仲間を救え！
音廻「幻さん、なんだか向こうが騒がしい」
幻「何があったんだろう……」
プラセンタ「しっかりしてください！」
ドラヘル「う、いたい……」
プラセンタ「今薬を……」
音廻「何がどうなってるの……？」
アビス「見ての通りだぜ」
エルドラド「ドラヘルが拠点に逃げ込んできたんだ」
音廻「そうじゃなくて、聞きたいのは……」
幻「ひどい怪我じゃん、いくらエネミー電脳体でもここまでしないよ」
ドラヘル「………ぅぅ、助かった」
幻「大丈夫？ 何があったの？」
ドラヘル「エネミー電脳体が、襲ってきたんだ……」
音廻「え？ それが普通なんじゃないの？」
アルカディア「ドラヘルは『NPC』だから襲われることはないはずなんだ」
幻「どういうこと？」
エルドラド「この世界は『プレイヤー』『NPC』『エネミー』の三勢力に分かれている。プレイヤーとエネミーは敵対するが、NPCとエネミーは敵対しないんだ。だから攻撃の巻き添えは喰らうことはあっても、プレイヤーが居なければ普通攻撃は喰らわないはずなんだ」
音廻「エネミー電脳体が、暴走している？」
幻「プロダクションシステムの件とは無関係、というわけではなさそうだね」
アルカディア「ドラヘルがここまでやられたところを見るに、だいぶステータスが強化されているみたいだ」
ドラヘル「……僕以外のオリジナル電脳体も、苦戦してた」
音廻「決まりだね、エネミー電脳体を討伐してオリジナル電脳体を助けよう」
幻「でも、場所がわからないと助けに行こうにも行けないよ」
エルドラド「まかせろ、俺達はエネミー電脳体やオリジナル電脳体がいる場所をアクセスできる権限がある。……なるほど、全部で四箇所だな」
アルカディア「うわぁ、エネミー電脳体の数がいつもの10倍はあるよ！」
幻「音廻ちゃん、ここは二手に別れよう。時間がもったいない」
音廻「そうだね、効率重視だ。くたばっちゃダメだからね！」
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ナイト「くそっ！ キリがないっての！」
ディマドリード「吠える暇があるなら敵を薙ぎ払え！！」
ゴウカ「これ本気で不味いやつじゃん！？」
ストーム「やべぇ、疲れた……」
キネシス「っ！ 後ろだ！！」
ゴウカ「ぐっ！？」
幻・アビス「シューティングスターッ！！」
ディマドリード「！！」
幻「いやー、決まった決まった。アビスの魔力と私の星の力があれば百万力だね」
アビス「なんとか間に合ったみたいだな、助けに来たぜ」
ブレイク「お前ら、よくもやってくれたな！！」
ナイト「これは、形勢逆転ってやつか！！」
ディマドリード「この場に居るエネミー電脳体を殲滅させるぞ！！」
アビス「……これで、ここらは終わったんじゃないか？」
ディマドリード「助かった。カナヘビ達も体力の限界だったから、かなり不味かったんだ」
幻「エネミー電脳体の討伐がメインクエストだからお礼なんて要らないよ。早く次の場所に行こう、アビス」
アビス「お、おう。お前らも早く拠点に戻った方が良いぜ。ここよりは安全だからな」
ディマドリード「……そうするとしましょう。カナヘビ達を休ませないと……」
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バステト「リザード様ぁ！ もう無理ですってぇぇぇ！！」
リザード「別に、やられたってすぐ復活できるでしょう」
バステト「痛みはちゃんとあるんですよ！？」
ビースト「リザード様もバステトも僕が守るから大丈夫だよ！」
リザード「……だそうですよ」
バステト「どうしてそんなに他人事なんですか！！」
リザード「どう見ても、この盤面は詰んでいますし」
バステト「だからってそんな無気力になんなくても！！」
リザード「いいえ、これでも私は祈っています。そしてその祈りは今届いたようですよ」
雪月「オラァッ！！」
鳥風「かーらーのー！！」
ビースト「ら、ライオンのお兄さんとお姉さん……」
リザード「遅かったですね」
幻「まるで私達が来ることをわかっていたような口ぶりだね」
リザード「声が聞こえていましたから」
幻「耳が良いんだね」
リザード「いえ、心の声です」
アビス「たいしたもんだな」
バステト「な、教えてくれたって良いじゃないですかリザード様！」
リザード「慌てる貴方が可愛いので」
幻「茶番はそこまでだよ。エネミー電脳体を討伐しないと……」
リザード「全て討伐できたようです。助かりました」
ビースト「僕だけだったら大変だったよー」
雪月「困った時はお互い様です。気にすることはありません」
バステト「ビースト！ 怪我はない！？」
ビースト「大丈夫だよ、心配してくれてありがとう」
リザード「では、そろそろ行きましょう」
幻「え、どこに？」
リザード「蒼虎館に決まっているじゃないですか。仲間になってほしいんでしょう？」
幻「心を読めるって恐ろしい………」
