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最後の戦い、歴史の闇に葬られた竜兵器



叡智「おかえり。エネミー電脳体との決着はついたみたいだね」


幻「うん、みんなのおかげでね」


音廻「完全ではないにしろ、かなりの数を討伐したはずだよ」


寂滅「うん、データ量も正常値までほぼなってる」


音廻「そっちはどう?」


叡智「アクセスの特定は成功した。きっと犯人もそこに居る。ただ、問題がある」


幻「問題?」


寂滅「犯人が居る場所は現実世界と電脳世界の狭間……私達がここに来る時に通る道に居るんだ」


音廻「なんだってそんなところに」


叡智「おそらく、データ制限にひっかかって弾き出されたんじゃないか? 普通なら現実に戻されて終わりだが、それが電脳世界で生まれたものなら……」


幻「そっか、帰る身体もないんだ」


音廻「ちょっと待って、じゃあそいつはその狭間を彷徨ってるってこと?」


叡智「恐らくは。そして問題なのはその狭間は通過することはできても滞在はできないということ。オリジナル電脳体なら楽に解決できただろう。同じようにデータを増やせば良いだけだから。だが私たちがそれを行えば現実に戻されるだけなんだ。滞在するには、身体とつながる意識を遮断するしかない。しかしそれは自我が崩壊する恐れがある……それでも、この世界を救う覚悟はある?」


幻「…………」


音廻「…………」


寂滅「姉さん、流石にこれは………」


叡智「だよねぇ……」


音廻「………乗り掛かった船だ。最後まで乗らないと失礼だよ」


幻「そうと決まれば早速準備だ!」





叡智「すでに意識は遮断してある。あとはデータ量を増やせば例の場所に行けるよ」


幻「でもどうやって増やすの?」


叡智「そこで、お薬の時間です」


音廻「薬?」


叡智「この薬を飲めば爆発的に身体のデータ量が増えるのだ!!」


幻「………大きくない?」


音廻「は、入るわけないよこんなの」


叡智「大丈夫大丈夫、ここは現実じゃないから」


寂滅「私先行ってるねー」


幻「待って叡智姉! 心の準備ってもんがあるんだけど!?」


叡智「一気に行けば楽だって、いくぞ!」


音廻「ちょ、まって」



幻・音廻「あああああああああああああああ」






寂滅「ふーん、ここが現実と電脳世界の狭間かぁ……」


叡智「お待たせ、二人に飲ませるのに手間取った」


幻「あんなの飲んだら口ガバガバになっちゃうよ」


音廻「顎すごく痛いんだけど」


叡智「……犯人の場所は、ここから少し遠いな。エネミー電脳体の反応もあるから一筋縄ではいかない」


幻「大丈夫だよ、私達にはオリジナル電脳体達が居るもの!」


音廻「みんなで協力して犯人をぶっ飛ばすぞ!」







叡智「ふぅ、エネミー電脳体の波を掻い潜った。この先に犯人が……」


幻「……あれは、竜のロボット?」


音廻「でも、ところどころ本物のソレっぽいけど」


湾曲した角を持ち、翼脚を思わせるほどに発達した爪、胴体に匹敵するほどの長さを持った尻尾。何より、身体の一部が鋼で覆われている。


エルドラド「なんなんだこの竜兵器ドラゴンウェポンは……該当データが見当たらないぞ?」


寂滅「でも、電脳世界に存在しているということは現実世界でも存在していたもの……?」



竜兵器「……侵入者ヲ確認。戦力ヲ分析シマス」



幻「兵器のくせして喋った!?」


竜兵器「分析完了。エネミー電脳体ニヨル迎撃ヲ開始。武装展開」


音廻「はっ!? ちょっとエネミー電脳体が突然出てきたんだけど!?」


アルカディア「まさか、プロダクションシステムの機能を自らに拡張したのか!?」


寂滅「つまり、あいつはそのシステム以上の機能を持ってるってこと!?」


叡智「これを打破するには……いちかばちかハッキングをするしかない!」


幻「なっ、できるの!?」


叡智「かなり時間は必要だけど……それにハッキングできなければ結局はパーだ」


竜兵器「エネミー電脳体生成完了、戦闘ヲ開始シマス」


音廻「くそ、やるしかないか!」



竜兵器の猛攻に、幻達はかなりの苦戦を強いられていた。



エルドラド「おぅわッ!!?」


アルカディア「うわぁッ!!?」


幻「エルドラド!」


音廻「アルカディア!」


竜兵器「敵ノ戦力ノ減少ヲ確認。戦力ヲ再分析シマス」


幻「姉さん早くしてよ! これ以上は無理だって!!」


叡智「それができたら苦労しないんだよ!! プロテクトが強固すぎるんだ!!」


寂滅「ていうか、あいつ私達の攻撃パターン学習してない!? 攻撃が無効化されつつあるんだけど!!」


音廻「不味いな、これは……!!」




エルドラド(……ああ、力が欲しい)


