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黒き企み

本日9時半に更新しようとしていたのですが遅くなってしまいました。

申し訳ございません。

(とりあえず見晴らしの良い所にいたらヤバイか!?)

 辰也はビルの屋上から逃げるように1つ下の階に降りた。 辰也は窓からそっと下を覗くと剣士(ソルジャー)の相手と銃手(ガンナー)の相手が戦っている。

 銃手(ガンナー)は後ろに下がりながら銃弾を打ち続けて剣士(ソルジャー)を攻撃する。 辰也の様にビルを盾にするような戦い方は出来ないのかシールドを張って耐えている。

 しかし次の瞬間に剣士(ソルジャー)は背後から背中を撃ち抜かれ、元の服装に戻るとステージ外にワープした。

(狙撃手(スナイパー)が撃ったのか? 確かに乱闘だからいつ撃っても良いわけだからな)

 辰也はビルの階段を降りていき、ビルの陰から出ないようにしながら移動を始めた。

(狙撃手(スナイパー)が厄介だが倒すにはまずこっちが相手の位置を知る必要があるよな……)

 辰也は先程剣士(ソルジャー)が狙撃された方へ向かって走り始めた。



「いや……案外大丈夫じゃないですか?」

 章平がそう言うと瞬は少し難しい顔をした。

「たぶん印弾(マーカー)瞬間移動(テレポート)も知らないからなぁ……。 戦い方も色々あるけど辰也が現状出来るのは位置を知ってから寄る位だからな」

「確かに距離を詰めている間にテレポートを使われたら厄介ですね。 でも辰也さんが戦っている相手の中に魔術士(ウィザード)がいれば辰也さんが倒す必要は無いですけどね」

「まぁそれもそうか……。 じゃあやっぱり武人(ウォーリア)が壁になるかな」

 瞬はそう言うとソファーに腰をかけた。 章平も横に座ると読んでいた小説を再び読み始めた。

(まぁ……今の辰也なら下位で負ける奴なんて優衣ちゃん位だと思うけどな)



風斬(かざぎり)!!」

 辰也が叫びながら剣を振り抜くと斬撃は相手の短剣(ソード)を一刀両断し、相手の服装は元に戻った。

(これで俺以外の剣士(ソルジャー)は全滅か。 さっき誰かが銃手(ガンナー)を倒してたから残りは

 銃手(ガンナー)2人の魔術士(ウィザード)2人。

 そして狙撃手(スナイパー)武人(ウォーリア)が1人ずつ)

 ビルの間にいる辰也を見つけた魔術士(ウィザード)が辰也を追うようにビルの間を走ってくる。

(狭かったら俺の方が有利だぜ?)

 辰也は地面と垂直に剣を振り下ろした。 斬撃は真っ直ぐに相手に飛んでいき、相手は狭さで回避が出来ずに斬撃を受けて服装が元に戻った。 辰也が魔術士(ウィザード)を倒したのとほぼ同時にまた1人敗戦した。 退場した相手の名前がスタジアムのスクリーンに表示され、名前の後ろに狙撃手と書いてあった。

(ありゃ。 もう狙撃手(スナイパー)さんは負けちゃったのか。 誰がやったんだ?)

 辰也が疑問を感じた瞬間に上空から白い玉が飛んできた。

 辰也は咄嗟に回避したが次々と向かってくる白い玉は軌道を変えて辰也に襲いかかる。

(ミラージュか。 なるほど。 ミラージュの追跡対象を狙撃手(スナイパー)に設定すれば簡単に倒せるってことか)

 辰也が近くのビルの屋上を見上げると1人の女の子が杖を構えていた。

「バウンド!」

 辰也は女の子が立っているビル目掛けて上空に飛び上がると女の子は焦り、ビルの内部に逃げた。

(逃がすか……!)

