白き予感
読んでいただけるとありがたいです。
「あっ……! やんっ……!」
「気持ち良い?」
「うん……。 気持ち良いよ……」
辰也は更に指でぐりぐりと刺激を加えた。
「あんっ! お兄ちゃん……気持ち良い……」
優衣の口から甘い吐息と喘ぎ声が漏れてくる。 頬が少し赤くなり、息を少し切らしている。
「じゃあここは?」
辰也は少し指を下に下げて再びぐりぐりと刺激する。
「あんっ! お兄ちゃんそこはだめぇ……!」
優衣は辰也の服を握りしめた。
「お兄ちゃん……気持ちよすぎるよ……」
「ここが良いのか?」
辰也は指の力を強くして更に刺激を加えた。
「やぁん! お兄ちゃん激しくしたらだめぇ……!!」
優衣は辰也に抱きつきながら気持ち良さそうに息を切らして喘いでいる。
「なぁ優衣」
「なにお兄ちゃん?」
「マッサージでエロい声出すなよ」
今辰也はベッドの上に膝を伸ばして座り、その上に優衣が座っている状態である。
辰也は優衣を優しく抱きしめて背中で腕を交差させ、優衣の肩をマッサージしている最中だった。
「だってお兄ちゃんのマッサージ気持ち良いだもん」
「少しは声を抑えろよ」
そう言って辰也が再び優衣の肩を指で押すと優衣の口から甘い吐息と喘ぎ声が漏れてくる。
「優衣声抑えて」
「んっ! あっ! やんっ!」
「エロいってば」
「お兄ちゃん。 足もお願い」
「昨日そんな疲れたのか?」
「そうじゃない……けど……」
マッサージもして欲しいにはして欲しいが、本当は辰也にかまって欲しいだけとはとても正直には言えず優衣は頬を赤らめた。
「お兄ちゃん足もマッサージして」
優衣は辰也の腰辺りを足で挟み込んだ。
「挟むなよ」
「お兄ちゃんがマッサージしてくれるなら離す」
そう言って優衣は辰也に抱きつきながらしっかりと辰也の胴回りを離さない様に足で挟み込んでいる。
そして優衣は今日も薄いシャツ一枚なので辰也を挟んでいる白くて綺麗な生足が露になっている。
「……分かったよ」
辰也はそう言うと無防備だった優衣の太股を撫でた。
「ひゃん!」
優衣は体に電流が走ったかの様にビクンと体を震わせた。
「太股のマッサージからな」
辰也は優衣の太股を優しく撫で回していく。
「だめ……! くすぐったいからぁ……!!」
前回のくすぐり攻撃で優衣が内側が弱いことは把握しているので辰也は特に太股の内側を執拗に撫で回していく。
「お兄ちゃん……! くすぐったい……!」
優衣は体をくねくねと動かしている。 今回辰也は優衣を抱きしめていないので優衣は離れようと思えば離れる事は可能である。 しかし無意識に足に力を入れてしまっている為、自分で辰也に絡めた足を外さないと離れられないといった状況であった。
そして辰也が優衣を抱きしめていないという事は両手が空いている。 つまり前回の二倍優衣をくすぐる事が出来ていた。
「だめだめだめ! お兄ちゃんくすぐったい!!」
優衣は辰也から離れるどころか逆に辰也にしっかりと抱きついた。 くすぐられて何かにしがみつきたかったのかも知れない。
「お兄ちゃんストップ!」
優衣は手を移動させ、辰也の腕を掴んだ。 くすぐり攻撃が止み、優衣は息を切らしている。 少し息を整えようとしているのかも知れない。
「まだマッサージしてないぞ」
そう言って辰也は再び優衣の太股を撫で始めた。 太股に手が触れていれば腕を掴まれても手首と指を動かせば簡単にくすぐれる。
「お兄ちゃんだめぇ……!!」
優衣は辰也の腕をベッドに寝転んで体をのけ反らせた。
辰也は優衣の太股を優しく揉むように撫でると今までとは違ったくすぐったさなのか優衣は少し暴れる様に身悶え始めた。
「お兄ちゃん……! もみもみしたらだめ……!!」
優衣は足を動かした時に辰也を挟み込んでいた足が外れ、優衣は辰也から離れた。
「はぁ……はぁ……」
