25〜26本目の剣
君はいった
『王様なんかなりたくない
だって一回負けたら終わりなんて嫌でしょ?』
彼女はこうもいった
『どうせ負けるなら一度しか
負けられない戦いにしたい』
貴女はこの矛盾をはらんで生きているのだろう
だから貴女は"愛される"のだ
ここは元村があった雑木林。
「いやー。ついさっきまでここに村があったなんて・・・おどろきですね。」
女が感心するように口をひらく。
女の後から子供がついてくる。
「まあ。とうぜん?聖剣を貶めたんだから。」
子供が年相応とはいえないしゃべりをする。
「聖剣でも名剣でもよべばいいのにね?魔をつけるなってことですよね。あっこれ日記ですよ。たまにいるんですよね聖剣の裁きに耐えるやつが。」
女が手記を拾い上げる。途端に崩れさる。
「・・・裁きに残ったとしてもこの程度。大人しく世論に従っておけば。」
子供の足元に人形が落ちている。
「どうやらここは子供部屋らしいっすね。かわいそうに。南無南無。」
子供が人形の腹を剣でつく。
ズシャア
つついた先から砂に帰っていく。
「モドリッド卿。むやみにその剣を抜いちゃあいけません。母上に怒られるのはわたしっすよ。」
モドリッドと呼ばれた子供が剣をしまう。
「大丈夫。ここにいるはずのない人間だから。我々を見てもすぐには気付かない。」
『アーサー王の直感を侮ってはいけない。』
女が声を低くしていう。
「まあいくらアーサーといえど神隠しがあった村のことなんて察知できねっす。できたらそれは‘’バケモノ‘’ですよね。」
女が歩き始める。
「我らが親はバケモノだ。」
子供がそんな皮肉じみた事を呟くと女は苦笑して村だった場所を後にした。
王になる資格。
生まれ持った才。
ならば息子はどうだろうか?
25本目〜26本目の剣閑話休題読了。
Thi・26本目の剣を始めますよろしいですか?