 辰也は後を追うようにビルの窓を割って中に入ろうとしたがいきなり下から銃弾が迫ってくる。 辰也が下を見ると銃手(ガンナー)が下から銃を辰也に向けて連射している。

 辰也は咄嗟にシールドを張ったがビルの内部から飛んできたミラージュを受けて地面に落下した。

《忠告! ダメージを受けました!》

 アナライズからそう音声が流れた。

(当たりどころが良かったな……。 顔とか胸だったらちょっとピンチだった)

 辰也はとりあえず目の前にいる銃手(ガンナー)を片付けようと剣を構えると銃手(ガンナー)は突然吹っ飛ぶと服装が元に戻った。

 飛んだ方向の真逆を見るとそこには鎧を身に纏っている男が立っていた。

(でも先にこっちだ!)

 辰也は横のビルに向けて斬撃を放つと油断していた女の子は慌てて回避し、辰也はその隙を見逃すことなく剣を構えた。

「バウンド」

 辰也はビルの窓を割って中に入ると女の子の胸を剣で突き飛ばした。

 女の子の服装が元に戻ると辰也は再び窓から飛んで下に降りると武人(ウォーリア)と向かい合った。

(いつもより10倍攻撃を叩き込めば勝ちか……)

風斬(かざぎり)!」

 辰也が剣を振り下ろし、斬撃が男子生徒に襲いかかる。 男子生徒は腕を胸の前で交差させて耐えると辰也の方へ向かってくる。

 辰也はもう一度風斬(かざぎり)を放ち、男子生徒が攻撃を受けたところで剣を男子生徒に目掛けて直接振り下ろした。

 男子生徒は辰也の剣を腕で止めるともう片方の手で辰也の腕を掴もうとしたが、辰也は上空に跳び上がり、回転するように再び風斬(かざぎり)を放った。

(これで3発)

 辰也は再びバウンドを自分の足元に発動させると凄まじい勢いで男子生徒に突撃した。

 男子生徒は再び腕で剣を受けたがあまりの勢いに音をたてながら周りの地面にヒビが入る。

 辰也はそのまま相手の顔に膝蹴りを入れて地面に着地すると相手の体を剣で何度も斬りつけていく。

 男子生徒も必死に自分の体を守ろうとするがじり貧で勝敗は明らかだった。

「はあっ!!」

 辰也が1歩踏み込みながら相手の胸部を突き飛ばすと相手の体はぶっ飛び、地面を転がって元の服装に戻った。

《試合終了。 勝者、嵩霧辰也》

 そう音声が流れるとビルなどの建造物が消えていき、辰也はステージから観客席に戻った。

「お兄ちゃん凄かったよ!」

 優衣は辰也に嬉しそうに抱きつくと辰也は優しく優衣の頭を撫でた。

「ちょっと危ない時もあったけどな」

 辰也がそう言うと続いて生徒の名前が表示され、そこには優衣の名前が書いてあった。

「じゃあ頑張ってくるね」

「おう。 気を付けてな」

 優衣がステージに降りて行くと辰也の携帯電話にメールが届き、辰也はポケットから携帯電話を取り出した。

(学園長から……? 一体何の用だ……?)

