ある日の雨の中で③
ブックマークありがとうございます
次に意識が戻ると、私はフワフワの布団に寝かされていた
「┄お、ここは┄どこでしょうか?」
「意識は戻ったかい、ユリアナ嬢┄」
近くから声がして横を向くと、ジルクが心配そうに見ていることに気づき
うぎゃあ! なじぇに、今日は┄お主もいるんじゃい! 攻略対象者、王太子ジルクハート・フォン・ガイフォルト
と叫びたいのをグッと我慢して布団を被り、コクンと頷くとジルクは、にっこりと笑った。
この人物は、ジルクハート・フォン・ガイフォルトで、乙女ゲームの攻略対象者の一人に年齢は私より4つ年上で9才だ
私との未来では学園入学後に、彼に一目惚れをしたユリアナが、しつこくアピールするものの、好みじゃないか? そっけなく、人の心がないのではと思うような冷酷な言葉を浴びせられる
そしてヒロインに出会い彼(王太子)の心の闇を晴らすんだよね。
姉様とも仲が良くて、嫉妬した私がヒロインと姉をイジメるのだ
そして┄バッドエンドへの道が開くのよ、嫌だね。
だから攻略対象者など、関わるつもりは、なかったんだよね最初は
でもね、聞いて下さいよ。
姉様の秘密基地に来たら┄もうすでに、王太子も仲良くなってて、行けば出会うのは必然となったのさ!
知るわけねえし、チクショーめ!
しかし、ゲームと違い王太子は小さい頃は、優しくて┄人の事を思いやりがある奴だと知ったんだよ
何故、将来、あんなになるのか? と疑問がわくわね
深く語られてなかったから┄知らないけどさ
「どうかしたのかい? 人の事みて┄?」
「┄なんでも┄ない」
少し布団を下げて言うとジルクは、そうなのかい? と首を傾げていた。
きょとんとして首を傾げてくるとは、いい武器を持っている。
一瞬ちょっと可愛いと思ってしまったではないか
私の胸キュンポイントをつつかないで、いただきたいぜ
ぼんやりと王太子をみていたら、何故か恥ずかしそうに頬を掻いている
うん? どうした王太子よ?
そう思ってると回りを確認後、私を見ると、王太子は急に笑顔を向けてくる
やめれ! イケメンオーラふりまくな! 平凡女子には、眩しいんだじぇ
そんな心の突っ込みをいれたが、次の瞬間には┄突っ込みを入れる所では、なくなった。
おでこに手を触れて撫でられた
「┄僕にも、君のような可愛い妹が、いたらいいのに┄」
「いいなぁ~サリアナは┄よしよし┄なでなで」
ポツリポツリと王太子が呟きながら笑顔で撫でられ、恥ずかしくなる
男性に┄このように触れられて、恥ずかしくならない奴は凄いよ、マジで
┄┄でも、やめちくれ
優しく撫でるな、触るな、イケメン笑顔を向けんでくれい‼
顔に熱がこもり、私はバッと布団を被り、王太子から逃げる
「┄あ! ごめん┄怒ったか?」
また少し布団を下ろし顔を半分まで┄出すと
「┄急に┄触られて、恥ずかしかっただけです┄」
少々顔が赤くなって┄照れながら言えば、王太子は「クッ可愛い、なにこの生き物」と言って悶絶していらした。
大丈夫か? 王太子よ?
などというやりとりをしていると部屋の扉が開く音がしました
バンッと勢いよく
私は┄今度は、なんじゃいと思い起き上がると、扉の所では┄シクスとブライアンがいます
ホワイ? 何故にあんたらまでいる~んですか
よし! 再び、ねようか┄
そう思い現実逃避を謀ろうと布団に逃げようとしたら、黙ったまま速いスピードで私のベッドに来ると┄布団を剥がされ、じ~っと観察してきました。
なにを、しやがんじゃい
キッ! と睨みつけると、なんだか二人してコソコソと話ながら
残念そうに私を見ると
「「レオルドが止めなかったから、こんな男の子の格好を┄いつもの格好のほうが目の保養になってたのに~~‼」」
「「俺達の可愛い、妹がーー‼」」
などと失礼な事を、ほざいていた
誰が、お前らの妹じゃい‼
と突っ込もうかと思っていたら┄シクスとブライアンの後方に姉様がいつのまにか現れて
バシバシと叩かれていた
うわあ┄痛そう!
急な出来事に、そんな感想を感じながら姉様を見ると、手をパンパンと払い
そして私の方向を向くと近づき、手を握りしめ、自分の気持ちを語る
「┄大丈夫だった? ごめんね、ここ男どもしか┄いないのに一人にして、心細かったでしょ! 目が覚めてお姉ちゃんがいなくて!」
「えっと┄、ジルク殿下が┄いたので┄大丈夫でしたよ」
「そう┄やっぱり心細かったわね、今はお姉ちゃんが一緒だから」
「え? 姉様?」
ぎゅむと抱きしめられ、力強くて┄ああ、また私は気を失うのかな~?
と思っていた矢先、今度は姉様が叩かれていた
すると力が抜けて解放されるなり、姉様が振り返って
「痛いわね、なにすんのよレオルグ」
と怒鳴れば、近くではレオルドが呆れ気味に、姉様の額を指で弾く
「お前が力強く妹を抱きしめて、再び気を失わそうとしてたから止めたんだよ! アホタレ」
「┄イタッ! あら、そうなの?」
「そうなんだよ。それにシクスとブライアンなんていまだに後頭部を痛そうに跪いてるしな」
指でシクスとブライアンのいる場所を示せば
頬に手をあと「あら、本当」と呟き
私を見れば、ホッと安心している姿にショックをうけて、謝罪されました。
余談だが、このとき王太子は、私達に気づくことなく、一人で悶絶してました