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白き特訓相手

読んでいただけるとありがたいです。

「7位!?」

 辰也は思わず大きな声を出してしまい、優衣はそれが聞こえたのか優衣と辰也は凛に驚きの視線を向けた。

「1番弱いって……そういう意味……?」

「え? だって凛は最下位だよ?」

 凛は優衣の言いたいことが分かっていないのか首をかしげた。

「まさか凛ちゃんが「七人の白き暗殺者セブンシャインアサシンズ」だったなんて……」

「えへへ。 ビックリした?」

 凛はそう言って自慢気に笑った。

「優衣お姉ちゃん。 お昼ご飯食べに行こ!」

 凛は優衣の手を握って訓練室から優衣と共に出ていった。

「凛ちゃんはさっきクレープ食べたんじゃ……」

「まぁ良く食べる子だからな」

 瞬は笑いながらそう答えると訓練室の出口に向かっていき、辰也も後を追うように歩き始めた。 後から椿達もついてくる。

「そう言えば美歌さんって人はあんまりここに居ないのか?」

「そうだな。 割りと忙しい人だからな」

 瞬はそう答えながら扉を開けた。 そのままエレベーターの方へ向かっていく。 既に凛と優衣の姿は無い。

「瞬は何か美歌さんに恩でもあるのか?」

「ん?」

「何となく美歌さんの言うことを快く引き受けている気がしてるんだが」

「あぁ……。 確かに計り知れない恩はあるな」

「そっか……」

 辰也はそれ以上は訊かず、瞬達と共にエレベーターに乗り込んだ。

「辰也さんは優衣さんとはどう言ったご関係で?」

 気になったのか章平は首をかしげながら訊ねた。

「えっと……まあ色々とあって許嫁に……」

「そうですか。 また今度お伺いしても?」

「あぁ。また今度な」

 エレベーターの扉が開き、辰也がエレベーターから降りると食堂には沢山の人がいた。 しかし席に座っている訳では無く、1ヶ所に集まっていた。

「何か凄い群がってるな……」

「良く見られる光景だよ」

 瞬はそう言って人混みに近づいて行く。 辰也も後を追うと群がっているのは全員女性だった。 そして真ん中にいる人物は美味しそうにうどんを食べている凛だった。

「凛ちゃん美味しい?」

「うん!」

 凛が頷いて笑顔を見せると周りの女性から黄色い歓声が巻き起こる。

「天使と呼ばれる所以の1つだな」

 瞬は笑いながらそう言うと凛に向かって手を振った。 凛もそれに気づいて手を振り返すと女性の目線が全てこちらに集中した。

「瞬さん!?」

「えっ!? あの雷光って呼ばれてる人!?」

 再び女性達はざわつき始める。 瞬は気にすること無く凛の正面に座った。

「うどんのお金どうしたんだ?」

「優衣お姉ちゃんに払ってもらった」

「……ごめんな優衣ちゃん」

 瞬はそう言って懐から財布を取り出した。 優衣は凛の横に座っていたが辰也に気づくとすぐに辰也に抱きついた。

「優衣どうした? ってかさっきまで凛の横にいるって気づかなかったんだが……」

「だって……周りのみんなに殺されそうな目で睨まれて……」

 優衣は涙目で辰也に体を抱きしめる。

「凛のファンは恐ろしいところもあるからな」

 瞬はそう言って優衣にお金を差し出した。

「あ、良いですよ。 お返しなんて……」

「だめだ。 俺の気が済まない」

 そう言って瞬はお金を辰也に押し付けた。 辰也は優しく微笑むと優衣にそのお金を渡した。

「ありがとうございます」

「いやいや。 礼を言うのはこっちだよ。 ありがとう。

 さて辰也。 お前はまだ俺に勝ててないから自腹な」

「分かってるよ……」

 辰也はため息混じりにそう呟いた。



 食事を終えると辰也達は訓練室のある階に戻った。 そして優衣は凛と椿と。 辰也は瞬と一緒に訓練室に入った。

「椿さん!」

 優衣は椿に抱きつくと椿は優しく微笑んで優衣の頭を優しく撫でた。

「あーずるい! 凛も!」

「わっ! 凛ちゃんまで!」

 凛も椿に抱きつくと椿は凛の頭も優しく撫でた。 凛は嬉しそうに笑顔になると横で一緒に抱きついている優衣にも抱きついた。

「凛ちゃんは甘えん坊だね」

 優衣はそう言って微笑んで凛の頭を撫でた。

「じゃあ優衣ちゃんは凛ちゃんと辰也君と瞬君みたいに何度も何度も勝負する?

