白き天使
もう百合で良いですよね(丸投げ)
「瞬は随分と辰也君を気に入ったようだね」
学園長は笑いながらそう言うと椿も笑いながら立ち上がった。
「じゃあ優衣ちゃんも行きましょ」
「はい!」
優衣は嬉しそうに頷いてそう言った。
二人は学園長室から出ると椿は何かを思い出したように声を漏らした。
「ごめん優衣ちゃん。 部屋に忘れ物しちゃった」
「あ、じゃあついてきます。 椿さんの部屋見てみたいですし」
「オッケー。 じゃあ一緒に行こうか」
椿は優衣を連れて自分の部屋の前に戻り、扉を開けて部屋の中に入った。
「じゃあ優衣ちゃん靴脱いでね……わっ!」
優衣は扉を閉めて鍵をかけると椿に抱きついた。
「椿さん……」
「どうしたの優衣ちゃん? 甘えたくなっちゃった?」
椿がそう言うと優衣は頷き、椿に密着する。
「ごめんなさい……椿さん」
「え? 何が?」
椿は首をかしげた。
「その……抱きついたりしちゃって……」
「別に良いよ。 沢山甘えてくれて」
椿は優しく微笑んで片方の手で優衣の頭を優しく撫でながらもう片方の手で優衣の体を抱き寄せた。
椿は優衣の額に口づけすると優衣を抱き寄せた手で優衣のお尻を優しく撫で回し始めた。
「ふにゃっ! 椿さん……!?」
「くすぐったい?」
椿は両手で優衣のお尻を揉みほぐす様に触っていく。
「やぁん! 椿さんくすぐったいですぅ!」
椿の手から少しでも逃れようと優衣は背伸びをするが特に意味は無く、椿は片手を優衣の頬に添えた。
「背伸びしたら近いね」
椿はそう呟いて優衣の唇に自分の唇を重ね合わせた。
「んんっ!」
いきなりキスをされて優衣は驚いたがすぐに甘い声が漏れだし、椿のキスを受け入れていた。
椿は優衣が倒れてしまわない様にしっかりと抱きしめると舌を絡ませていく。
「んっ! んんっ! ふむぅ……」
優衣もしっかりと椿に抱きつき、口を半開きにして椿と舌を絡ませる。
「ん……優衣ちゃん美味しい」
椿はそっと優衣から唇を離して微笑んでそう呟いた。
「椿しゃん……」
優衣も優しく微笑んで椿にもたれ掛かる様にして抱きついている。 頬はほのかに赤くなり、目はとろんとしている。
「とろとろになっちゃった?」
椿が訊くと優衣は頷いて椿の胸に顔を埋めた。
「椿しゃん良い匂い」
「さんが上手く言えてない気がするんだけど」
椿は面白そうに微笑んで優衣の頭を優しく撫でながら、優衣の胸も優しく撫で始めた。
「やっ……! 椿しゃん……」
「おっきいね。 美歌が触りたくなるのも分かるかも」
椿が優衣の胸を揉み始めると優衣は少し屈んで顔を押し付けていたが顔を押し付けるのをやめて膝を伸ばして椿に抱きついた。
「やぁん! 椿さんもみもみするのはぁ!」
「なぁに? ダメなの?」
椿は小悪魔の様な笑顔で優衣の胸を後ろから両手で揉み始める。
「はぁ……はぁ……! やぁん!」
「色っぽい声するね優衣ちゃん」
「うぅ……。 変なこと言わないで……」
「別に変なことは言ってないよ?」
そう言って椿が優衣の胸の先を指で摘まむと優衣は体に電流が走ったかの様にビクンと震えた。
「椿さん! そ、そこはぁ!」
「お、優衣ちゃんの弱点発見かな」
「椿さん! そこはホントにヤバイですぅ!!」
優衣は椿に胸を弄られて先程までは無抵抗だったが流石に抵抗を開始した。
「優衣ちゃん暴れたらだめ」
椿が優衣の胸を揉みし抱きながら胸の先を指で弾くと優衣は再びビクンと震える。
「椿さん!」
「分かった分かった。 優衣ちゃん怒らないで」
椿は胸から手を離すとその手を優衣のお腹にまわして優衣を後ろから抱きしめた。
「椿さんのエッチ……」
「えへへ……ごめんごめん」
椿が優しく優衣の頭を撫でるとベルの音がなり、椿に抱きしめられたまま優衣が扉を開けるとそこには美歌が立っていた。
「あら。 どうしたの美歌」
「ちょっとね。 私これから出かけるから凛のこと頼もうかな~って。
さっきエレベーターで辰也君と瞬君に会ったからとりあえず二人に預けたんだけど」
「分かったわ。 これから私も優衣ちゃんと一緒に行くから。 任せといて」
「ありがとう。 それにしても二人とももうちょっと声抑えたら?」