 辰也はステージの上に立っている優衣に手招きをして、学園長に会ってくることを伝えてからエレベーターに乗って最上階へ向かった。



「お呼びですか? 学園長」

 辰也は軽くドアをノックして部屋に入った。

 中には学園長と椿が暗い表情でソファーに座っていた。

「いきなり呼び出してすまなかったね。 辰也君」

「いえいえ。 優衣の試合が見れないのが少し残念ですけど」

「優衣ちゃんと君を引き離すには良いタイミングだと思ってね」

 学園長がそう言うと辰也は黙って速やかに指をアナライズに乗せた。

「落ち着いて辰也君! 怪しい組織みたいな言い方になっちゃったけどそう言う意味じゃないから!」

 椿が慌ててそう言うと椿は学園長少し睨み付けた。

「確かに誤解を生む言い方だったね」

 学園長は笑いながらそう言うと机の中から何やら書類を取り出した。

「でも辰也君だけをここに連れてきたかったのは事実だ。 普通に呼び出したら優衣ちゃんは辰也君についてきそうだったからね」

 学園長はそう言うと辰也に書類を渡した。

 辰也は書類に載っていた画像を見るなり息を呑んだ。 そこには無惨に切り刻まれた死体や頭蓋骨を叩き割られ、内臓物がどろりと溢れ出た物が載っていた。

「君が通っていた学校の校内の様子だ。 生存者は0。

 教師、生徒問わず全員が斬殺。

 敢えて言うなら生き残ったのは池で飼われていた鯉と中庭で飼われていたアルパカだけだ」

「これを伝える為に呼び出したんですか?」

「あぁ。 流石に中学生の女の子には見せられないと思ってね。 辰也君だけ呼び出させてもらった。」

 辰也はソファーに座るとため息をついた。 椿が横に座り辰也の背中を優しく撫でる。

「辛い話だがこれが現実だ。 本当に申し訳ないと思っている」

 学園長はそう言うと辰也に頭を下げた。

「別に貴方が謝る必要は……」

「いや、我々がもっと金倉英里奈の動向を探っておくべきだった……。 守れる命だったかもしれない」

 学園長がそう言うと辰也は優しく微笑んだ。

「ありがとうございます。 心配してもらって」

「とんでもない。 優衣ちゃんには言わないでいた方が良いかもしれないな」

「そうですね」

 辰也がそう言うとドアがノックの音の後にゆっくりと開き、そこには優衣が立っていた。

「お兄ちゃん!」

「優衣? 試合は終わったのか?」

 辰也は自分の足を陰にして椿に書類を渡し、椿はソファーの下に書類を隠した。

「うん! 終わったよ! 何の話してたの?」

「困ってることが無いか訊かれてたんだよ」

 辰也はそう言うとゆっくりと立ち上がり、優衣と共に部屋から出ていった。

(京介も……みんな……死んだのか……)

「お兄ちゃん?」

「ん、大丈夫だ。 何でもないよ」

 2人は自分の部屋に向かった。



 1人の女性が暗い廊下をカツカツと音をたてながら歩いていく。 そして扉の前で立ち止まると女性はゆっくりと扉を開けた。

「なぁに? 私を呼び出すなんて」

「英里奈。 次の仕事だ……と言いたいところだが。お前が逃した子供2人。 あいつらはどうするつもりだ?」

 高い背の椅子に座ったまま男性はそう訊ねた。

「別にいつでも殺せる程度の奴等だし……次会った時にでも殺そうかしら」

「なら良い。 そう言えば最近実行した高校の時以来あいつが顔を見せていないが……」

「あぁ……だって期待のルーキー君は死んじゃったじゃない。 死人が顔を出すなんて出来ないでしょう?」

 英里奈がそう言うと男性は鼻で笑った後に地図を差し出した。

「次はそこのショッピングモールを殺る。 下見とかも適当にしておけ」

「了解」

 英里奈は美味しそうなご馳走を目の前にしたかのようにペロリと唇を舐めると部屋から出ていった。



「お兄ちゃん~」

「何だよ」

 優衣はいつもの薄いシャツ1枚という格好で辰也に抱きついた。 たった今お風呂から出てきたのでまだ体はしっとりと湿っている。

(だから余計にエロいんだけどさ)

 辰也はタオルを掴むと優衣の頭を優しく拭き始めた。 優衣は大人しく辰也に抱きついたままじっとしている。

「髪の毛くらい自分で拭けよ」

「だってドライヤーないんだもん……」

「面倒なのは分かるけどさ」

 辰也もそう言いながら優衣の髪の毛に触り、タオルを優衣の首にかけた。

「お兄ちゃんありがとう」

 優衣は更に強く辰也の体を抱きしめた。

「優衣ちょっと痛い」

「我慢して」

「どんなワガママだよ」

 辰也は軽く優衣の横腹を撫でて優衣の力が緩んだ隙に優衣の腕の中から抜け出した。

「いきなりくすぐったいことするのは反則だよ!」

「反則とかあるのかよ」

 辰也が笑いながら言うと優衣も笑いながら再び辰也に抱きついた。

 すると優衣の携帯電話が鳴り、メールが届いていた。

「美歌さんからだ。

「ちょっと椿が優衣ちゃんを呼んでたからメールしました。

 椿は今部屋にいないみたい。 私も椿に渡したい物があるから行くときに私の部屋に寄ってくれると嬉しいな♪」

 だって」

「とりあえず行ってきたら?」

「お兄ちゃん寂しくない?」

「全く寂しくないと言ったら嘘になるけど心配される程じゃないから行っておいで」

「はーい」

 優衣はスカートを穿いてもう1枚上着を羽織ると美歌の部屋に向かった。

(さっき椿さんと会った時はお話しできてないからお話ししたいなぁ)

