第二話 同じ道を
おれの出現させた『炎の壁』が消えるよりも先に。
おれはポニーテールの少女に手を掴まれて、そのままあの場から逃げ出していた。もちろん賞金である1000リーラは、おれも彼女ももらうことなく。
人ごみを抜けるとようやく落ち着いたのか、少女が手の甲で額の汗を拭った。
「……ま、まったく、あなたはなにを考えて……」
「なんだよ。おれはちゃんと、見物人のほうに飛んでいかない術を使ったじゃないか」
「それにしたって、あの『マグマの壁』はないでしょ! 大体あれ、なんて術……?」
それはさっきも言ったと思うのだけれど……。
「だから火炎障壁――」
「いやいやいやいや! 普通、火炎障壁でマグマを具現させることは出来ないから!」
「そうは言われても、おれには実際に出来るぞ」
少女は「いやまあ、そうみたいだけど……」と疲れたように息をつく。それからうつむいてブツブツと「いまは光の月だし」とかなんとかつぶやき始めた。
「光の月がどうかしたか?」
「うん? いえ、いまが火の月だったらあの術の効果にも納得が――いや、いかないけど、それでも少しは……」
「なにをわけのわからないことをブツブツと……」
「別になんでもないわよ。気にしないで。
……でも、だとすると生まれてから今日まで火の精霊魔術しか使っていないということに……? それもかなりの頻度で?
いや、侵掠炎矢級の火炎の矢はともかくとして、あの『マグマの壁』はそう仮定したって非常識すぎるか。他にもなにか要因が……。
大体、生まれてから火術しか使ったことのない人間なんているわけが――」
気にしないでくれと言われても、隣でこんな思わせぶりな発言を連発されちゃあなぁ……。大体おれ、そういう『わからないまま』というのがかなり苦手なタチだったりするし。なんというか、豆腐を一度も噛まずに飲み込んだときのような気持ち悪さを感じるというか……。
とりあえず、このままスルーすることは出来そうになかった。いや、この場合、おれじゃなくたってそのまま流すことなんて出来ないはずだ。
「なあ、おれの使った火炎障壁って、そんなに変だったのか?」
おれの問いかけに、彼女は右手をあごに当てて前を向いたまま返してきた。しかし、こいつのお子様な外見にはなんとも似合わないポーズだなぁ……。
「変っていうかね、常識的に考えてちょっとあり得ないのよ。そりゃ、マグマだって『炎』と定義できるんでしょうけど、いままで火炎障壁で『マグマの壁』を出現させることのできた魔術の使い手なんて、あたしの知る限りでは皆無だもの」
「それはお前の知る限りでは、の話だろ? 現におれは出来てるんだ。おれと同じことをできる奴が過去に――いや、いまの世の中にだっていておかしくはないだろう。
これはおれのじいちゃんがよく言ってたことなんだけどな、ええと、自分に認められることしか認めない奴は、イギュレラーなことが起こった場合に……ええと、なんて言ってたっけかな、…………。そうそう、どうしようもなくなるんだってよ」
「あなた、その言葉の意味、絶対よくわかってないでしょ? それと『イギュレラー』じゃなくて『イレギュラー』。……まあ、あなたの言いたいことはわかるわよ。あたしの知らない情報があるってことを前提にして思考を展開させろってことでしょ?」
「…………」
え、え~と……、情報? 前提? 展開?
おれ、そんなことは一言も言ってないと思うのだけれど……。
「……そういうことでしょ?」
どこか、シラーっとした瞳が向けられる。言ってることはよくわからないが、とりあえずうなずいておくことにしよう。うん。
「……そ、そうそう。よくわかったな」
少女のおれを映す瞳に呆れの色が濃くなった。
「……はぁ。まあいいわ。追及する時間も惜しいし。で、まあ、あなたの言うことはもっともだけどね、でもそれ、あたしに限っては考慮する必要がないのよ」
「なんか、まるで自分の知らないことなんてなにもない、とか言いたげだな」
「そう。実際、そう言ってるの。少なくとも『魔術』のことに関しては、あたしの耳に入ってこない情報なんて、そうそうないのよ。まして今回の場合は『火炎障壁』で『マグマの壁』を作りだせる『魔術の使い手』という、ものすご~くレアなケース。
まあ、それでもあたしは今回、あなたの存在を知らずにいたわけだけど、それはあくまで『そんなこと出来る人間なんているはずない』という思い込みがあたしにあったから。もし、あたしがその気になって調べてさえいれば、こんなレアな情報はすぐに――っと」
突然、少女が周囲に素早く視線を走らせる。……な、なんだ?