美歌はニヤリと笑ってそう言った。
「えっ!? 聞いてたの!?」
「まさか廊下まで響いてました……?」
優衣が不安そうに訊くと美歌は首を横に振った。
「聞こえてないよ。 私がドアに耳を押し当ててただけ」
「……貴女は何をしてるの?」
「愛しの椿の監視ですよ?」
そう言って美歌は椿を優しく抱き寄せた。 優衣は椿と美歌の体の間に挟まってしまう。
「変なこと言わないでよ」
椿は笑いながらそう言って美歌と優衣から離れた。
「優衣ちゃんも甘えん坊だね。 靴脱いでねって言われて靴を脱ぐ前に抱きついちゃうとは」
「……最初から聞いてたんですか」
優衣の頬が少し赤くなり、美歌は楽しそうに笑った。
「椿のことが好きで甘えん坊だとは分かってたけどまさかここまでとは……。 椿もキスしちゃってさ。
もしかして発じょ……」
「うるさい淫魔!」
椿のチョップが美歌の脳天に放たれた。
「痛いよ」
「自業自得よ」
「酷いなぁ……。 まぁ私出掛けてくるから。 凛のことよろしくね」
「了解」
椿がそう答えると美歌は去っていった。
「さてと……。 忘れ物を取って早く行かないとね」
椿は靴を脱いで奥の部屋に入って行った。 優衣も後を追うように靴を脱いで奥の部屋に入った。
部屋の中には一つの机と一つのベッドがあった。 机の周りには沢山の紙が纏められている。
「どれだったかな……」
椿はそう呟きながら机の引き出しを開けたり、机の上に置いてあるプリントを掻き分けたりと目的の物を探している。
「椿さん」
「ん?」
優衣に呼ばれて椿が振り返ると、優衣は椿に抱きついた。
「椿さん……」
「今日は本当に甘えん坊だね」
椿は優しく微笑んで優衣の体を抱き寄せた。
「なんだか……甘えたくて甘えたくてしょうがないんです」
「何かあったの?」
「分かんないです」
優衣はそう答えて背伸びをした。 そして物欲しそうな顔で椿の顔を見つめる。
「おねだり?」
椿は優衣が何を求めているのかは直ぐ分かったが小悪魔の様な笑顔で敢えて優衣に訊ねた。
「椿さん……チューしたいです」
優衣は少し頬を赤らめてそう答えた。
「本当に甘えん坊だね」
椿は優衣の体を片手で更に抱き寄せ、もう片方の手で優衣の後頭部を軽く持って自分の顔に寄せるように押した。
唇が触れあい、椿と優衣はお互いに舌を絡ませていく。
舐めたり舐められたりを繰り返す内に優衣は段々と目がとろんとしてくる。
椿は優衣を抱き寄せた手で優衣の胸を優しく触り始めた。
「んっ!」
優衣は椿の袖を掴んで無抵抗のままキスを続ける。 椿も優衣が無抵抗なので胸を揉み始め、優衣の口から甘い声が漏れ始めた。
椿はゆっくりと唇を離し、もう片方の手でも優衣の胸を揉み始めた。
「優衣ちゃん甘くて美味しい」
「チューしてる時に触るのは反則です……」
「キスしてる時に触ったらどんな反応するのかな~と思ってね」
椿は胸を揉みながら優衣の後ろに回り込んで更に胸を揉みほぐす様に触っていく。
「あっ! やぁん!」
「優衣ちゃん無抵抗だね。 それにさっき触ったとき分かったけど優衣ちゃん今日着けてないでしょ?」
「だってぇ……」
優衣は軽く息を切らしながらそう言って体を少しくねくねと動かした。
「優衣ちゃん動いちゃだ~め~」
椿が優衣の胸の先を指で摘まむと優衣はビクンと震えて大人しくなった。 椿はそのまま胸の先を重点的に弄っていく。
「やっ! あぁん! あっ! だめぇ!」
「着けてないから余計に感じちゃう?」
椿が小悪魔の様に微笑みながら優衣の胸の先を指で重点的に弄っていくと優衣の口から甘い喘ぎ声が溢れ出る。
「はぁん! あんっ! やっ!」
「気持ち良い?」
椿がそう訊くと優衣は少し頬を赤らめて頷いた。 椿は優衣の胸から手を離すとその手を優衣のお腹にまわして優衣を後ろから抱きしめた。
「椿さんのエッチ……」
「優衣ちゃんの反応がかわいすぎてね」
椿は優しく微笑んでそう答えて優衣の頭を優しく撫でた。優衣も嬉しそうに微笑んだ。
「椿さんあったかい」
優衣はくるりと回転して椿の胸に顔を押しつけた。 椿は片方の手で優衣の頭を撫で続け、もう片方の手で携帯電話を取り出した。
(メール?)
