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プロローグ:終わり
ある公立高校の屋上。
格子もない危険な場所なので立ち入り禁止のはずだが、そこには人生の終わりを目前とする一人の青年がいた。
(ここからまっすぐ落ちれば死ぬ。そんなのわかってる...だけど一度でもいいから生まれ変わりたかったな...)
落ちた。その感覚しかなかった。風の痛々しい抵抗に逆らい突き抜けていく....昔のとても嫌な思い出が蘇る。
母親がいないという現実、虐待で耐えられなくて父親殺した時の肉を斬ったあの感覚が....
「あぁ...これが走馬灯ってやつか」
ドンッ!!!!!。
地面に衝突した。衝突した音は意外にも地味だった。