「ど、どうしたんだ?」
「ちょっと、ね。まあ、気にしないで」
「またそれか。はっきり言わせてもらうけどな、そういう思わせぶりな発現や態度を連発するのは、なかなかに人を不快な気分にさせるものなんだぞ」
ちょっとイラッときて、おれは少し強めにそう言った。すると少女は、
「……う、それはそうかも。ごめん」
なんか、意外に素直に謝ってきた。
「いやまあ、いいけどな。で、一体どうしたんだ?」
「いいけどな、とか言うくせに訊いてはくるのね……。うんっと、ちょっと家の人を捜していただけよ」
「なんだ? お前、迷子か?」
「違うわよ! 子供扱いしないでよね! あたしは家の人を見つけたいんじゃなくて、家の人に見つかりたくないのよ!」
見つかりたくないって……。
「つまり、家出中なのか? それはそれで子供のすることだとも思うけどな。いや、待てよ。おれの親友は15だったか16だったかのときに家出したんだったっけか。なら別に家出したからって子供ってわけでも……。いやいや、でもアイツの精神年齢は間違いなく子供……」
「あなたこそなにをブツブツ言ってるのよ。それに15か16のときに家出したって言うのなら、その人とあたし、立場同じじゃない」
言われて、おれは少女をまじまじと見てしまった。どう高めに見積もっても14歳くらいにしか見えないのだが……。
「あ、なにその胡散臭げな眼差しは! 言っとくけど、あたしはこれでも15歳! それにもうすぐ16になるんだからね!」
「…………。童顔ってやつか。あ、いや、でも15にしては色々なところが成長してな――」
「なにおうっ! 誰が背が低くて胸がないですって!?」
「いや、そこまでは言ってないだろ。むしろ性格がかなり幼いと、おれは思う」
「うるさいわねっ! どうでもいいでしょ、そんなことっ!」
「お前自身はどうでもいいと思ってなさそうだけどな」
「――ぬがあぁぁぁっ!!」
なんかキレられた! 理不尽にもいきなりキレられた! これだから『最近の若者は』とか言われるんだろう。
怒りに任せて放たれる彼女の拳を適当に受け流したり、あるいは受け止めたりすることしばし。スタミナはその小柄な身体に見合うほどしかないらしく、少女は拳を下ろし、ぜえぜえと肩で息をし始めてしまった。
「ま、まったく……、話が、すっかり、わき道、に……逸れちゃってた、わ……」
「……わき道って言えば、さ」
「はい? なに?」
「おれたち、結局どこに向かってるんだ? いま」
「いや、別に明確な目的地はないけどね。というか、あたしの言っているわき道っていうのは、そういう具体的かつ物理的なものじゃなくて……」
目的地といえば、とおれは傍らの少女がブツブツ言うのを無視して考え込んだ。
そう、おれは宿屋を探していたのだ。さっきの試合に巻き込まれたり、この少女に絡まれたりでちょっと忘れてしまっていたが。というか、だ。この少女はなんでおれについてきているのだろうか。彼女が家出してきたことだけは確かなようだが。……あ、そうだ。
「なあ、宿屋がどこにあるか知らないか?」
「はい!? いまのあたしのセリフにひとつでも宿屋を連想させるものがあった!?」
そう言われても、連想したからこそそのワードを出したのだけれど。そう告げると少女はまたしても額に手を当てて、どこか疲れた風に零した。はて? おれならともかく、なんでこの少女が疲れるんだ?
「あたし、あなたの思考がいまひとつ読めないわ……。はぁ、まあ、いいわよ。案内してあげる」
「そうか、ありがとな。――っと、そうだ。でもなんでおれについてきてたんだ?」
その疑問に彼女は「そう、それよ! それが本題!」とか大声を上げてきたが、おれはかまわず続けた。
「感じからして、この街には詳しいんだよな?」
少女は「ああ、また本題からずれた!」とかわめいていたが、気を取り直しておれの質問に答えてくれる。……なんか、律儀な性格してるなぁ、こいつ。
「そりゃ、あたしは迷子なわけでも、別の街の出身ってわけでもないから……。そういえば、あなたはどこの街の出身? アイ・シティ? それとも南のほうにあるユニオン・シティ?」
「いや、どっちも違う。おれはガルス帝国の生まれだよ」
「へ? この国の生まれじゃなかったんだ。――あ、じゃあ『刻の扉』を使ってきたの?」
「『刻の扉』? なんだそりゃ」
「あ、違うんだ。まあ、よく考えてみればそうよね。あれの使用許可って、そう簡単に下りないし。……って、あ。」
おれの「で? 結局、『刻の扉』ってのはなんなんだ?」という少々恨みがましいものの篭もった視線に気づいたのだろう。少し慌てた様子で説明を始めるポニーテールの少女。
