白き罠
ただの日常回になったような、なっていないような……。
読んでいただけるとありがたいです。
優衣がベルを鳴らすと中から椿が出てくると椿は少し驚いた様な反応を見せた。
「優衣ちゃん? どうしたの?」
「え? 美歌さんが優衣のことを椿さんが呼んでるって……」
「あれ? 私優衣ちゃん呼んだっけ……。 まぁ良いか。 とりあえず部屋おいで」
「おじゃまします」
優衣は玄関に入ると前回の事を思いだし、玄関で椿に抱きついた。
「優衣ちゃん?」
「えへへ。 前はここで甘えちゃいました……」
「ふふふ。 そうだったね」
椿は優しく微笑むと優衣の頭を優しく撫でた。 優衣は嬉しそうに笑うと椿の体を更に強く抱きしめる。
「優衣ちゃん。 後でたっぷり甘えて良いからもうちょっとだけ待ってて。 仕上げなきゃいけない物があるから」
「じゃあ待ってます」
優衣がそう言うと椿は優衣を寝室に連れていき、優衣をベッドに座らした。 椿はベッドの横の机の上に置いてあるパソコンの前でイスに座ると作業を始めた。
「美歌に言われて来たの?」
「はい。 椿さんが優衣のこと呼んでるって」
「あの子に伝言なんてしたかなぁ……」
椿はそんなことを言いながら作業を続けている。 優衣は少し暇そうにベッドに寝転がった。
(ベッド良い匂いする……)
優衣は寝返りをうってベッドに顔を押し付けた。 鼻から息を吸うと椿に抱きつく時に香る匂いと同じ匂いがした。
(でも……やっぱり何か変だよ……)
優衣はうつ伏せの状態で胸をベッドに押し付けた。 そのまま胸をベッドに擦りつけると優衣の口から甘い声が漏れた。
「優衣ちゃん?」
「な! 何でもないです!」
優衣は焦ってそう即答した。
「え、何かあったの?」
「何でもないです!」
「あ、なら良いけど。 辰也君にはもう連絡してあるの?」
「はい。 椿さんの所に行ってくるって言ってきました」
「なら大丈夫だね」
椿はそう言ってパソコンを閉じた。 そして大きく伸びをした。
「終わったんですか?」
優衣は嬉しそうに笑いながら上体を起こした。
「うん。 ちょっとトイレ行ってくるね」
椿はそう言うと寝室から出ていった。 優衣は再びベッドの上でうつ伏せになった。
(やっぱり優衣の体が変だよ……)
優衣はベッドの上に置いてある抱き枕を抱き寄せた。 そして抱き枕を足で挟み、抱きしめた。
(これもちょっとだけど良い匂いする)
優衣は抱き枕に抱きついたまま上を見ると普通の枕が置いてある。
(枕っていつも頭を置いてる所だから……いっぱいシャンプーの匂いするかな?)
優衣は抱き枕を抱きしめたまま体だけ上に移動しようと体を動かした瞬間に口から甘い声が漏れた。
(えっ……? 何今の……)
優衣がもう一度動いてみると足で抱き枕を挟み込んでいるので自分の股と抱き枕が擦れている。
(これ……凄い……!)
優衣は抱き枕を手で上下に動かした。 そして抱き枕が自分の股に擦れるのに合わせて甘い声が漏れてくる。
「あんっ! やんっ! これぇ……止まんないよぉ……」
優衣は何度も何度も抱き枕に擦りつけて喘ぎ声を漏らしている。
「優衣ちゃんただいま」
寝室の扉が開き、優衣が慌てて抱き枕から離れた。
「お、おかえりなさい……」
「あれ? 優衣ちゃんちょっと汗かいてる?」
椿は優衣の顔に自分の顔を近づけた。 反射的に優衣の頬が赤くなる。
「暑いの?」
「あ、そう言う訳じゃ……」
優衣は椿の顔を見つめた。 何度も自分の唇と重ね合わせた椿の口元を見つめて優衣は更に頬を赤くした。
(何か……体が火照ってる……。 それに椿さんとキスしたくてしたくておかしくなっちゃいそう!)
