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謎の自販機

登場人物

山下翔人  やましたはやと  25歳

龍崎流夢  りゅうざきるいと 33歳

雲塚由香里 くもづかゆかり  28歳


 桜が舞うこの季節は、新たなスタートをきり、ある者は初めての学校、別の者は就職、転職、最愛の人との別れ、その様な喜怒哀楽が激しく交差する時期だ。

 俺、山下翔人(やましたはやとはというと、まずまずの大学とは三流に位置付されている無難な大学といえよう。そこでまー無難に過ごし、友人もぼちぼちといる程度のごくごく普通の学生である。

そんな俺でも新卒採用には少しばかり苦労したが何とか内定を取り付け、胸を躍らせて入った4月から、もう3年が経とうとしていた。

 希望した業種ではないくブラックかといえばそうでもない。強いて言うなら、BtoBの営業をしている為、世間は余り聞いたことがない企業で働いている。

まぁー何にせよ、新社会人として、意気揚々に取り組んだのだが、営業の仕事はそんなに甘くはなかった。最初は先輩同行にて契約が取れたが、それ以降はさっぱりだった。下に見られたり、どこの大学だ、人間性を否定されたりとへこんだへこんだ。やっていくうちに、要領と知恵、少なからず相手の懐に潜り込めるまでにはなったが、今度は同僚や上司からの圧でまたまたへこんだ。呑むのが好きだが、一人の時間も同様に大好きだ。だが、営業特有、いやいや内の会社特有なのかもしれないが、必ず月1時には月2は呑み会を開催される、まー俗にゆう飲みニケーションというが、俺的には苦行でしかない。愚痴の嵐、接待呑み会、パワハラお酌等今を逆行する上司のストレス解消会だ。

「いいか、これは労いだ。又は、スキル向上と同僚との密なコミュニケーションが図れる場なので、皆さん、必ず参加願います」と背の小さな平たい属の様ないかにもザ上司と言わんばかりの風貌から放たれた一言は有無も言わさずの雰囲気なのがたちが悪い。

しかし、断ると陰湿な仲間外れに合い仕事が難しくなる為、何も言えないでいる。

そんなこんなで、かれこれ3年耐えに耐えて過ごしている。 

 だが、もう俺は限界に達しそうだ。胃薬は手放せない、会社へ行くとなると胃がキリキリして吐き気がする。健康の為に、納豆やヨーグルト等食べるようにしているのだけれども、どうにもならない。市販薬で何とか乗り越えているものの、すでに俺の気持ちは『翔人、アウト!』と、某特番の有名な掛け声が、心のなかでグルグルとこだましている、いや幻聴の様な感じか。だけれど、そんな事お構い無しに時間だけが過ぎていく。



 4月上旬ある木曜日、俺は何とか一日を乗り越えて、帰宅の途についていた。あー明日は新入社員の歓迎会か、

「嫌やな、めっちゃ行きたくない」と言いながら改めてブルーな気持ちになり世界が重くなるような気がした。3年前を思い出しあの時の上司の言葉とここまでの道のりを考えたら又胃がキリキリと痛くなる。行きたくない行きたくない、と何度も連呼している自分にも嫌気が指す。

その時だった。

「あ、何か飲みたくなってきた」

本当に急に喉が渇いてきて、何かしらの水分を取りたくなった。そう考えた瞬間、くるりと反転し速歩きになりコンビニやスーパー、自販機を探したい欲求にかられた。直ぐ様、駅方面に向かった、俺の家の周辺は飲料を買うとなると徒歩15分はかかるからだ。

社会人なら、ビール、ハイボール、日本酒等を想像するだろうが、それよりもアルコール類以外をという気持ちのほうが強かった。

 そうこうしながら探していると、突然脇道に温かみのある空気感、いやいやとても不思議な雰囲気を感じ立ちどまり戻る事にした。少し戻り恐る恐る脇道を覗き込むとそこには、先は見えるものの余り通る事もないような道だった、そこに1台の自販機見えた。脇道に入りその自販機に近づくと、突然光だし、見たこともない感じたこともない感覚になり、吸い込まれるように、ドリンクを探している。実際心の中では、何やこれ、どないなってんねん、俺はおかしゅーなったんかと感じているが、何故か早く飲みたい衝動に駆られた。自販機の前に立つと、胸のざわつく鼓動が聞こえるくらいの気持ちになり、飲みたい物がないかを無意識に探している自分がいる。

 多分、今思うと俺の顔はワクワクしている顔をしていたのかもしれない。自分ではそうは思っていなかったけど・・

その自販機は良くあるタイプだが、聞いたこともないメーカーの自販機で缶だけしかなく、ペットボトルがない。ただ、気になる、なんだかわからない感覚は変わらない。良く知らない自販機は良くあるので、そこまで気にはしなかったが、飲料は全然分からない。

