一章終 何かちょっとやばいことしちゃったかもだけど
私の魔法の所為だろう、返事をした瞬間に鎖は消え始めた。
「ありがとう!」
唖然と立ち尽くす私に彼はにこやかにそう言った。
その笑顔はとても艶やかで、綺麗で、どうしようもない程に《《怖い笑顔だと》》感じた。
返事もできないまま、その場に立ち尽くす私。
そして彼は、そんな私の様子なんて全く気にしない素振りで鎖が巻かれていた自分の手首を触り、そしてー
ードゴオオオオオオオオオオオン‼︎
「きゃあぁあ!!」
彼は急に洞窟の壁を殴った。
その打撃音は凄まじく、私は悲鳴を上げずにはいられなかった。
ードゴオオオオオオオオオオオン‼︎
ードゴオオオオオオオオオオオン‼︎
彼は何度も何度も壁を殴る。
ードゴオオオオオオオオオオオン‼︎
ードゴオオオオオオオオオオオン‼︎
「きゃあぁあ!」
私は叫び、両手で耳を押さえ、その場にしゃがみ込む。
絶対この人やばい人だ!やっぱり鎖で繋がれてたのには理由があったんだ!!絶対、絶対、絶対碌な理由じゃない!!
やばい、やばいやばいやばい!絶対にやばいことした私!!
体を小さく縮こませながら私は焦った。
もしかしたら自分はとんでもないことをしてしまったんじゃないかと。
ードゴオオオオオオオオオオオン‼︎
ひときわ大きな振動を感じたのと同時に顔を上げた私は絶句した。
そこには大きな穴が空いていたからだ。
「う、うそぉ…」
つい、そんな声を漏らしてしまう程度に驚いた。目ん玉飛び出るぐらい驚いた。
そんな私の方へと彼は突然振り返り、いい笑顔をしながらこう言った。
「ありがとう!」
と。
それを言い終わると同時に彼は《《突然消えた》》。
私は数度瞬きをした後思った。
しーらねっと。
◇
その後私は恐る恐るその穴に近づき外を見た。
洞窟内とは全然違う、眩しい陽の光。
頬を優しく撫でる風に乗り、草木の爽やかな匂いが香ってくる。
前方に広がるのは広い大地。
ちょっと気になるのは見渡す限り森しか見えないことだろうか。
でも、とても久しぶりに感じる自然の色々に私はとても…とっても感動をしていた。
外に出ただけで私の心はもう、それはそれは満たされていた。
「まぁ、色々と色々とあったけど…私の素敵な異世界生活は今日!この日から!始まるのだ!」
そう、如月 星羅24歳独身は…この世界で素敵なマイダーリンを見つけるのだ!
一章 完
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当たり前だけれど、その時の私は知らなかった。この世界がどんな世界かを。
そして私は死ぬまで今日の選択を悔やみ続ける事となる。
二章から物語が進みます。
少女の様に可愛い少年を拾ったりします。
少年『まって!まって!脱がないで下さい!』
読んでくださりありがとうございます。




