エンドロール
そう考えていると、ジリリーと部屋内の電話が鳴った。ガチャッ、はい、と出ると
「山下様、まもなく終了のお時間となります」
「はい、もう出る準備致しますね」
「ではお待ちしております」
受話器を戻し、簡単な荷物を整理し、部屋内を簡単に片付けて出る準備をパパっと終わらして部屋のドアを開けた。
受付の部屋に入り龍崎さんはお疲れ様ですと軽く会釈された。
「今日はリラックスできました、ありがとうございました」
「それは良かったです。本来の目的通りにリラックス出来たとのことは喜ばい事です。こちらと致しましても、お越しくださった事、感謝です」
「はい、思い切って来て良かったです、こちらこそです」
お互いにペコペコと軽く会釈しながら、頭に手を当てながら変な感じになっている。
「山下様、改めていかがでしたか?かなりスッキリされたお顔されてますが」
えっ、そう言われたのでごく自然に顔を少し触り驚いた。いきなり言われたことがない言葉で俺ってスッキリしているのか、と自問自答していると
「初めてお会いしたときと、本日お越しくださった時と表情がかなり違うので、率直に述べさせていただききました」
「本当ですか、そう言われたら何か変な感じですけど、高級旅館に来た感じに近いかなとは思いました」
「ええ、そう思っていただけた事この上ないです」
二人共立ちながらではあるが…褒め合い合戦に近い感じになった。
「ちなみに何ですが…お部屋で過ごされて何か不備もしくはこうした方が等など、ご意見ご不満はございますか」
「ご不満なんてとんでもないです、とても快適に過ごせました。住みたいくらいです」
「本当ですか、ありがとうございます。嬉しいですね、そうおっしゃって頂けると」
「サウナもBARも申し分ないです」
「そりゃ由香里ちゃんにお伝えしとかないと」
「お願いします」
僕は口角を軽く上げて笑顔で答えた。
「では、貴重品をお返し致しますね」言いながら、お財布と携帯を受付テーブルの上に置き
「本日は7000円になります」
はいと答えて、受け取った財布から7000円を取り出し
「お願いします」
「はい、確認致しますね、ありがとうございます」 慣れた手付きで確認し始めて
「確かに、7000円確認致しました」言いながらすかさず「改めてになりますが、本日は誠にありがとうございました。又ご利用になりたければ、お電話下さいませ。出れない時は折り返させて頂きます」
「はい、是非ご予約させて下さい。次回は夜の部が良いですね」
「是非ご予約下さい。又お会いできる事楽しみにしてます。夜の部はBARに集まる方多いので、ちょっとしたコミュニケーション取れるかもですよ。」
「そうなんですね」
「クセが強い方多いですけどね、ハッハッ」から笑いしながら「まあー様々な業界の方も来るので面白い話や為になる話も聞けるかもしれませんよ」
「それは興味ありますね」と山下様はスマホを取り出し素早くアプリを確認し始めたのでカレンダーかな。
「そんなに慌てなくてよいですよ、山下様が良いタイミングで。多分自然にこの日と感じ時が来るかも」「占い的な感じですか」
「うーんそうかもしれませんが…」と考えているような仕草で少し溜めて「そんなに頻繁に来たいと思うのは、気持ちが晴れていない状況が多いと言う事かもしれないので、癒されたい時に是非」
「あーそれはそうかも、ええーかしこまりました。そのタイミングになればですね」
「ええ、その時は是非お越しください。夜の部ならではのリラックスをご体験下さい」
「夜の部ならではの?」
山下様は少し、んっ?とした表情になっている。無理もない、説明していなかったから…少し間を置き
「照明やBGM、昼とは違った雰囲気を味わって頂くためのプログラムとさせて頂いています。その際は改めてご説明させて頂きます」
「なるほど、来ないとわからないって事ですね」
「はい、おっしゃる通り、私も少しばかり関わりながら接客致しますので、是非お楽しみください」
表情が柔らかくなって少しばかり疑問が解決したかのような感じになって
「かしこまりました。では、今後共よろしくお願いいたします」と丁寧にお辞儀をしてお帰りになられた。
ここに選ばれる人は、何かに悩み苦しみ解放したい方々の癒しになれるように日々考えて、よりリラックスして頂けるための場を提供出来るように毎日を過ごしていこう。そうまだ見ぬ悩める子羊達を待とう。
そして、受付横にある緑色をしたスピーカーから、ピッ、ガランーガッチャン、とドリンクを購入した音が聞こえた。さぁ、今宵の子羊さんはどんな悩みを抱えているのだろうか。
END