「なんだコレ?」良く見てみるとほとんど数字しか書かれてない。本当に気味が悪いけれども、それよりも飲みたい買いたい衝動のほうが強かったと思う。

色は様々で4に緑、18にむらさき等、数字の色も様々で物凄く違和感がある。たまに見かける何が出るかわからない自販機なのかな。

値段は大阪などでも良く見る50円からの安い自販機のようだ。

ボタンも多種多様な色に光っており、上から下へ横に流れるタイプで、全体的に眩いという感じだ。

そんな中で僕は、直感を信じて真ん中の右から5番目の缶に狙いを定めた。

「よし、これにしよう」関係あるかわからないが押すボタンが光るタイミングで押した。


ピッ、ガランーガッチャン。


 よし出て来たな、と想いながら取出口から缶を取り出した。冷たさは良い感じだ、そう思いながら取出した缶は、数字の7で色は黄色だ。何故これを選んだかといえは、昔から7が好きというか、気になる数字だから、根拠はないけど、何故かよく頭に思い浮かぶ数字だったから、俺には演技の良い数字なのかなと考えていた。

 そして、黄色は、今年のラッキーカラーだからだ。好きな色は緑や青系が好きなのだけれども、黄色も嫌いじゃないのでまぁ良いかーと思い選ぶ傾向にはある。


 缶を取出した後、自販機は光ってはいるものの役目を終えたかのようにオーラというか最初に感じた吸い込まれるようなワクワク感などは全くと言っていいほど感じない。

「何なんだ、この自販機は」

と独り言を言いつつ、その自販機を見ながらほんの少し名残惜しい感じで元いた道に戻った。

それにしても、たまに不思議な事が起こるけれど、今回は、特に変やなと考えながら歩いている。

そしてベンチでゆっくり飲もうかなと思い、近くの公園に向かった。


 私は、購入したドリンクを飲むため、落ち着ける公園のベンチで飲もうと駅から近くの公園に向かって歩いている。

「それにしても、このドリンクは何味なんやろか」

と思い、缶を回し見ながら進んでいた。その時、対向からくる方とぶつかりそうになった。素早く左に避けた。まだ若いのでスッと避けたのでぶつかることなかったが、軽く謝罪しよう

「あ、すみません・・」と少し振り返りながら軽く会釈をし、お相手を確認した。

「いえ、・・当ってないのでお気になさらずに。私こそです」相手も軽い会釈をした。

私より年上の方で男性だ、かなり背が高く激渋俳優の様な風貌で声も特徴的で心地良い声質だ。着衣はスーツか、となるとサラリーマンかなぁと思いながらその後は振り返ることなく、目的の公園に歩き直した。


 程なくして、私が良く休む公園に到着し、目的のベンチだが、よく見ると先客がいるな。心の中では、くそっと思いつつ、別の場所を探した。ここの公園は少し高台となっており、15段の階段が東西南北に4つあり、その横にベンチがある為、私は西のベンチが空いていた為そこに腰掛けた。ちなみに、お気に入りは東のベンチだ。

改めてベンチに腰掛けて、先ほど飲みたくて仕方ないい缶を回すように見た。やはり、変わったデザインやな〜と思いながら、成分やメーカー、製造元を確認すると、[天然水、夢美産業株式会社、ドリームドラゴン株式会社]と記載があり、何か怪しい、と感じてしまった。多分誰もが思うことだろう。天然水なのに何故ペットボトルではないのか?と思いつつ缶のプルタブの取手を持ちで勢いよく開けた。

カッーシュッー、私はこう聞こえた。

右手に缶を持ちそのまま口に運び一気に飲み干した。

プッハー、

「ふー、はあ~うん、まぁまぁか」

極々普通の天然水、水だな。そう思いながら、ベンチで寛いでいた。衝動に駆られた気分は先程よりは落ち着きを感じさせてる。現時刻は夜の22時前、4月の中旬まだまだ肌寒い時期ですが、とても心地よい風が吹いており少しばかり気持ちも整う。

「それにしても、何やったんやろう。でも、ちょっと落ち着いたな」と小声でつぶやいた。

そのさなか、改めて缶をじっくり見ながらふと製造元のドリームドラゴン株式会社が気になった。すかさず、スマホで調べたら、検索エンジンにて出てきたが、スクロールした下の方であった。

社名の下に、BARandCafe DDと記載のみされていた。住所だけ載っており電話番号はない。

「ん~~、怪しいなー」

と思いながら、何かしらわかるかもしれないと思い明日、歓迎会終わりに行ってみよう、それもここから2駅先だ。怪しさは残っているが。

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