第2話 私に出来る事と大切な約束事①
私が目を覚ましたときには、何故か自分のベッドに寝かされていた。
あれ? 私は┄確か姉様がピンチだからログハウスから出たあと、走って行けば┄
血を滴った姉様が熊形の魔物に、握り殺されかけてるのを見た瞬間、目の前が真っ白になって、気がついたら寝てましたのでした。
おい┄まて! その間になにが┄あったんじゃい
と突っ込みたい
それに姉様達は助かったの?
くそ~! 誰か説明をしやがれ~い‼
布団から起き上がり、枕をボフボフとベッドに叩きつけていると
「┄ようやく目を覚ましたようだな┄ユリアナ┄」
とても寒い温度がひやりと私の背中に突き刺さり、声が零下50度の北極の風のように吹き荒れる
うおー凍る~~ってか、凍らされる~~、しゃぶい
私は┄凍えるように┄ゆっくりと声がした方向を見れば、壁に寄りかかり┄、イケメンパパが┄にっこりと笑って見つめています。
こえーよ! その笑顔┄めっちゃ怒っていらっしゃっとりますぜ┄
ハッ! もしかして私は┄私が秘密基地に行ってることも、バレとりますかい、ダンナ!
ヤバイ、ヤバイ┄┄どうする私よ!
お! そうだ┄ここは必殺技を使おうではないか┄┄日本風の技『土下座』を
今こそ披露いたそう! パパよ┄これが土下座だ‼
「お父様、ごめんなさい!!!」
深く深く頭を下げて前の方に手を三角にし、正座の体勢で謝るのがポイントだ。
すると┄何故か┄余計に寒い風が強くなりました。
やめちくれ凍る┄┄
「ほお┄謝るような事をしたと┄自覚しているわけか?」
とお父様は言い、そして頭に触れようとされて私は身を縮める
だってバレてるから┄こんな冷気を出しているんだもの
怒られるとビクビクしてたのに、触れられたときには、優しく撫でられ、次には抱き締められてしまう
おい、パパ上、どうしたんでしょう
ホワッツ?
不可解な行動に頭が混乱する
何故に怒られずに、抱き締められるのでしょうか?
誰か説明をして下さい! 父上でもいいので、ほれほれ!
と思っていれば┄、次には私の疑問は父上の言葉で理解した。
「よかった┄娘が目を覚まして。私は生きた心地がしなかったのだぞ┄」
「┄ごめんなさい┄父上┄」
そうだった┄あの魔物は誰が倒したかは知らないけど、助かったんだ
大事な娘をお父様は心配して来てくれたんだと気づいたら、妙に安心して、涙が自然と沸き上がった。
◇◆◇◆◇
一通りに涙を流し終えて、鼻水が出そうになるのを我慢し、ベッドに座るお父様の胸元に顔をあてて甘えていたことに、急に恥ずかしくなっていると、よしよしと頭を撫でられた
くそ~! いい父親だぜチクショーめ┄
「┄お父様┄もう落ち着きました」
「┄そうか┄。うん┄なんだ┄その顔は? 私に何か聞きたそうだな」
じ~っとお父様を見てしまい、不意に姉様達の事が気になっていたため
お父様の言葉に驚いてしまった。
心を読まれた! なじぇにバレた?
「心の声が口から漏れてるぞ┄ユリアナ」
「ふえ! まじで┄ですか?」
コクリと頷くお父様に、うぐっ! と思い┄言葉に詰まらせてるものの
気になることは聞いておかないと、気持ち悪いから┄姉様のことを尋ねた。
するとお父様は苦笑気味に笑むと姉様の状況を話してくれた。
「いま┄サリアナは┄騎士の診療所『ユース』にて入院している」
「┄┄┄入院┄姉様が‼ 大丈夫なんですか┄あんな酷い怪我をしてましたから┄‼」
「┄ああ、大丈夫だ。サリアナは母親譲りの根性と精神力が強いからな。ただ、出血が酷く1週間は入院せねばならんと言っておった」
「他にも3人と王太子は怪我はしとらんが、学園にて説教はされ、外出禁止を受けているがな┄」
「何で外出禁止なんです?」
「それはな┄┄まあ今はよかろう┄のちのち話す。それよりもユリアナにも、罰を与えねば┄ならんな」
「ふえ? 罰┄ですか?」
そうだった┄私もお父様の言いつけを守らずに外出をしていたのでした。
今までバレてないのが嘘のようだったけど、今回の事でバレたのだ┄┄何をされるのだ?
説教か? 体罰? それとも┄監禁? 食事ぬき?┄┄あ┄いかん、腹へってきた┄
グ~っと腹の虫が静かな部屋に小さく音がする
するとお父様はクスッと声を殺して笑われた。
┄恥ずかしくて、腹の虫め~! と文句を言えば、余計に笑われたのだった。