優衣はベッドに寝転んで息を切らしている。 そして優衣は辰也に近づくともう一度抱きついた。
「お兄ちゃんのエッチ」
「もうちょっとくすぐっても良かったけどな」
優衣は頬を少し赤らめて辰也に背を向けて辰也にもたれ掛かった。
「逆に疲れちゃったよ」
「俺は太股を撫でただけだよ」
「優衣は敏感だからくすぐったいの!」
優衣は少し頬を膨らませてそう言った。 そして再び頬を赤くすると辰也の手を掴んだ。
「優衣?」
「お兄ちゃん……。 もみもみ……したい?」
優衣は恥じらいながら辰也の手を自分の胸に押し当てた。
あたたかくて柔らかい感触が伝わる。 しかも今日の優衣は下着を着けていないので柔らかさと熱もほぼ直に伝わってくる。
「ちょっと待て優衣!」
「良いよ……お兄ちゃんなら……」
優衣はそう言うと辰也にもたれ掛かったまま自分の胸を揉ませる様な動きで辰也の手を押し付ける。
(やわらかっ! 指が沈む!
……ってそんなこと思ってる場合じゃない!)
辰也は急いで優衣の手を振りほどいた。
「あぁん……お兄ちゃん逃げちゃだめだよ……」
「正気か優衣」
「だって昨日は柔らかさを堪能してないでしょ? お兄ちゃん優衣の胸が当たるとき柔らかいからエッチだと思って離れようとするんでしょ?」
優衣はそう言って辰也に寄り添った。
「優衣?」
「だから……お兄ちゃんは柔らかくてエッチなの。 大きい胸がいいのかなって……」
「勝手に俺の好みを決めつけるな……」
辰也はため息混じりにそう呟くと優衣から離れた。 しかし優衣は辰也の手を握って寄り添った。
「お兄ちゃん……」
「何だよ急に甘えてきて……」
「何だか今日はお兄ちゃんと離れちゃう……そんな気がするから……」
「なんだそりゃ」
辰也はそう言うと優衣を優しく抱きしめた。 優衣はいきなり抱きしめられて頬を赤らめた。
「お兄ちゃん……あったかい……」
「不安は晴れたか?」
「うん。 ありがとうお兄ちゃん」
辰也は優しく微笑むと優衣の体を更に抱き寄せた。
「そう言えば今日は瞬と何時から特訓するか決めてなかったな……」
「あ、椿さんが言ってたけど一応この学園も授業があるみたいだよ」
「あぁ……確かに瞬がそんなこと言ってたな。 各部屋に支給されてるパソコンでWeb講義を受けるんだろう?」
「うん。 時間はいつでもいいんだって。 確かパソコンは……」
優衣は辰也の手を握ったままベッドから乗り出してベッドの下を覗き込んだ。
「優衣。 頭から落ちちゃうぞ」
「お兄ちゃん抑えてて」
「他力本願過ぎるだろ……」
辰也は苦笑いでため息混じりにそう呟くと優衣のお腹辺りに手を回した。
「あった!」
優衣はそう言うとゆっくりと辰也に抱き起こされる様に上体を戻した。 手にはノートパソコンがある。
「これを使うのか……」
「お……お兄ちゃん……」
「ん?」
「お腹……くすぐったいよ……!」
辰也が優衣が落ちないようにとお腹を優しく持っていたが手のひらが横腹に触れている。
「くすぐったい?」
辰也はそう言うと優衣の横腹を優しく撫で始めた。
「あははははは! お兄ちゃんだめ!」
優衣はノートパソコンを横に置いて体をくねくねと動かした。
しかし辰也が後ろから手を回してくすぐっているので前は辰也の腕で抑えられ、後ろは当然辰也の体があるので優衣は簡単には逃げられなかった。
「優衣はくすぐりに弱いな」
「お、お兄ちゃん! こちょこちょしたらだめぇ!」
「マッサージだよ」
「そんなところマッサージしなくて良いよ! あははははは!」
優衣は笑い声を上げながら体をくねらせるがその度に大きな胸が揺れて辰也の腕に胸が当たっていた。
「優衣。 胸が凄い無防備だぞ」
「しょうがないじゃん! 今はこちょこちょされてそれどころじゃ……! きゃははははは!」
「そんなくすぐったい?」