「優衣ちゃん大丈夫? ちょっと息も荒いけど……」
「椿さん……。 優衣もう……我慢できないよぅ……」
優衣は切なそうにそう言うと椿の手を握った。
(反則的にかわいい……)
椿が優衣を抱きしめようとした瞬間に椿の携帯電話が鳴った。
「電話? ごめん優衣ちゃん。 もうちょっとだけ待ってて」
「うぅ……。 優衣……もう我慢できない……」
「後でたっぷり甘えて良いから。 もうちょっとだけね」
椿は駆け足で寝室から出ていった。 優衣はベッドに寝転がると再び抱き枕を足で挟み、抱き枕を上下に動かし始めた。
「はぁはぁ……。 止まんないよぉ……」
優衣は少し息を切らしながら抱き枕を上下に動かし、片手で自分の胸を優しく撫で始めた。
(だめぇ……手ぇ止まんない……)
優衣は1人で甘い声を漏らし続けた。
「君は……」
「えへへ」
女の子は楽しそうに笑うと辰也に抱きついた。 随分と薄着なので女の子の体の柔らかさと熱が伝わってくる。
「ちょっ!」
「お兄さんあったか~い」
女の子はぎゅうぎゅうと体を押し付けてくる。 辰也はそのまま押されるように部屋に入り、ドアを閉めた。
「君は確か……」
「お兄さんが助けた女の子だよ?」
「あ、やっぱり」
「えへへ。 お兄さん♪」
女の子は辰也をベッドに押し倒すと辰也の体の上にまたがる様な体勢になり、じっと辰也を見つめている。
辰也はゆっくりと上体を起こした。
「それで……お礼を言いに来てくれたのか?」
「うん! もう1人女の子にもお礼を言いたかったんだけど……今はいないの?」
「優衣のことならちょっとお出かけ中だよ」
「そうなんだ。 ちょっと残念だなぁ」
「君……名前は?」
「未来だよ♪ 東雲未来。 未来って呼んでね♪ お兄さん♪」
未来は嬉しそうに笑いながら再び辰也の体をベッドに押し倒した。
「えっと……未来はもう怪我とかは大丈夫なのか?」
「うん。 もう大丈夫だよ」
そう言いながら未来は体を辰也に密着させ、楽しそうに微笑んでいる。
「あんまりくっつかないで……。 怒られるから」
「怒られる? 誰に?」
「未来が言ってるもう1人の恩人の女の子だよ」
「…………もしかしてお兄さんその女の子と恋人同士なの?」
「えっ、うん。 そんな感じだけど……」
「えー! ずるいよ!」
未来はそう言うと辰也の腕を掴んだ。
「はい。 分かりました」
そう言って椿は電話を切った。
(明日学園長にあのデータ渡すんだった……。 学園長が電話してくれなかったら忘れてたかも……)
椿は机の上に置いてあるメモ用紙にメモすると寝室に向かった。
ドアを開ける直前に再び携帯電話が鳴った。
(今度はメール? 誰?)
椿がメールボックスを開くと美歌からメールの受信があった。
「美歌から?
「今部屋に優衣ちゃんいる? 実はさっき飲ませてあげたジュースに媚薬を混ぜておいたの。
だから優衣ちゃん今頃自分では制御出来ない位に発情してると思うからた~~っぷりかわいがってあげてね♪」
って何考えてるのあの子!!?」
椿は急いで寝室に入ろうとしたがピタリと止まった。
(まさか……本当に……?)
椿は優衣に気づかれない様にゆっくりと扉を開けた。 部屋の中を覗くと優衣がベッドの上で抱き枕を抱きしめたまま甘い声を漏らしている。
(わぁ……我慢できないってそう言うこと……?