 それとも凛ちゃんはさっきので終わり?」

「凛は……優衣お姉ちゃんともっと戦ってみたいな」

 凛が笑顔でそう言うと優衣も笑顔で頷いた。

「優衣も……凛ちゃんみたいに強くなりたいから……。 凛ちゃんともってしてみたい」

「じゃあ決まりね。 私は2階で見とくわ」

 椿はそう言うと観客席の様な場所に移動した。



 休憩を挟みながら戦いを続け、夜ご飯を食べる頃合いになった。

「んじゃ今日はここまでな」

「おう……」

 辰也は息を切らしながらそう答えた。 反対に瞬は平然と立っている。

(まったく攻撃が当たらない……! これってその内当たるのか……?)

 辰也はそう考え小さく舌打ちをして瞬と訓練室から出ると凛と優衣が座ってジュースを飲んでいた。

「あ、お兄ちゃん!」

 優衣は辰也と瞬に気づくと手を振った。 辰也と瞬は優衣達の近くに座った。

「椿さんは先に帰ったのか?」

「うん。 章平君と武君も先に帰ったのはさっき見たよ。

 それとお兄ちゃん。 瞬さんには勝てたの?」

「全く勝てない。 掠りもしないよ……」

 辰也はため息混じりにそう答えると瞬は自慢気に笑った。

「そんな簡単には俺も負けねえよ」

「まあそうだよな……」

 辰也も笑いながらそう答えるとゆっくりと立ち上がった。

「それじゃあ食堂に行きますか。 もう腹ペコだ」

「そうだな。行くか」

 瞬達も立ち上がり、エレベーターに向かった。



 食事を終えると瞬と凛とはエレベーターで別れ、辰也と優衣達は部屋に戻る為、エレベーターで下の階に向かった。

「凛。 優衣ちゃんはどうだった?」

 エレベーターの中で瞬は凛にそう訊ねた。

「う~ん……もうちょっと訓練が必要だと思ったよ。 弾のコントロールとかはまだ苦手そうだったし」

「まぁ魔術士(ウィザード)は弾のコントロールが難しいからな」

「でも出来るようになれば凄く強くなると思うよ」

「なるほどな……」

 エレベーターが到着し、扉が開くとそこには章平が立っていた。

「じゃあ凛は今日は椿お姉ちゃんと寝るから」

「おう。 おやすみ」

「お休みなさい!」

 凛はそう言って更に上にエレベーターで向かって行った。 瞬は章平と共に自分達の部屋に向かった。

「瞬さん……実は1つ言いたい事がありまして……」

「言いたい事? 辰也に関してか?」

 廊下を歩きながら2人は会話を続ける。

「いえ……今日の金倉英里奈との戦いで瞬さんが「本気」を出していないことに関してです」

「あぁ……その件か」

 章平は瞬の前に回り込むと瞬に頭を下げた。

「僕のせいですよね? 足を引っ張ってしまいました」

「まぁそう言うなよ。 な?」

 瞬はそう言って章平の肩を軽く叩いた。 章平はゆっくりと顔を上げた。 目にはうっすらと涙が浮かんでいる。

「でも……!」

「そんなに気にすんなよ。 次勝てばいいんだよ。 学園長も言ってただろ?」

「でもあの時! 瞬さんが本気を出していれば……!」

「落ち着け章平」

「僕なんかがいなければ……瞬さんが金倉英里奈を……!」

「章平!」

 瞬が少し大きな声を出すと章平は驚いたのか静かになった。

「瞬さん……」

「俺はお前が足手まといなんて思ったことは一度も無い。 今日の戦いだってお前が辰也達と俺の中間にいて、武が辰也達の前にいたから俺も辰也達を気にせずに戦えたんだ。

 そんなに自分を責めるな。 分かったか?」

「……はい!」

 章平が静かに拳を握りしめて涙を浮かべながらそう言って頷くと瞬は優しく微笑んで章平の頭を撫でた。



「お兄ちゃん!」

 優衣は部屋に戻ると同時に辰也に抱きついた。

「何だよ急に」

 辰也はそう言って優衣の頭を優しく撫でると、優衣は頬を膨らませて辰也の顔を見上げるように見つめた。

