は75歳だぞ。」
「75歳!?どう見ても40代じゃ!?」
タレットの実年齢は75歳でありながら見た目は若々しくあった。
服を着ていてその下は見れないが、腕や足の筋肉は引き締まっておりその筋肉量は計り知れない。
「どうやったら早くタレットさんのようになれますか?」
「焦るなよケルト。お前はまだ若い。俺に憧れを持ってくれるのは嬉しいが目的を忘れるな。」
タレットは諭すように言った。
「分かりました・・・」
「まぁ今は俺の手伝いをしていろ。そのうち今やっていることの意味が分かってくるだろう。」
そう言いながらタレットはケルトの頭を撫でた。
とても硬く大きく力強い手だった。