「えっと、『刻の扉』っていうのはね、主要な都市には必ず設置されている魔道移動装置のことよ。これを使えばどれだけ距離が離れていても、それこそ一瞬で行けちゃうの。本当に比喩抜きで、ね。まあ、いまも言ったとおり、使用許可はなかなか下りないけどね」
「一瞬で、か……。すごいな。おれは3年近くかかったっていうのに……」
「はい? 3年? えっと、あなたはガルス帝国の生まれだって……。あ、フロート公国あたりで観光でもしてたの?」
「そんなわけないだろ。この国に用があって来たんだから、寄り道なんてしてる暇はなかったさ」
もっとも、寄り道する気はなくても道に迷ってしまい、結果として、この街に到着するのに3年弱もかかってしまったわけなのだけれど。おかげで旅立った当時は18歳だったおれも、いまではもう21歳……。
というか、普通は1年もあれば充分辿り着ける距離にあるのになぁ、ガルス・シティとスペリオル・シティは。
そういった事情はあまり、この隣を歩く少女には教えたくなかったのだけれど、おれが表情に出してしまっていたのだろう、ニヤ~っとイヤな笑みを浮かべながらおれの顔を覗き込んできた。
「なになに? もしかして迷ってたの? あ、それもこの街を素通りして、ユニオン・シティまで行っちゃって、慌てて戻ってきたりとかしてたり?」
「…………」
どうしてこう要らない勘を働かせてくるかなぁ、この少女は。しかも言っていることは、実はおれのことを監視していたんじゃないかってくらいに的確だし。
どう答えても不愉快だったので黙り込んでいると、彼女はむしろ驚いた表情になった。
「え!? まさか本当にそうだったりするの!?」
それからも「え、ちょ、本当に!?」とか「ちょっとそれ、いくらなんでも間抜けすぎだって!」とか言ってくる。しまいにはその瞳に同情やなにか可哀想なものを見るような色まで宿ってくる始末……。
さすがに耐え切れなくなり、おれは地面に転がっていた石を軽く蹴った。
「仕方ないだろ、おれは重度の方向オンチなんだから……。大体だな、ガルス・シティからこの街まで直接、船が出ていればここまで日数がかかることも――」
と、そこで気づいた。少女の瞳の奥にある、さきほどまでとは違う感情に。それは隠し切れない――というか、隠そうともしていない呆れの色。それは段々と彼女の顔全体に広がっていく。
「ねえ、あなた本当にこの世界の人間なの? ガルス・シティからここまで直通の船を出すなんて、そんなこと出来るはずないじゃない」
その言い草にはさすがにちょっとムッときた。いや、だって、『この世界の人間なの?』ってのは、バカにするにもほどがある、とでもいうか。それに、
「なんでだよ? 普通に船は出てるじゃないか」
「そうね。フロート公国の最南端からガルス・シティやこの街、あとユニオン・シティまでとか、この街からユニオン・シティまでとかなら出てるわね」
……なんだって?
「船、出てたのか? ユニオン・シティからこの街まで? うわ~、だったら使えばよかった……。おれ、そのこと知らなくて、この街まで歩いてきちゃったぜ……」
「そんなことどうでもいいわよ! というかどんどん話を逸らすな!
いい? 私たちの住むこの世界には大陸がひとつしかないっていうのは知ってるわよね? あ、いや、答えなくていい。また話がわき道に逸れたらイヤだから。
それで、この大陸の名前は『リューシャー大陸』。大陸の形状は……そうね、『凹』という記号を逆さまにしたような感じ、とでも言えばわかるわよね。
で、逆さまにした状態から見て、東側にある縦棒部分が『ガルス帝国』、西側にある縦棒部分がここ、『スペリオル聖王国』。ちなみに、この二つの国を繋ぐ感じの一番広い土地を持っている国が『フロート公国』なんだけど、まあ、さすがにあなたでもこれくらいは知ってるわよね」
無言でうなずくおれ。いや、実のところ、どこからどこまでがどの国の領土なのか、というのは微妙にわかっていなかったりもしたのだけれど、いまなんとなくわかったから、それでよしとしよう。
「あなたはおそらく、東から西にフロート公国を通ってここまできたんでしょうね。そう、大陸に弧を描く感じに。
で、いまあなたは、そんなことしなくても『凹』のへこんでいる箇所を船で通過すればいいんじゃないか、と言った。――そうよね?」
「……ああ、そうだな」
「…………。微妙に詰まったのが気になるけど、まあ、いいわ。でもこの『へこんでいる箇所』は『魔海』って呼ばれていてね。船での通過は難しいのよ。なぜなら、『へこんでいる箇所』には4つの小島が浮かんでいて、そこが魔族の領域だから。なんでも『高位魔族』と呼ばれる四体の魔族が、4つの小島にそれぞれ配されているらしいのよね。まあ、『高位魔族』のことはどこまで本当だかわかったものじゃないけど。
