神は死んだ…
ーギギギィイイイ
と、扉が開く。何とも重そうな扉だ。
だが!私はのれんをファサァッとした程度の力しか込めていない。
これは、扉が重厚そうな演出をしてるのか、はたまた私が強くなったのか…疑問は潰えない。
そんなことを考えつつ、前方に目線をやる。
すると、今までとは全く違うだだっ広い空間の中央に一匹のゴブリンが居た。
ただ、そのゴブリンは今までとは違った様相をしている。
今までのゴブリンは薄緑色だったのに対し、このゴブリン(仮)は真っ赤なのだ。
私を見る目つきも何だかちょっとキレッキレなきがする。やる気満々の様だ。
できればその熱い視線は素敵な王子様にして欲しい。
そんなことを考えつつ、中央にて未だ一歩も動かないそのゴブリン(仮)に向かって、今がチャンスとばかりに鑑定をかけてみる。
すると
*
ゴブリンキング
レベル15
オス
変化
*
と、でた。
…。
いや、もう少しレベル上げた方が絶対よかったやつじゃん。
そう思った私は前方に注意をさきつつ後ろの扉の方をチラリと見るが、完全に閉まっている。
いつしまったのだろうか?こうなると開かない様な気もする。
そして今までとは完全に違うのが 変化 と表記されている事である。
キング…王だからなのだろうか?大きくなる気しかしない。流石に王子様にはならないだろう。
もう、泣いていい?つらい。辛すぎる。
けれど、入ってしまったものは仕方がない。
これはもう、いくしかないのだ。
ヤらなきゃヤられる。そういう世界に来てしまったのだから。
決意を新たに手汗が滲む…手汗?!お風呂!!
ふぅ、手が湿っていて気持ち悪かった…。
ータタタタタタタタタタタ!
私が自分の手汗に気が付き魔法を使った瞬間の事だった。
今の今まで微動だにしていなかったゴブリンキングがこっちへ走り出したのだ。
先手を取られてしまった事に焦った私はゴブリンキングの右手に持つ棍棒を避けようと…棍…棒?
「ギャァアアアアアオ!」
これは私の叫び声である。
まさかのゴブリンキングの持つ武器は棍棒ではなく何か棘と変なヌメヌメとした液体がついた武器だったからである。
「そのヌメヌメ絶対嫌!!!」
そう叫んだ私は何故かゴブリンキングに向け、攻撃を避けつつもお風呂魔法をつかっていた。
あぁ、神様。何故私をこの世界に連れて来たのでしょうか?
ゴブリンキングの綺麗になったトゲトゲの武器が右肩に擦り、激痛と舞い散る自身の血液を横目に私はこう思った。
神は死んだ!!!!!と。
それと同時にこうも思った。
お風呂魔法しててよかった!!!!と。