椿が受信メールの項目を開くと新着のメールが一通あった。
(美歌から……?
「あんまり甘やかさない様にね♪」
……あの子まだ玄関にいるとかそんな訳無いわよね?)
椿は笑いながら携帯電話をしまった。
「どうかしたんですか?」
優衣は椿の胸に顔を押しつけて匂いを堪能しながらそう訊いた。
「大丈夫よ。 美歌からメールが来てただけだから」
椿はそう答えて優衣の体を優しく抱き寄せた。
「椿さん……」
「ねぇ優衣ちゃん。 今日は本当に甘えん坊だけど何かあったの?
それともただ本当に甘えたかっただけ?」
「そ……それは……」
「それは?」
椿は優衣の後ろに回り込もうとしたが優衣が椿の体に抱きついた。
「椿さん正面に居てください」
「分かった。 じゃあ正面からね」
椿はそう言って再び優衣の胸を優しく揉み始めた。
「椿さん!? もう胸はだめです……!」
「早く答えないともみもみしちゃう美歌のお仕置き形式」
椿は小悪魔の様な笑顔でそう言って優衣の胸を揉み始めた。
「お、お兄ちゃんが……」
「辰也君? 喧嘩したの?」
椿が訊くと優衣は首を横に振った。
「今日助けた女の子を……おんぶして……」
「もしかして妬いちゃった?」
「だって……」
優衣は頬を膨らませた。 椿は優しく微笑んで優衣を抱き寄せた。
「それで私に抱きついてきたの?」
椿がそう訊くと優衣は黙って頷いた。
「でも辰也君と気まずくはなってないなら今日甘えてみたら?」
「分かりました……」
優衣がそう呟くと椿は優しく微笑んで優衣の頭を優しく撫でた。
「よし、じゃあもう訓練所行こうか。 大分遅くなっちゃったけど」
「忘れ物は良いんですか?」
「まぁ後にするわ。 優衣ちゃん行こっか」
椿は優衣と手をつないで部屋を出てエレベーターに向かった。
「そういえば優衣ちゃんは瞬君とかの戦い見てどう思った?」
「えっと……まず凄いな~って。 瞬さんは相変わらず速かったし、章平君も優衣より凄い多くの弾を撃ってました。 武君も相手の弾を殴り飛ばしてましたし……」
「なるほどね。 じゃあ金倉英里奈はどうだった?」
椿はそう訊きながら到着したエレベーターに乗った。 優衣も椿の後を追うように乗り込んだ。
「う~ん……。 弾の使い分けが上手いのかなぁ……って感じです」
「まぁ確かに迫力では瞬君達3人の方が上だね」
訓練室がある階にエレベーターが到着し、椿と優衣はエレベーターから降りた。
「あ、お兄ちゃん」
優衣は訓練室前の休憩所で休んでいる辰也を見つけた。 章平と武が一緒に座っている。
「優衣。 椿さん。 遅かったですね」
「まぁ色々あってね。 瞬君は?」
「凛ちゃんとクレープ買いに行きましたよ」
「凛ちゃんは相変わらずね……」
椿は笑いながらそう言って椅子に腰を下ろした。 優衣も椿の横に座った。
「それで辰也君は瞬君に鍛えてもらってるの?」
「鍛えるというか10本勝負をひたすらしてます。
10本中1本でも取れば瞬が昼御飯奢ってやるって言ったんですけど……。 もうちょっと先になりそうです」
「お兄ちゃん何本勝負したの?」
「30本。 まだ1回も勝ててないよ」
優衣の問いに辰也はそう答えてため息をついた。
「でも辰也さん惜しいのも何本かあったじゃないですか」
「そろそろ攻撃はかするっすよ」
「かするだけかよ……」
章平と武の意見も聞いて辰也は少し笑いながらそう言った。
「じゃあ辰也君は瞬君が帰ってきたらまた勝負?」
「そうですね。 後凛ちゃんが優衣と戦ってみたいと言ってたけど」
そう言って辰也は優衣に視線を移した。
「凛ちゃんが?」
優衣が首をかしげると噂をすればと言う感じで瞬と凛が戻ってきた。 凛の手にあるクレープは既に残り僅かである。
