黒き大剣使い
更新が遅くなってしまい申し訳ございません。
読んでいただけるとありがたいです。
「何かあったんですかねえ……」
美術の先生はそう呟いた。
「でも保健室に呼ばれるって珍しいですよね」
「しかも授業中だぜ?」
「何かの検査を忘れてたとか?」
「それ今やるか?」
生徒達は口々に辰也について語っていた時、教室の扉が開いた。
扉の前に立っていたのは黒いコートに身を包んだ 大剣を持った人物だった。 大剣を持っていない方の手には血にまみれた白衣を持っている。
男は扉の一番近くにいた教師の首をはねた。 教師の首が血を撒き散らしながら宙を舞った。
一瞬の静寂の後、教室は恐怖と混沌に包まれた。
女子は悲鳴を上げ、腰を抜かしている生徒もいた。
「に……逃げ……!」
一人の生徒が後ろの扉から逃げようとした瞬間に男は剣を生徒に向かって振り抜いた。
次の瞬間に生徒の体は真っ二つに割れていた。 生徒の体が床に崩れ落ち、内臓が体内から転がり落ちた。
男は剣の柄で扉の鍵を破壊した。 そして後ろの扉に跳んで移動した。
「え……!?」
生徒の中には状態を呑み込めていない者。 床に嘔吐する者もいた。
「逃げろ! 逃げなきゃ死ぬ!」
男子生徒が叫び、大半の生徒が先程まで男が立っていた前の扉に集まった。
しかし男が先程鍵が閉まった状態で鍵穴を破壊した為、扉は開かなかった。
「何してんだよ!」
「開かない!」
生徒達が立ち往生している間に男は孤立した生徒達を殺めていた。
「こっちに来るぞ!」
「くっそ……! 開け!」
「どけ!」
体の大きい生徒が扉にタックルすると扉は吹き飛んだ。
「やった!」
そう言って生徒が拳を握りしめた瞬間に男は剣を水平に振り抜いた。
次の瞬間に生徒達の首は全て体から離れていた。 教室の壁に切り傷がつき、床に死体が崩れ落ち血が流れだして床を赤色に染めていく。
「え……あ……」
一人の女子生徒が腰を抜かした様に地面にペタリと座り込んだ。
「そう言えば……立花さんって小柄だったもんな」
そう男は呟いた。
「お……お願い……助けて……」
女子生徒はガタガタと震えて涙を流しながら小さな震える声で呟いた。
男は女子生徒に近づくと何の躊躇いも無いように首をはねた。
女子生徒の体は他の生徒で血の海となった床に崩れ落ちた。
男は教室から出ると階段を下り、廊下を歩き、音楽室とかかれた教室の前で止まった。
男は扉を開けた。 急に扉が開いたので生徒達の視線が一気に集中した。
そして再び一瞬の静寂の後、生徒達はパニックに陥った。
男は再度剣を水平に振り抜くと教室の壁に切り傷が刻まれ、真っ二つになった生徒達の体は床に転がった。
男は教室から出ると違う教室に向かった。
「ここね」
そう女性が呟くと車の運転席で車を運転していた男はブレーキを踏んだ。
車はマンションの前で止まった。 学校から約一キロメートル程離れた十階建てのマンションである。
「部屋は六階の三号室。 行くわよ」
そう言って女性は車から降りた。 車から姿を現した女性は学校にいた金髪の女性だった。 後ろでは車から大きな箱を男性二人が取り出しているところだった。
女性はポケットから鍵を取りだしオートロックの自動ドアを開け、エレベーターに乗り込んだ。 男性二人も箱を丁重に扱うようにしてエレベーターに乗った。
六階にランプが点灯し、六階に着くと女性は三号室を開けた。
部屋の中にはキッチンと食卓。 テレビの前には二人掛けのソファーが置いてある。
「まあソファーで良いでしょ。 さあ寝かせるわよ」
女性がそう言うと男性は箱をカーペットの上に置き、箱を開けた。
箱の中には男子生徒と女性生徒が眠っていた。
男性は辰也をソファーに寝かせ、もう一人は優衣を辰也の横にくっつけて寝かせた。
「さて、撤収するわよ」
女性は辰也と優衣にソファーに置いてあったタオルケットをかけるとそう言って玄関に向かった。
「あ……危ない。 忘れてたわ」
女性はリビングに戻るとポケットから鍵を取り出した。
「英里奈様。 一応あれを」
男性はそう言って布と手袋を取り出した。
「あら、そう?」
女性は鍵を男性に渡した。 男性は手袋をはめると鍵についた指紋を布で拭き取っていく。 そして英里奈が食卓のテーブルを指さし、男性はそこに鍵を置いた。
「そろそろあの子も終わった頃かしら。 死んでなきゃ良いんだけど」
そう言って英里奈は男性二人を連れて、部屋から出ていった。
「何なんだよ……!」
男子生徒は後退りをしながら震える声で叫んだ。
次の瞬間に男子生徒の首は宙を舞った。
ここは校門に一番近い中学生の校舎。
奥にある校舎の窓には真っ赤な血がベットリとついていた。
グラウンドには首が無い体や真っ二つに割れた死体が転がっており、乾いたグラウンドの砂を潤すかの様に血が地面に染み込んでいく。
男は校舎の外に出て教職員専用の駐車場に向かった。 駐車場に向かう途中にも死体が転がっていた。
男が駐車場に着くと一台の車が駐車場に入ってきた。
車は男の前で止まるとドアが開き、黒髪の女性が降りて男に頭を下げた。
「お疲れさまです」
「確かに人数が多かったから疲れたよ」
男がそう言うと黒いコートが消えていき、代わりにこの学校の制服へと姿が変わっていく。 いつの間にか身の丈程ある大剣も消えていた。
「お乗り下さい。 本部へ戻ります」
「ありがとう」
そう言って男は車に乗り、女性も車に乗った。
私立高校
死亡生徒 1452名(教職員を含む)
生存生徒 2名
この事件もニュースやネットで後に騒がれる事になる。
最後漢数字にするか迷ったんですが漢数字だと読みにくい気がしたので普通の数字に致しました。
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もう一つの作品 魔力大戦~magical world~ もよろしくお願いいたします。