「今日助けた女の子……どう思う?」

 優衣はじっとりと辰也を睨みながらそう尋ねた。

「どう思う……って?」

「かわいいとか美人だとか思った?」

「うーん……。 かなりかわいい子だと思ったけど」

「バカーーー!!」

 優衣はそう叫んで辰也を押し倒した。

「ちょっ! 優衣いきなり何を……」

「ばか馬鹿バカ!」

 優衣はそう連呼しながら辰也をポコポコと叩いている。

「優衣落ち着けってば!」

 辰也は優衣の手を簡単に掴み、ゆっくりと上体を起こした。 優衣はまだ怒っているのか少し低い声でうなり声の様な物を発している。

「だからお兄ちゃんは女の子をおんぶしたの!?」

「優衣もしかして……妬いてる?」

 辰也の言葉に優衣は顔を赤らめて辰也の胸元に頭を押し付けた。

「図星かな?」

「うるしゃい!」

 そう言って優衣は再び辰也を押し倒した。 優衣の豊満な胸が辰也の体に押し付けられる。

「優衣……マジで妬いてるのか?」

 辰也は優しく優衣の頭を撫でながらそう訊いた。

「だって……お兄ちゃんにおんぶなんて最近されてないもん……」

「でもこうやって抱っこしてるだろ?」

「それは……そうだけど……」

 優衣は恥ずかしそうにそう呟くと辰也の体を強く抱きしめた。

「お兄ちゃんは……優衣のこと好き……?」

「好きだよ」

 辰也が即答すると優衣の顔は赤くなった。 辰也は優衣の頭を優しく撫でながらゆっくりと上体を起こした。

「それに許嫁だしな。 近い将来に結婚するんだから」

 辰也がそう言うとより一層優衣は顔を赤らめた。

「お兄ちゃん……大好き!」

 優衣はもう一度辰也を押し倒すとぎゅうぎゅうと体を辰也に押しつけた。

「何回倒すんだよ」

 辰也は笑いながら優衣の体を優しく抱きしめた。

「お兄ちゃん。 優衣の事抱きしめたら……胸がいっぱい当たっちゃうよ?」

 優衣は小悪魔の様に微笑むと自分の豊満な胸を辰也の体に押しつける。

「どう? お兄ちゃん柔らかい?」

「むにゅむにゅするな」

 辰也は優衣の背中で腕をクロスさせ、優衣の横乳を指でつついた。

「きゃっ!」

「ぷにぷにするな」

 そう言って辰也は優衣の胸を優しく何度もつつき続ける。

「もう……! お兄ちゃんのエッチ」

 優衣はくすぐったそうに体をくねくねと動かした。 その動きで更に辰也の体に胸が押し付けられる。

「エロエロだな」

「やぁん! つんつんしたらだめぇ!」

 優衣は辰也の体から手を離して辰也の手を掴んだ。

「もう……! エッチなんだから」

 優衣は微笑みながらそう言うと再び辰也に抱きついた。

「優衣お風呂入ってきたら? 俺は後から入るから」

「お兄ちゃん一緒に入ろ?」

「流石に風呂は止めとく」

 辰也がそう言うと優衣は少し頬を膨らませた。



 辰也がお風呂から上がり、歯磨きも済ませてベッドに横になると優衣が辰也のベッドに腰をかけた。

「お兄ちゃん……一緒に寝よ」

「何でだよ……」

 辰也がそう呟くのも気にせずに優衣は辰也のベッドに入ってくる。

「ほらお兄ちゃん早く。 優衣のこと抱きしめて?」

「人の話を聞けよ……」

 辰也はため息混じりにそう言いながらも優衣の横に寝ると優衣の体を抱き寄せた。

「えへへ。 お兄ちゃんあったかい……」

 優衣は辰也の体に自分の体を押しつける。 お風呂上がりだからなのか濃厚で甘いシャンプーの香りと優衣の匂いが辰也の鼻を刺激する。

「優衣はいい匂いがするな」

 辰也は素直にそう言って優衣の頭を優しく撫でた。 優衣は頭を撫でられて嬉しそうに笑うと更に辰也に体を押しつける。

「お兄ちゃん。 優衣いい匂いする?」

「うん。 それと優衣……もしかして……」