アルカディア(彼女達を守れるほどの力が、欲しい……)


―――何故、力を欲するか。


エルドラド(誰だ…?)


もう既にお前達は持っているはずだ。


アルカディア(どういう意味?)


その力は、お前達を蝕んだ。


その力は、守るべきものを傷つけた。


その力は、忌むべき力。


エルドラド(…………)


もし、心の底から力を欲するのであれば


俺がリミッターを解放してやろう。




竜兵器「戦力ノ再分析完了。武装再構築開始」


叡智「不味いあの一撃で決めるつもりだ!!」


竜兵器「武装再構築完了。双竜『アンフィスバエナ』、スタンバイ。ターゲットロック、排除ヲ開始シマス」


竜兵器から展開された双つの竜を模した武器から巨大なレーザーが放たれる!


音廻「に、逃げなきゃ!」


幻「範囲が広すぎて避けきれないって!!」



エルドラド「GM権限『フルカウンター』」



レーザーが突然現れたバリアによって跳ね返される!


幻「……エルドラド!?」


音廻「攻撃を跳ね返した!?」


アルカディア「GM権限『リライブ』」


音廻「アルカディア!?」


幻「傷が、治って……」


エルドラド「おう、お前ら大丈夫か?」


アルカディア「間に合ったみたいだ、良かった」


幻「二人とも、その姿……」


それは、かつて暴走した時の姿そのものであった。


エルドラド「さぁな、声が聞こえたと思えば、いつのまにかこうなってた」


アルカディア「おかげで、管理システムと同等の権限を振るえるようになったよ!」


音廻「……要するに、すごいってこと?」


叡智「すごいなんてレベルじゃない。あの二人が居ればハッキングなんて面倒なことはしなくて済む。竜兵器と真っ向勝負ができるぞ!」


幻「逆転キター! あのポンコツをスクラップにするぞー!」


叡智「頼りにさせてもらうぞ二人共!」


エルドラド「隊列を整えろ、反撃開始だッ!!」






エルドラド・アルカディア「GM権限『リストレイン』!」


叡智「今だ、決めろ!!」


音廻「『波動弾』ッ!」


幻「『流星群』ッ!」


二人の攻撃が竜兵器に直撃する!


竜兵器「損傷率95%、自己修復ヲ開始シマス」


叡智「なっ、そんなこともできるのか!?」


寂滅「これじゃ振り出しに戻っちゃうよ!」


竜兵器「………システムエラー、自己修復不可能」


叡智「何…?」


竜兵器「エラー発生。システムオールダウン、活動不可能、システムオールダウン、活動ヲ停止シマス」


幻「……やった、の?」


エルドラド「……完全に活動を停止したみたいだな」


アルカディア「僕たちの勝利ってわけだね」


音廻「一時はどうなるかと思ったけど、二人のおかげでなんとかなったね」


寂滅「一件落着したならここには長く留まる必要はないね。あれ、どうやって戻るの?」


叡智「身体のデータ量を元に戻せば良いんだよ。というわけで再びお薬の時間です」


音廻「あ、今度は小さいんだ」


叡智「あ、大きい方が良かった?」


幻「小さい方が飲みやすくて良いと思う」


エルドラド「あの大きさはなぁ……」


アルカディア「ね……」


叡智「そっか、それじゃあ帰ろうか」






?「……異変は無事に解決したみたいだ。まさか、はるか彼方の世界から連れてきてしまうだなんて。あいつらには悪いことをした。あんなもの、どこの世界にも存在しない方が良い。『素材から生み出された生命』だなんてものは……俺の尻拭いになっちまったけど、手を貸してやったから問題ないよな? 電脳世界を排除し、あの機械の存在を消したいところたが……今のところはそんなことをしなくても大丈夫そうだな。異世界が増えたとしても()()()が居るからな。しばらくは、見守ることにしよう」



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