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筋トレ始めたら人生変わった

作者: 名古屋 大八

 相島蓮は、アニメやゲームが大好きな典型的な冴えないオタクだった。そんな彼に学年でトップを争うレベルの美少女の百合宮優子はよく話しかけた。理由は、百合宮は誰にでも分け隔て無く話すいい子だからだ。しかし、蓮は女子とちゃんと会話した記憶が小学生の頃で止まってるので、


 もしかして俺、美少女に惚れられてんじゃね


 と勘違いを起こした。


 そして、クリスマスは逃したがバレタインには、間に合わせたいと百合宮に告白しようと決意を固めた。残念ながら彼は告白することはなかった。

 なぜなら、その日の朝に百合宮とクラスの人気者の男子が付き合ってるという噂が教室中を回ってたからである。当の百合宮も彼氏と仲良く登校し、噂は全肯定されると同時に蓮の初恋は人知れず玉砕した。


 蓮はその日魂が抜けたように過ごしたが、誰からも気づかれること無く終わり、家に帰った蓮は、いつもの様に録画したアニメを見ることにした。


 その時見たアニメが彼の運命を変えることになる。


「カッ……カッコイイ」


 蓮はとりあえず感動した。

 そのアニメは、超能力を持つ少年少女が悪の組織と戦うという、よくある話だ。そして今回は、その悪の組織の幹部との決戦回。その幹部は、組織の頭脳と呼ばれるほどインテリ系でちょくちょく暗躍してたのだが、一向に能力が明らかにならない謎のキャラだった。

 そんな、幹部と主人公の決戦。多くの視聴者と同様に蓮はどんな能力がでるのか心を踊らせた。しかしその幹部に能力などなく、己の鍛え上げた筋肉だけで戦うのだ。そして、今までで1番追い詰められながら主人公は無事勝利。

 そこで蓮が憧れたのは、主人公ではなくその敵の幹部。自らの肉体だけで超能力者達と張り合うというところに非常に憧れた。

 そして蓮はそのキャラみたいになりたいと思った。


 翌日蓮は行動に移した。

 髪を今までよりも短めに切り、そのキャラに近い髪型にした。幸いそのキャラは変な髪型ではなかったのでなかなか様になった。

 そして、彼は近所のスポーツセンターのジムの回数券を買った。最初は、会員制のジムに入ろうと思ったが、先日ラノベをまとめ買いしたので金欠だったのでやめた。

 次にプロテインを買った。もちろんネットで調べて、味効能共に優れた物を選んだ。


 週が開けて学校に行くと2度見される事は多かった。


 1つは彼の容姿が髪が隠れてる時に比べよかったこと、と言っても中の上だが。彼のクラスメイトの女子の内緒話によると悪くはないとの事らしい。


 2つ目は、彼が土日の筋トレで身体中が筋肉痛に襲われており、どこか動きがぎこちなかったりする。


 そんな蓮に話しかけるのは、彼の少ない友人達ぐらいで、その経緯を聞くと半分引きながら彼を受け入れた。


 いつもなら、百合宮が彼に話しかけるのだが、彼女は出来たばかりの彼氏に夢中だ。


 1ヶ月も経つと、蓮は着実に変わり出した。

 まず、ほんのりと腹筋が割れだした。それに彼は大歓喜した。それで自信をつけたのか性格も少しずつ外向的になった。そして、プロテインを神水と呼ぶようになり、1日最低1杯は飲まないと生きていけない体になった。武道も出来るようになりたいと思い近所の空手教室にも通いだした。


 これは、彼の大きな変化の予兆だったりする。


 筋トレを初めてから1年、蓮はとんでもない事になっていた。


 まず、身長が伸びた。筋トレを始める前の彼の身長は160cm。少し、小さいぐらいだった。それが1年で180cmになった。成長期と言ってもこれだけ伸びるのは珍しく、高身長になっていた。


 そして、1年間きっちりと育て上げた筋肉は、腹筋は8つに割れ、腕は筋トレを始めた頃の太もも並に太く、胸筋は女子と比べても大きい立派な雄っぱいになった。背筋や足も綺麗に育ち、インナーマッスルも育てたため、姿勢も美しい。


 勉強も元になったキャラがインテリマッスルだったこともあり、抜かりはない。学年では、下の上だった成績も次第に成長し、今ではトップ陣と張り合うレベルになっていた。


 そして、空手の方はどうかというと天賦の才があった。約半年で師範代を超えた。違うものを勧められ、柔道、テコンドー、ムエタイ、ボクシング、レスリング等の全てに異常というまでの才能があったため、どれも全国レベルにまでなっている。1度街で不良に絡まれた時は瞬殺した。


 おまけに、性格までも変わりすっかり紳士的になった。力仕事は率先してやり、やってる人がいたらサラッと変わり、困ってる人がいたら手伝う。


 そんなことを、冴えないオタクがやってもふーんで終わったが、身長と筋肉が付いたことで、悪くないじゃんといってた女子達は、すごくいいと言い始めるレベルなのでキャーと歓声を上げるようになった。その中には、彼が変わるきっかけになった百合宮も含まれたりする。


 つまり、彼は今異常にモテモテだったりする。

 彼氏と別れた百合宮を初めとする同学年の女子達、何かしら助けて貰った先輩や後輩達、同じジムに通っているお姉さんやマダム達、空手教室の子供達のお母さん達、色々習った結果金が足りなくて始めたバイトの仲間達が彼を虎視眈々と狙い日々牽制しあってる。他にも、不良に絡まれてるところを助けたアイドルなどがいるが、挙げたらきりがなかったりする。


 そんな好意に彼は1つも気付かない鈍感野郎だったりする。


 そんなにモテたら男の嫉妬はどうかと言うと、ほとんど無い。なぜなら、彼は男にもモテるからである。

 彼の紳士的な態度は、男女問わずなのでそれがよかったのかもしれない。


 さらに時は過ぎ8月、蓮は甲子園のマウンドにいた。

 春の体力測定の時にぶっ飛んだ結果をだしため、スカウトされ、気づいたらスタメンのピッチャーになっていた。その日彼は無失点18奪三振に加えて3本のホームランを打ち彼の名は全国に響いた。


 国立では、ゴールキーパーとして出場し無失点でチームを優勝に持ってった、花園では、大量のトライを決め、ウィンターカップでは、スリーポイントシュートを精度100%で決めた。


 その頃には、彼はより多くの女性から好意を寄せられた。あの、百合宮でさえ彼を目をハートにして見ているのに、それに気づく様子はない。


 なぜなら彼の恋人は筋肉であり、崇める神はプロテインだからである。つまり、


 プロテインは最高だぜ!!


冴えない男がモテまくる話を書きたいと思ったらこうなった

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[一言] 善きかな、善きかな!マッスル最強!
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