ある日の雨の中で②
昼頃に、私は静かに自分のベッドに横になり、お父様から貰った2巻を広げて読んでいた。
いいなぁ~、私も冒険したいなぁ~
先の破滅なんか無視できたらいいのに
そんなことを思いながら、ハァ~と
ため息をもらしていると、┄私の部屋をコン、コンと石をぶつける音がし
私はバッと起き上がり、慌てて本を持ったまま窓を開けて外を見ると、石を再び投げようとしている人物は、私を見てニッと歯を見せて
ピョーンと飛躍し窓枠に掴み、入ってきた。
「よ! 暇かユリアナ?」
「┄暇だけど、普通に入って来ればいいじゃないの!」
「え~、面倒じゃん。騎士団長だぜ、怖いだろ、あの顔┄おれ最初、恐怖魔人かと思って泣いたもん、今でもビビる相手に表面からは無理‼」
ビシッと目の前で×印をつけている人物、名前はレオルドといい獣人で姉様のお友達なの
何で、私の所に来るのかというと、お昼頃に姉様達が秘密基地を作っていて毎日、そこに通っていて私も仲間に入れてもらったんだ。
お父様やお母様には内緒でね
「どうする? 迎えに来たけど、来るかい?」
「姉様は、もう行ってるの?」
「うん、まあね。結構な行動力のある、お転婆少女って感じだから、ほっとけないんだが┄」
「ふふ、レオルドは姉様のこと好きだものね┄」
ニヤニヤとレオルドを見て言うと、ビシッと人差し指で、弾かれ
「ませたこと言ってんなっての、それより行くの? 行かないの? どっちだ?」
少し恥ずかしそうに、照れるレオルドに問われ、私は頷く
行くに決まってる! 令嬢であろうと私は冒険を夢見る女なのだ。
姉様みたいに格好良く強くなるの。
でも秘密基地は、動きやすい格好でないと行けない、そう思い服を脱ぎ出すと
「┄おま、なにやってんだよ‼」
「うん? 動きやすい格好してるんだよ、私みたいな子供の着替え見て何か思うの?」
「┄思う、思わない、じゃなくてだな。一応は子供でも女として┄恥じらいをもてと┄」
あわあわと慌てるレオルドに、私はクスクスと笑いつつ、さっさと着替え終わる
メイドのサラには、この事を話してるから、服も男の子っぽいものを用意してもらっている平民の子が着る服を。メイドのサラが少しブツブツ言っていたけど、私の夢のためだと協力してもらってるのだ
服の上はYシャツに、下は縦と横に模様がある黄色のズボンに髪はアップにして帽子に髪を隠すと、どこにでもいる男の子に見える
「┄レオルド、着替えたわよ」
「だからだな┄って┄。なんだ、その格好は?」
「ふふん。姉様にも協力してもらった、男の子変装チェンジよ、似合う?」
「┄似合うけど┄女の格好でも良くないか?」
「チッチッチ! あんなフリフリの服を着て行ったとき、遊びにも移動にも邪魔なのよ。ならば、私の憧れのピエルナになりきればいいと結論したの」
ビシッとサムズアッブしてキメてみた。
フッ、私ってば格好良い
だけどレオルドは呆れたような、ため息をもらす
「どこで、その結論づけてんだか。まあ、いいや。それよりおぶされ飛んで連れてってやるから」
「う、うん」
妙にスルーされたものの、レオルドが私がおぶされるように、屈んでくれ
私はえいっと背中に飛びつくとレオルドは立ち上がり、窓枠に手をあて飛び降りた。
そのあと、レオルドの脚力でスピードを上げ、ジェットコースター気分を味わいながら秘密基地の場所に行った。
◆◇◆◇◆
秘密基地の場所は、私が住む屋敷から距離的に五キロ離れた、聖樹な森の中にある広場に、大きく聳え立つ大樹アウロの上にログハウスを、姉様にレオルグ、他3人の友人でコソコソ作ってたんだって、凄いよね
初めて連れて来てもらったとき、まじまじと見て歓喜の叫びをあげたよ┄私は
だってマジで、ザ・秘密基地って感じで、冒険に憧れる私はロマンに打ち奮え、姉様凄いってキラキラしたね
ふ、懐かしきかな、いい思いで(我が興奮)
「┄もうすぐ、着くぞ┄」
「おお‼」
思考の中でレオルドに声をかけられて、喜びの声をあげれば、クスクスとレオルドに笑われた。
「┄本当に、嬉しそうだな┄毎日┄」
「ふふん。これも私の冒険なのだ┄嬉しいに決まってるわ!!」
「┄そっか。ならスピード上げるから、しっかり掴まってろユリアナ」
「おう‼」
ぎゅっと服を掴むとレオルドは、スピードを上げて走る。
風が髪を撫で心地がよく、楽しい気持ちで秘密基地につくのを待った
1分~2分後ぐらいたった頃だろうか、視界にある森を抜けて広場へ到着すると、大樹の近くでは姉様が、綺麗な赤い髪を1つに纏めたポニーテールの髪型で優しい瞳のアイスブルーを私達に向け、駆け寄ってきます。
服装は上には、見習い騎士の学生服で白く格好良い姿でした。
「はい、到着だ。下りるか?」
「うん」
私はレオルドの背中から下りると、姉様が私の所に近づいたのが同時だったらしく地面に着地する前に抱きしめられていました。
「うきゃあ!」
「ユリちゃん、可愛い━━‼」
むきゅうと抱きしめられて、頬擦りされ
何をしなさる姉様と叫びたいのに、声が出せない程に力強く、息が┄
私は2度目の人生を姉様によって、死をとげるのか⁉ ガクッ
「こらこら、サリアナ┄そこまで力強く抱きしめたらユリアナが死ぬぞ」
「え? あら、やだユリちゃん、大丈夫⁉」
「┄気を失ってるな┄┄」
「ユリちゃん、死なないで┄‼」
などとレオルドが言い、姉様はガクガクと私を揺らされながら
死んどらんわ‼ と突っ込みたいが、本気で気持ち悪くなり、意識が途切れたのだった。ガクシ