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潔癖症の私が気付けば世界最強に〜この世界で黒髪は絶世の美女扱いらしいです〜  作者: 猫崎ルナ
一章 異世界に来たけど人はどこにいますか?

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これはダーリンじゃなくポチだ。




 ゴブリンキングの攻撃の痛みを想像しながら両目を瞑った私。


 …。

 あれ?攻撃が来ない?


 いつまで待ってみても攻撃が来ない事に疑問を持った私は、片目ずつゆっくりと開いてみた。

 すると、私の目の前には武器を持った方の腕を高く上げたまま、攻撃する体制で固まっているゴブリンキングがいた。


「…はぇ?」


 そんな意味がわからない状態になっているゴブリンキングを前にして私の口から出たのは、あまりにも間の抜けた一言だった。


 いや、いやいや。意味がわからない!

 なんで突然ゴブリンキングがフリーズしてるの?どういう事?


 全く意味のわからない状況に、肩の痛みを忘れていたほどである。

 それ程に私は驚いたわけだ。口もだらしなくポカンと開いている。


 そんな間抜けずらをしている私に突然話しかけて来た声。


「よかった!僕、いつまで経っても呼ばれないからびっくりしちゃったよ!

 でも、もう大丈夫だよ!

 この僕が来たからね!」


 この状況に似つかない楽しそうな声音。

 どうやら小さな男の子のようだ。


 私はその声に驚きつつ、後ろを振り返るが…誰もいない。


「えっ、幻聴?」


 つい、そんな言葉が出てしまうのは仕方のない事だろう。

 いや、そんな事よりも今は一刻も早くこのゴブリンキングから少しでも距離を稼がないと…。


 そう思った私は、痛む肩を…あれ?痛くない?

 ゴブリンキングに意識を向けつつチラリと肩の傷に視線をやるが、あるはずである傷がなかった。

 本来そこにはパックリと切れ目の入った傷があったはずなのに、裂けた服の切れ間から見えるのは血のついただけの素肌だった。


「え?」


 意味のわからない展開ばかりで脳がショート寸前だ。

 今すぐイケメンな異性に会いたい。


 けれど傷がなくなった今、その理由を考える事よりも距離を取る方が先決である。

 痛みがなくなった事と、連続して起こる不可解な現象により、私の体の震えはいつのまにか止まっていた。

 それにより思考もクリアになり、冷静に物事を考えれるようになっていた。


「よし、ここから攻撃!」


 ある程度距離をとった私は、ゴブリンキングに向けて魔法を放とうとした、その時。


「待って待って!ストップストーップ!」


 先程と同じ声がしたと同時に、私の目線の高さに手のひらほどの男の子が現れ、両掌を私に向けて伸ばした状態で浮いていた。

 必死に私に待てと伝えている様だ。


「え…でも、いつ動き出すかわからないし…」


「大丈夫だよ!僕との初めての会話の時に邪魔が入らないようになってるから!僕が良いって思うまでは大丈夫なんだよ!」


 焦茶色の髪の毛をふわふわと揺らしながら男の子がそう言ってくる。

 癖っ毛なのだろう、毛玉みたいで可愛い。

 服装は白いワンピースに編み上げブーツという、これぞ天使!みたいな感じである。

 あれ?男の子だよね?うん?


 まぁ、なんであれ私は一先ず男の子の言葉を聞く事にした。

 このままだと私はゴブリンキングに勝てる気がしないので、打開策が無いか聞いてみようと思ったのである。


 しかし…異世界初の異性との出会いはムードのへったくれも無い上に、人間でも無い。

普通こんな時は白馬の王子様が来て颯爽とボスを倒し、大丈夫か姫?と言いながら右手を差し出してくるんじゃ無いのか?


そんな事を思いつつ、話を聞く為に私はその場に三角座りをしたのだった。



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