それでも魔族が棲んでいるっていうのは真実。魔族なんて、こっちからちょっかい出さなくったってなにをしてくるかわからないんだもの。わざわざそんな奴らがいる『魔海』に近づこうなんて思う船乗りなんていないってことよ」
「はぁ~。そんな事情があったのか……」
おれも魔族と戦ったことが何度かあるのだが、あの強さはなんというか、ちょっと、反則的だった。もっとも弱いと思われるエビル・デーモンならまだしも、それ以上の奴相手となると、おれでも絶対に勝てるとは言い切れない。
というか、中級以上の魔族と出会ってしまったならば、その人間の人生はそこでゲームオーバー。別の言い方をするのならデッドエンド。ガルス・シティに居た頃に何度もそう教えられたし。
まあ、じゃあ魔族をものすごく恐れているのかと問われると、少なくともおれ自身はそうでもなかったりするのだけれど。なんというか、そんな絶対に敵わない相手とも思えないんだよなぁ。まあ、とか言いつつおれは中級以上の魔族と戦ったことはないのだけれど。
そんな極めて楽天的と思われることを考えていたおれに、彼女は呆れたような眼差しはそのままに返してきた。
「あったのよ。まあ、だから船はあくまで大陸を沿って進む形でしか出されないってわけ。……っと、着いたわよ」
「ん? どこにだ?」
「…………っ! あんたねぇっ! 宿屋に決まってるでしょ! 宿屋に! 探してたんでしょ!?」
苛立ち気味に石を思いっきり蹴りつつ、少女が木造の建物を指差す。おれもその先に目をやった。そこには確かに2階建ての立派な宿屋兼メシ屋の姿。しかし、彼女の蹴った石、前を歩いていた奴に危うく当たるところだったぞ。同じ蹴るにしても、先ほどのおれみたいに軽く蹴るべきだろうに……。
いや、それにしても、
「そうだった、そうだった。すっかり忘れてた」
出身地とか魔海とか魔族とか、どんどん話の内容が宿屋と関係なくなっていってたのだから、それも無理はないだろう。しかし少女のほうはそうは思っていないようで、
「…………。あんた、よくそれで呪文の詠唱文とかちゃんと憶えていられるわね……」
「ん? ああ、よく言われるよ、それ。――まあ、丸暗記には比較的、自信があるからな、おれは」
「なるほど。丸暗記、ね……」
なぜだろう。おれの特技の中でも特にすごいものを明らかにしたというのに、彼女から返ってくるのは変わらずに呆れの感情だけだった。まあ、それは別にかまわない。おれがいま一番欲しいのは彼女からの尊敬の眼差しではなく、温かい食事なのだから。なので。
「案内してくれてありがとな。でも早く家には帰っておいたほうがいいと思うぞ? じゃないと帰りたくても帰れないような心境になるかもしれないからな」
きっと、あいつもそんな心情でいるんだろうなと思うのだ。まあ、おれはあいつが町を出たときから数えて2年ほど後に、使いとしてスペリオル聖王国に行くように王に命じられ、かれこれ3年近く旅をしていたわけだから、あいつがガルス・シティに戻ってきたのかどうかは確かめようがなかったりするのだけれど。
とりあえず、あいつのことだから、どこかで野たれ死んではいないだろう。うん、なんだかんだであいつ、強いし。
『親友』のことに少しばかり思いを馳せながら、「じゃあな」と少女に手をひらひらとさせ、宿屋の玄関をくぐろうとしたその瞬間。
「ちょっと待ちなさいよ! じゃあな、じゃないでしょ! あたしとしては全然、本題に入れてないのよ!」
ずんずんと、おれの横を過ぎて宿屋へと足を踏み入れる少女。しかし本題って、なんだっけ……?
「とにかく! あたしもここでなにか食べていくことにするわ! もちろんあなたと同じテーブルで、ね! 色々と根掘り葉掘り訊かせてもらうんで、よろしく!」
「よろしくって言われてもな……。まあ、案内してもらった手前もあるし、かまわないっていえばかまわないが、おれになにか訊くことなんかあるのか?」
「ええ。色々と、ね。――あ、そうだ。そういえばあなた、名前は?」
「名前? アスロックだけど。そういやおれたち、まだお互いの名前も知らなかったんだな……」
「……まあ、そうね。名乗る必要もないと思ってたし、あまり軽々しく名乗りたくもなかったからね」
「……? 軽々しく名乗りたくないって?」
「あ、あー、コホン。――あたしはミーティア。長い付き合いにはならないと思うけど、まあ、よろしくね。アスロック」
「なんか言い方がいちいち引っかかるが、まあ、こちらこそよろしく、だな」
これが、おれとミーティアの出会いであり、また、おれたち『二人』の共通の『物語』が始まった瞬間でもあった。
そして、当然。
おれと彼女は。
彼女の言葉とは裏腹に。
これでもかというくらいに。
本当に、長い付き合いになるのだった。
それはもう、嫌になるくらいに長い付き合いに――。