エネミー電脳体注意報!
叡智「おーい!」
幻「あれ、姉さん達。どうしたの?」
音廻「息がすごいあがってるけど」
寂滅「た、大変なんだ。エネミー電脳体が大量発生してるんだよ! 規定値オーバーだ!」
叡智「おかげでデータ量がとんでもないことになってる、あー吐きそう」
幻「膨大なデータでこの世界がパンクするってこと?」
叡智「いや、その点は問題ない。この世界の容量は無限に等しい。そのくらいじゃ埋まったりはしない。むしろ心配なのは……」
音廻「現実世界への影響……か」
寂滅「全く予想がつかないよ、これが現実にどのような影響を及ぼすかなんて……」
幻「どうすれば解決できる?」
叡智「エネミー電脳体は『生産システム:エネミー』で作られ、ダンジョンに送られる。そこになんらかの異常が起きたんだろう」
音廻「なんらかって……何?」
叡智「直接赴かないことにはわからないって」
幻「ならとっととそのシステムのところに行くよ!」
寂滅「そのことなんだけど……あまり大人数で行かない方が良いと思うんだ。目立つし敵多いし……」
音廻「仲間の中から厳選しろってこと?」
幻「言い方に悪意を感じる」
アビス「話は聞かせてもらったぜ!」
イージス「私達も同行するわ」
エルドラド「おっと、俺達も忘れちゃ困るぜ」
幻「二人は流石にここで待ってた方が良いんじゃないの?」
アルカディア「プロダクションシステムに行くんでしょ、僕ら以上の適任は居ないと思うよ」
音廻「確かにゲームマスター以上に詳しい人は居ないか……」
白狐「あらら、幻ちゃんが行くなら私も行くわよ〜。娘を危険に晒すわけには行かないわ〜」
幻「どんどん候補が埋まっていくやんけ」
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エルドラド「ここがプロダクションシステムのエネミー生産を担うところだ」
音廻「エネミー電脳体を送る管みたいなのがいっぱいある……」
叡智「手分けして異常があるところを探そう、見つけたら教えてくれ。すぐに直す」
幻「私達は周囲の警戒をしておこう。……白狐さんわかったからもふもふやめて」
音廻「早く元に戻ると良いけど……」
寂滅「…うわぁっ!?」
アビス「どうした!?」
叡智「くっそやられた!! どこの誰だか知らないがトラップをしかけてやがる!!」
イージス「エネミー電脳体がたくさん集まってきてるわ………って何よアレ!?」
目の前に顕現したのは巨大な黒龍!
エルドラド「おそらく、このエネミー電脳体の大群の長だ! やつをやらねぇとこの大群は止まらないぞ!」
叡智「なんとか時間を稼いでくれ!! 私はトラップを解除して異常箇所を修復する!!」
叡智「これをこうして………これは……!」
寂滅「どうしたの?」
叡智「何者かによる不正アクセスを確認した。さらにはデータを書き換えてやがる、どうりでこんなにエネミー電脳体が増えたわけだ」
寂滅「まるで、この世界まるごと乗っ取ろうとしてるみたいだね」
叡智「……今後の方針が決まった。私達は不正アクセスをした奴の後を追う」
幻「犯人を直接叩くってわけか」
音廻「ここを直しただけじゃダメってこと?」
叡智「本来この場所はセキュリティレベルが高いところなんだ。だのにこんな容易く破ってさらにはデータを書き換えてトラップを仕掛けて……相手はとんでもない奴だな、確実に」
寂滅「幻達は増えたエネミー電脳体を討伐してきてほしいんだ。増えたものはどうやっても戻せないからね」
幻「うわぁ、面倒くさいな」
音廻「あまり時間は残されていないな、早めに出発しよう」
幻「現実世界に影響が起きる前に終わらせられると良いけど……」