それよりもこの状況を一体私はどうしたら……)
椿は半分パニックになりながら優衣を見守った。 すると優衣は喘ぎながら椿の名前を呼んでいた。
(……理性飛びそう)
椿はゆっくりと部屋に入ると優衣の背後に忍び寄った。 優衣は自分の体を弄るのに夢中なのか椿に気づいていない。
「はぁはぁ……椿さん……」
「なあに?」
「わっ!!」
優衣は驚いて飛び上がると急いで抱き枕から離れて胸からも手を離した。
「優衣ちゃん何してたの?」
「え、えっと……」
「エッチなことしてたの?」
椿は優しくそう訊くと優衣は恥ずかしそうに体をくねくねと動かした。
「してないです……」
「ほんとに?」
椿は優しく優衣を抱きしめると優衣の胸を優しく撫でた。 優衣はそれだけで声が抑えられないのか口に手を当てているが甘い声が聞こえてくる。
「椿さん……」
「ここ固くなってるよ?」
椿はそう言って優衣の胸を揉み始めた。 優衣は体をのけ反らせて一段と大きな声で喘ぎ始める。
「椿さん! そこはだめぇ!」
「優衣ちゃんエッチなことしてたの?」
椿がもう一度そう訊くと優衣は恥ずかしそうに頷いた。
「どういうことしてたの?」
椿は優しく優衣を抱きしめたまま優衣の体を優しく撫でていく。
「抱き枕で……擦ってみたり……自分で胸を触ったり……」
「オナニーしてたの? エッチだね」
「1人でエッチなことすると……そう言うんですか?」
「そうだよ。 優衣ちゃん焦らしちゃったからもう我慢できないでしょ」
椿は優衣のスカートをめくりあげた。 そして優衣の太股を優しく撫でる。 そして椿は段々手を上に上げていく。
「椿さん……! 優衣もう我慢できない!」
「甘えん坊だね。でももう私も……我慢できない!!」
椿は優衣をベッドに押し倒した。
「そんなのズルい! 未来も!」
未来はそう言って辰也の手を自分の胸に押し当てた。
「ちょっ! 未来!」
優衣よりは少し小さい未来の胸。 しかし下着を着けていないのか感触が良く伝わってくる。
「んっ! やんっ!」
未来の胸に辰也の手が押し付けられる度に未来の口から甘い声が漏れる。
手から温かくて柔らかい感触が伝わり、辰也は手を振りほどこうとするが未来は両手でしっかりと辰也の手と指を掴んでいる。
(無理に振りほどいたら指が痛いな……)
「未来。 離して」
「やぁだ! お兄さんの手は離さない!」
未来はそう言うと辰也の手を再び自分の胸に押し付けていく。
「ちょっ! 未来! これ以上はダメだって!」
辰也は堪らず手を引き、未来が驚いて指を離した瞬間に再び指を握られない様に手を閉じようとした。
閉じようとする際に辰也の指が未来の胸の登頂部に軽く引っ掻く様に触れた。
「ひゃん!!」
触れた瞬間に未来は体に電流が走ったかの様にビクンと体をのけ反らせた。
未来は辰也の手を両手で掴んだまま頬を赤らめて辰也を見つめた。
「お兄さん……そこは未来弱いから……。 もっと優しくしてね……」
そう言うと未来は辰也の手を自分の胸の登頂部に押し当てた。 そのまま辰也の手をぐりぐりと擦り付ける。
「はぁん! お兄さん!」
「待て待て待て! 未来落ち着け!」
手に少し固いこりこりとした物が当たり、そこに手が押し付けられる度に未来の口から甘い声が溢れ出る。 辰也は空いている手で未来の横腹を優しく撫でた。
「きゃっ!」
いきなりくすぐられて未来の力が一瞬だけ抜けた瞬間に辰也はもう一度手を引っ込めた。
「あぁんお兄さん! もうちょっとしよ?」
「しないってば……」
辰也はくたびれた様に小さくため息をついた。
「お兄さんの照れ屋さん」
未来は辰也に抱きつくとそのままゆっくりと目を閉じた。
「まさか泊まる気?」
「うん」
未来は目をうっすらと開いた状態で即答した。 未来は今にも眠ってしまいそうである。
「じゃあ未来はそっちのベッドで……」
「やだ。 お兄さんと一緒に寝る」
辰也が言い終わる前に未来はそう言った。
「えっ?」
「一緒に寝るの」
未来は眠そうにしながらも辰也の体をしっかりと抱きしめており、しかも辰也と一緒に寝る気満々の様である。 辰也はとりあえず未来を軽く抱いて背中を優しく撫でた。
(流石に一緒に寝るのはまずいよな……?)
辰也は横に未来を寝かせると隣のベッドに移動しようとしたが未来が辰也の手を掴んだ。 眠そうにしてはいるが目は辰也を見つめていた。
「お兄さん! 一緒に寝るの!」
未来は上体を起こして辰也に抱きつき、再び2人で寝転がった。
「未来。 悪いけど俺は隣のベッドに……」
「もう……そんなこと言うお兄さんにはこうだ!」
すると未来はどこからか取り出したスプレーを辰也の顔に浴びせた。
「ちょっ!? 未来!?」
「おやすみ♪ お兄さん♪」
辰也は急速に意識が遠退いていった。
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