「お兄ちゃん! ストップストップ!!」
優衣がそう叫ぶように言うと辰也は優衣の横腹を撫でるのを止めた。 優衣は笑い疲れたのか少し息を切らしている。
「優衣の新たな弱点だな」
「お兄ちゃんのエッチ……」
優衣はその場でゆっくりと回転して辰也に正面から抱きついた。
「今日はよく抱きつくな」
「えへへ。 これで胸は見れないでしょ? もみもみも出来ないよ?」
「押しつけられてるし昨日は横からつついたのを忘れた?」
「…………あっ!」
「まぁしないけどさ」
辰也はそう言って横に置いてあるノートパソコンを開いた。 電源を入れるとパソコンが起動した。バッテリーはあるようだ。
「今から朝御飯食べに行って……その間に一応充電しとく?」
「そうだな……。 まずは朝御飯だな」
辰也は優衣を抱きしめたまま予めベッドの上に置いてあった着替えを取った。
優衣も服を脱ごうとして服を握り、後は上に上げるだけというところでピタリと止まった。
「優衣?」
「え……あ、き、着替えるね……」
優衣は恥ずかしそうに辰也の顔をちらちらと見ている。
「あ……そうか。 優衣は今下着着けてないんだったな」
「う……うん……。 パンツは穿いてるけど……」
「流石にパンツ穿いてなかったら俺でも警察いくぞ」
「だ、大丈夫だよ。 穿いてるよ」
優衣はそう言うと自分のTシャツをへそ辺りまでたくしあげた。 白いお腹回りの綺麗な肌とかわいい水玉模様のパンツが露になる。
「見せなくていいから」
辰也は優衣の手を押し下げた。
「お兄ちゃんエッチ」
「見せてとは言ってないだろ……」
辰也はため息混じりそう呟いた。
「でもいくらお兄ちゃんでも胸を直に見られるのは流石に恥ずかしいよ……」
「じゃあトイレで着替えてくれば良いだろ?」
「あ、そっか」
優衣はそう言うと着替えを持って洗面所に向かって行った。
「やれやれ」
辰也は着替え終わると優衣が着替え終わるのを待ってから2人で食堂に向かった。
料理を注文した後に辰也と優衣は席に座った。
「午前中は講義を受けて……。 午後から瞬と特訓するかな」
「優衣もそうしようかな」
そんなことを話している内に優衣の料理が先に出来上がったらしく、優衣は料理を取りに行った。
「相変わらず優衣ちゃんはかわいいもんだな」
後ろから聞いたことのある声が聞こえ、辰也が振り返るとそこには1人の男子生徒が立っていた。
「放人!」
「よう辰也。 おはよう」
「おはよう……。 ってか怪我は?」
「まだ全快とはいかないけど……。 まぁこうやって普通の生活を送る分には何も問題は無い」
そう言って放人は笑ってみせた。
「そっか。 瞬達も心配してたぞ」
「あぁ。 今から会ってくるよ」
放人はそう言って立ち去ろうとしたが辰也の後ろでピタリと止まった。
「ありがとうな。 辰也」
「礼なら瞬達に言えよ。 助けたのは俺じゃないぞ?」
「お前が来なかったら瞬達が来たときには俺は既にこの世に居なかったさ。
本当に自分が情けない……。 かわいい女の子1人守ることも出来ないなんてな」
「そんなに自分を責めるなよ……」
辰也がそう言うと放人は小さくため息をついた。
「じゃあな辰也。 また今度」
「あぁ……。 またな」
放人はエレベーターの方に向かって去っていった。
「ただいま。 お兄ちゃん」
「おかえり」
優衣は席に座って手を合わせた後に料理を食べ始めた。 辰也も料理を取りに行くと同じ様に手を合わせた後に料理を食べた。
「お兄ちゃん……ここわかんないよ……」
「ん~?」
辰也は優衣が見ているパソコンの画面を覗き込んだ。
「ここ!」
「えっと……これはこの公式を使ったら出来るだろ?」
辰也は先程講義を終え、今は優衣がパソコンを使って講義受けていた。
(そう言えば学園長はどこからこの教師を連れてきたんだ……?)