「あ! 優衣お姉ちゃん!」
「こんにちわ。 凛ちゃん」
凛は嬉しそうに笑いながら優衣の横に座った。
「おかえり瞬君。また今から辰也君と勝負?」
「いや……凛と優衣ちゃんが戦るなら辰也にも見学させようかと思ってますが……」
瞬がそう言うと凛はクレープを食べ終えて優衣の前に立った。
「優衣お姉ちゃん! 1回だけでも良いから戦ってよ!」
「え……えっと……」
優衣は助けを求める様に椿の方を見た。
「優衣ちゃん。 強い人と戦うのは経験を積むという事に関して重要なことよ」
「分かりました……。 じゃあ凛ちゃん勝負しよっか」
「うん!」
凛は嬉しそうに頷くと優衣の手を掴んで訓練室に向かって行った。
「ここで見るか? それとも訓練室の2階で見るか?」
「凛ちゃんの実力は出来たら生で見たいかな」
「分かった。 じゃあ行くか」
辰也がそう答えると瞬達も凛達と同じ訓練室に入った。
訓練室の中は体育館の様な形をしており、辰也達は2階の観客席の様な所から見守る事にした。
「優衣お姉ちゃん。 凛1番弱いけど手は抜かないでね!」
「あ……うん。 分かった」
優衣は凛の言葉に疑問を感じた。
(椿さんは強い人と戦うのは大事って言ってたけど……。 凛ちゃんは今1番弱いって言ったよね……)
優衣が首をかしげている間に凛はアナライズに指を置いていた。
「銃手の装備を展開! 戦闘を開始するよ!」
《指紋認証&音声認証クリア。 小山凛。 適性ユーザーです。
装備を展開します》
凛の服装が白いセーラー服と白いミニスカートに変わり、両手には小さな銃が現れた。
「魔術士の装備を展開! 戦闘を開始するよ!」
《指紋認証&音声認証クリア。 嵩霧優衣。 適性ユーザーです。
装備を展開します》
優衣の服装も凛と同じ服装に変わり、手には杖が現れた。
「行くよ凛ちゃん!」
「うん!」
優衣が杖を構えると周りに白い弾が浮かび上がった。
「イレ……! ってあれ!?」
優衣が弾を放とうとしたときには既に凛は優衣の背後の斜め上に回り込んでいた。
優衣は咄嗟にイレイザーの軌道を後ろに変えて、凛に向かって放ったが空中にいる凛の足元に白い円が出来ると、凛はそれを踏んで更に上空に飛び上がり、優衣の上空を旋回する。
「バウンド……?」
辰也がそう呟くと、横にいる瞬は頷いた。
「ハンドガン2つにイレイザーが1つ。 そしてバウンド2つ。 それが凛のアナライズだ」
「バウンドが2つあると1つの時よりジグザグに跳んだり出来るっす。
1つの場合はバウンドを使った後に消してまた再展開する必要があるっす」
瞬の説明に武がそう付け足した。
(速い……! これじゃあイレイザーは当たらない……!)
優衣はそう考えてもう一度ミラージュを放つが、凛は簡単に銃弾でミラージュを防いでしまう。
凛は銃弾で優衣の攻撃を相殺しながら床に着地すると一気に優衣に接近する。
「ゴリアス!」
優衣は自分の斜め下にゴリアスを放ち、煙幕が出来上がる。
凛は驚いて一旦足が止まった。 そして煙の中に姿が包まれた。
「イレイザー!」
優衣は正面に向かってイレイザーを放つが既に煙の中に凛の姿は無く、イレイザーは全て壁に激突した。
「居ない?」
「こっちだよ……優衣お姉ちゃん」
背後から声が聞こえ、優衣が振り返った時には既に凛は抱きつける位の距離に立って優衣の胸の高さに銃を構えていた。
優衣の胸元に凛の銃弾が放たれ優衣の体は宙を舞い、元の服装に戻った。
「いたた……」
「えへへ。 凛の勝ち!」
凛は自慢気に胸を張った。 驚く辰也の横で瞬は口を開いた。
「小山凛。 「七人の白き暗殺者」の1人だ。
暗殺者ランキング7位。 「白き天使」の異名を持つ実力者だ」