 優衣は部屋の前に着くとベルを鳴らした。 少ししてから美歌が部屋から出てきて中に招待された。

「優衣ちゃんジュースいる?」

「あ、欲しいです」

「はい。 どーぞ」

 美歌は笑顔で優衣にジュースを差し出した。 優衣はジュースを受け取ると美味しそうにジュースを飲んだ。

「まだ椿さん戻ってないんですかね……」

「う~ん……。 後5分位したらもう1回行ってみたら?」

 美歌は時計を見て少し考えてからそう言うと優衣に寄り添うと優衣の胸を優しく撫でた。

「やっ! 美歌さん!」

「おっきいね~」

 美歌は優衣をベッドに押し倒すと胸を揉み始めた。

「やぁん! 美歌さんだめです!」

「もみもみ」

「あんっ! やんっ! だめぇ!」

 美歌が優しく胸を揉むのに合わせて優衣の口から甘い喘ぎ声が漏れてくる。

「優衣ちゃんはエッチだね」

「美歌さんに言われたくないです……」

「え~。 酷いなぁ」

 美歌は優衣の胸の先を激しく指で刺激すると優衣は体をのけ反らせて一段と大きな声で喘ぎ始める。

「あぁん! やんっ! あんっ! あっ!」

「優衣ちゃんのエッチ」

「だめぇ! ほんとにだめぇ! そこはだめなの!」

 優衣は寝返りをうって美歌に背を向けると自分の胸を腕で隠した。

「え~。 もう終わり?」

 美歌は無防備な優衣の横腹を優しくつつくと優衣は体をくねくねと動かした。

「くすぐったい!」

「つんつん」

 美歌は手を休めることなく優衣の横腹をつつき続ける。

 優衣が堪らず横腹を腕で隠すと美歌は手を回して再び胸を揉み始める。

「美歌さんだめぇ!」

「優衣ちゃんは本当に敏感だね」

 美歌はそう言うと優衣の胸から手を離した。 優衣はゆっくりと上体を起こした。

「もう……美歌さんのエッチ」

「そんなこと言うとまたもみもみしちゃうぞ」

 美歌は優衣の背後から再び胸を鷲掴みにした。

「ごめんなさい! 言いませんからもみもみはもうだめぇ!」

「よろしい。 じゃあ5分位たったから椿の所行っておいで」

「分かりました。 ……美歌さん何笑ってるんですか?」

「まぁ色々あってね」

 美歌はそう言うと再びくすくすと笑いを堪えきれない様な感じで笑っている。

 優衣は美歌に送り出され、エレベーターに乗ると椿の部屋のある階のボタンを押した。

(……あれ?)

 優衣は自分を抱きしめるように自分の胸辺りに手を回した。

(何か……変な感じがする……)

 優衣は少し戸惑いながらもエレベーターから降りると椿の部屋に向かった。

(さてさて……)

 優衣を見送った後、玄関で美歌は微笑んだ。

(辰也君と優衣ちゃんを引き離すのに成功したし。 今夜は面白くなりそうだね)

 美歌はもう1度笑った。



(そろそろ帰ってくるかな)

 そう思いながら辰也が小説を読んでいるとベルが鳴った。

「帰ってきたか」

 辰也はベッドから起き上がるとドアを開けた。 そこに立っていたのは辰也達がマンションで救出した女の子だった。

昨日とある映画を観てきました。

完結って感じで寂しさもありましたが凄く良かったです!

題名?ラブライブです(真顔)



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