プロローグ
読んでいただけるとありがたいです。
青年は椅子に座っていた。 見た目は大体高校生位だろうか。 腕の赤いブレスレットが怪しく鈍く光っている。
黒いズボンに黒いコートと全身黒色の服装で、手には身の丈程ある太い大剣を持っていた。
青年が座っている椅子の近くには老人や若い男女数十名が倒れており、全て首と体が離れている。 中には元が人間だったのかどうかも分からない位の肉団子状態になっているものもあった。
青年は剣先で転がっている首を転がした。 生首の顔が見え、その表情には絶望や恐怖が表されていた。
青年は無表情でその顔を真っ二つに斬った。 頭蓋骨から ドロリ とした内容物が流れ落ち、血と混ざっていく。
床は大量の血で真っ赤に染まり、部屋は生暖かい空気に包まれている。
青年の携帯電話が鳴り、青年は携帯電話を手に取った。
「終わったか?」
「はい。 終わりました」
「ご苦労。 本部に戻れ」
そう言って相手は電話を切った。
青年は椅子から立ち上がり、部屋から出た。
廊下にも死体が転がっており、血が廊下を真っ赤に染めていた。
動いている者はいなく、出入り口付近の受け付けにいる女性も頭が無く、首から血がまだ ドクドク と溢れ出ていた。
青年は外に出ようとしたが出入り口で足を止めた。 そして来た道を戻り、受け付けの入り口を斬って入って行った。
机の下を覗き込むと、そこには女性が一人震えて座っていた。
「あ……ああ……あ」
女性は言葉にならない声で泣くだけだった。 手には携帯電話を握っていた。
「通報した?」
青年は首を横に倒しながらきいた。 女性は震えて涙を流しながら首を横に振った。
「なら良かった」
そう言って青年は女性の腹部に剣を突き刺した。 女性の口と腹部から血が溢れ出る。
青年は剣に引っ掻ける様にして机の下から女性を引っ張り出すと剣を抜いて首をはねた。
女性の頭は地面に ゴシャッ と音を立てて落ちた。
青年が左腕につけているブレスレットに人差し指を置いて呟くと青年の服が変わり、長袖のTシャツにジーパンという普通の服装になった。
青年は表情を変えること無く、受け付けから出てドアを開け、外に出た。
外は至って普通の街中だった。 目の前を主婦や子供達が通りすぎていく。
「随分と殺り易かったな。 今度もこれくらい簡単だといいけど」
そう言って青年は去っていった。
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