辰也は少し疑問を感じたが大した問題では無いと判断したので特に学園長に聞こうとも思わなかった。
辰也は再びベッドに腰をかけて小説を読み始めた。
「お兄ちゃん……」
「……また?」
辰也は再び立ち上がるとパソコンの画面を覗き込んだ。
「分かんないよぉ……」
「んと……これはさっき使ってた公式をだな……」
辰也はそう言いながら少し動画を巻き戻した。
(確かに難しいよな……。 優衣は中の上って位の成績だと思ってたけど)
辰也はそんなことを思いながら再びベッドに腰をかけて小説を読んだ。
「お兄ちゃん!」
辰也は小さくため息をついた。
結局大半は辰也が付きっきりで講義を終え、辰也と優衣は瞬達の部屋に向かった。
「部屋に居るといいんだけどな……」
辰也がそんなことを呟きながらエレベーターから降りようとするとエレベーターの目の前に1人の女子生徒が立っていた。
背は優衣よりも少し大きく、眼鏡をかけた大人しそうな女の子であった。
女の子は辰也達を見ると見るからに不機嫌そうな顔をした。
「何ですか貴方達は? 最近上位に上がってきた方ですか?」
「えっと……瞬に会いに来たんだけど……」
「早川瞬さんですか? と言うより貴方はどのくらいのランクの方なのですか?」
「あ……俺達はまだその昇格戦はしたことが無くて……」
辰也がそう言うと女の子は辰也達を怒鳴り付けた。
「ふざけないで下さい!! 貴方達の様な下位の人がこんな所にきて良いとでも思っているのですか!!?」
女の子に圧倒され、優衣は辰也の後ろに隠れた。 辰也は優衣を庇うように1歩前に出た。
「つまり俺達みたいな新参者は来るなってこと?」
「当たり前です。 身の程を弁えて下さい」
そう言うと女の子は辰也を睨み付けた。
(困ったな……)
辰也がどうやって女の子を突破しようか考えている時に奥の部屋の扉が開き、中から瞬が顔を出した。
「お! 辰也! わざわざ迎えに来てくれたのか!」
「瞬! ちょっと助けてくれ!」
「ん? あぁ蓮ちゃん。 おかえり」
瞬はそう言ってゆっくりとこちらに近づいてきた。 女の子は瞬に小さく頭を下げた。
「どうも瞬さん。 それよりもこの下位の者は……?」
「俺が特訓してる奴だけど?」
「は?」
「だから俺が特訓相手になってる辰也って奴」
「ふざけないで下さい!!!」
女の子は再び声を大にして怒鳴り付けた。
「貴方は立場を分かっているのですか!!? 下位の1人に稽古をつけるなど……!!」
「別に俺の勝手だろ?」
「……いい加減立場って物を考えて下さい」
女の子は吐き捨てる様にそう言うとエレベーターで下に降りていった。
現在
緋崎鳳梨様の作品とコラボ(?)させていただいてます。
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