「えへへ……。 着けてないよ」

 そう言って優衣は豊満な胸を辰也にむにゅむにゅと押しつける。 優衣の胸はいやらしく形を変えながら辰也に押しつけられていた。

「道理で……」

「いつもより柔らかいでしょ?」

 困り顔の辰也に優衣は小悪魔の様な笑顔で更に胸を押しつけていく。

「むにゅむにゅ押しつけるなってば……」

「やぁん……むにゅむにゅなんてお兄ちゃんのエッチ」

「うるさいな……」

 辰也はそう言って優衣の頭を優しく撫でた。

「お兄ちゃん……少しだけならエッチなこと……して良いよ?」

「別に良いよ……」

 辰也はため息混じりにそう呟くとゆっくりと目を閉じた。すると優衣が小さな拳を辰也の腹に叩き込んだ。

「お兄ちゃん!」

「ゴホッ!」

 辰也はいきなり殴られて少し咳き込み優衣を睨み付けた。 優衣は辰也に睨まれるとすぐに涙目になった。

「お兄ちゃん……怒っちゃった……?」

「怒ってないよ。 だから泣くな」

 辰也は優しく微笑むと優衣の頭を優しく撫でた。

「お兄ちゃん……」

「それで? 何?」

「優衣にエッチなことするまで寝ちゃダメ!」

「何でだよ……」

「それは……」

 ただ単に辰也に甘えたいだけとは言えず優衣は頬を赤らめた。

「それにしても自分からしてくれと頼むとは…… 」

「お願いだよお兄ちゃん……」

 優衣はそう言って横を向いていた辰也を仰向けに寝かせ、その辰也の上に優衣はうつ伏せになった。 先程よりも胸が体に押しつけられる。

「ついに痴女(ビッチ)になったか」

「そ、そう言う訳じゃないもん!!」

 優衣は少し拗ねるように頬を膨らませた。

「分かったよ……」

 辰也はそう言って優衣の胸の先を指で弄り始めた。

「あっ! お兄ちゃん! いきなりぃ!」

「優衣は思ったより敏感だな」

「んっ! やっ! はぁん!

 お兄ちゃん……上手すぎるよぉ……」

「勘違いされるような言い方しないでもらえる?

 別に経験豊富な訳じゃないからな」

 辰也はそう言って優衣の胸に刺激を加えていく。 指の間で挟んでみたり、つねってみたり、手のひらでこねるように触ってみたりと様々な刺激を加える。

「あっ! やんっ! はぁん! お兄ちゃん……だめぇ!」

 優衣の口から甘い喘ぎ声が溢れ出る。

「降参?」

「はぁ……はぁ……まだ……」

「そっか」

 辰也は優衣の胸の先を指で弾くように指を激しく速く左右に動かした。 すると優衣は体に電流が走ったかの様にビクビクと震え始め、足を真っ直ぐに伸ばした。

「はあぁん!! お兄ちゃん激ししゅぎい! そんな激しくしたらだめだよぉ!!」

 優衣は辰也の袖をしっかりと握りしめ、足を真っ直ぐに伸ばしてビクビクと震えている。

「降参?」

「こうしゃん! 降参しますから弄ったらだめぇ!」

 優衣がそう言うと辰也は優衣の胸から手を離した。 優衣は激しい運動後の様に息を切らしている。

「優衣大丈夫か?」

「うぅ……お兄ちゃん激しすぎるよ……。 すぐに気持ちよくなっちゃう……」

「ごめんごめん。 じゃあ今日はもう終わりな」

「お兄ちゃん……」

 優衣は辰也の手を優しく握った。

「ん?」

「マッサージ……してほしい……」

「ええ……。 せめて明日にしてくれ」

 辰也がそう言うと優衣はほんの少しだけ不機嫌そうに頬を膨らませて辰也に抱きついた。

「お兄ちゃんおやすみ。 明日マッサージしてね?」

「分かったよ。 おやすみ優衣」

 辰也は優衣を抱きしめながら眠りに落ちた。

先日

魔力大戦~magical world~が完結致しました。

そちらもよろしくお願いいたします。

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