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捏造の王国

捏造の王国 その63  ニホンの夜明けは遠すぎる…不正、汚職を見逃す国家に明日はあるのか!

作者: 天城冴

クリスマスだの年末年始の賑わいも今一つなニホン国。せめてものクリスマス気分をとグリューワインを入れるキジダダ総理のもとに、不都合な真実を言いまくる地獄の書記官が…

一年で日照時間が最も短いとされる冬至の日のニホン国。いつもならクリスマスだの正月だのに浮かれまくるニホン国民だったが、今年度は新型肺炎ウイルスの新しい変異株の脅威に加え、各種値上げに大寒波到来の気象予報に怯えがち。イルミネーションだけが妙に明るいのは、ここ官邸でも同様であった。

「ああ、な、なんとか国会も終わる。そうすればクリスマスからの年末年始の行事に国民もいろいろ忘れてくれるはず」

と、ほっと息するキジダダ総理。

「ふ、グリューワインのこの香り、各種のハーブが程よく交じり合い、心身ともに温めてくれる…」

“あ、クリスマスマーケットで売られているってアレですね。いあ、向こうの神様も一神教、偶像崇拝ダメとか言いつつ、信者増やすために大変ですね。サンタさんに天使さんに、ソーセージにパンに、ワインまで売りまくり、商魂たくましいというか。でも、そもそもイエスさんの誕生日は7月ぐらいで、冬至まつりにかこつけたって説もありますがあ”

と、チャチャをいれるのは地獄の書記官。ニホン国民の地獄行きを減らすため、今日も今日とてニホン国現職総理に張り付き、ワインを入れたカップより現れ出て忠告をしている。キリスト教会がきいたら余計なことを言うなと真っ青になるところだが、彼の所属は地獄であり閻魔大王の部下であるので、不都合な真実を言いたい放題である。

「に、二千年以上の前の聖人の誕生日が本当はいつかなんて、どうでもいいじゃないか。み、みんなそれなりに納得しているんだし」

“ま、その程度なら、いいかもしれませんけどね。国民総生産とか、国の指針をきめるような統計データをいじるっていうのは、度が過ぎますよねえ、例の国交省の統計不正。あれはヒドイですね、それでとるべき政策を大間違いしたわけで。そのせいで貧困他になって過ち犯した人が続出、地獄行きの人が増えちゃったじゃないですか、現世でもあの世でも大迷惑ですよ”

「あ、あれはミンミン党がー」

“あのう、ミンミン党さんがやったのは、実態に合わなくなった母集団の推計を修正しただけですよねえ。つまり、やらなければならないことで、アベノさんときにやったのは、はっきりいって捏造、誤魔化し、大嘘でしょ。元のデータそのものの数字を書き換えちゃったんだから。確か月別を一つにまとめちゃったって。私どもの仕事で亡者の罪をまとめちゃったりしたら、大騒ぎですよ。私も書記官から亡者に大転落しかねませんねえ”

「いや、その、それは都合の悪い数字がでると…」

“数字のほうに実態をあわせるっていうのは虚構で、そういうことやった国家は崩壊するって、イスラエルの歴史学者さんが書いてましたよ。今はもうないソ連とか、中国のだいぶ前の人たちもやってたそうですけど。あ、ニホンも戦時中いや戦前からか、やってましたよね。例の大本営発表”

「そ、そんな昔の、いや私は聞いてない、聞こえてない」

“あ、それって皆さんのお爺さんぐらいの話ですよね。アベノさんとかまさにお爺さんたちがさんざやらかしてましたよね。当時はニホン国発表の死者数と実際の死者数がまるで違うんで、地獄にきた亡者たちが大騒ぎ。なんで、こんなーとか言うんで諭すのに一苦労でした。向こうの神さんとこでもいろいろあったらしいですが、ニホン国ほどヒドイ誤魔化しは珍しいって同情されちゃいました”

異教徒ならぬ異教神というか仏が慰めあってどうすると一瞬思うキジダダ総理だが、そんなことを言ったら、書記官のセリフをすべて聞いていることがまるわかり。ガース前総理のようにアレな人と見られるのが嫌で、必死に聞こえてないフリをする。それをしってか、しらずか、しゃべり続ける地獄の書記官。

“しかも不正に加担した人は、皆出世なんてすごいですよね。ホント、政権ぐるみの不正って言われても仕方ないですねえ。ま、不正を告発した議員さんを追い出して、不正をやった方の議員を擁護するジコウ党ニインガタ県連とか、あきらかに賄賂といえるような”桜を愛でる会“のアベノさんとこの領収書だの、マルチ商法他法を犯すような面々を招待するアベノさんたちだから当然というか。冒険映画の不正賄賂悪役国家そのものみたいですね”

「そ、そんなことはない、ないったらない。いや、聞こえない。我が国は無事、年末年始を迎えて、よいお年になるんだ」

“あ、聞こえないふりですか。聞こえてなくても、新型肺炎ウイルスの変異株は蔓延してますよ。米軍にしっかり注意してくれって言わなかったせいで、オキナワン県はすでに変異株蔓延の危機。米軍に忖度してもウイルスは忖度してくれないって、何度言われればわかるんですかね。命に係わる国産ワクチン開発でさえ、メイジの党のヨジムラさんとアベノさんが利権がらみで失敗したとこに公金をつぎこんだとか、役にたたないどころか巨大金食い虫のアベノノマスクがまた税金を蝕むとか、そういう不都合な真実がなくなるわけではないですよ。そんなことだと、冬至をすぎても明るい夜明けはきませんよ”

「ぜ、前任者のやったことなんだー」

“それをきちんとたださないとダメですよね、キジダダさん、あなた総理なんですから。アベノさんがやらかしすぎてやめたのに、返り咲き狙っているから距離を置いてるようですが、一つずつきちんと修正しないと同罪ですよ。ああ、同じようなことをやってるから、正せないんですか。それならそれで、イヤーなプレゼントというかお年玉をもらうかもしれませんね”

「い、いやな?炭とか」

“ヨーロッパとかでは、悪い子は炭をもらうそうですね、今は炭を模したお菓子ですけど。ニホン国はもうすぐ最強最悪寒波に見舞われるらしいですよ。太陽、すなわちお天道様とやらがまさにお隠れになるんですよ。そして年末年始の人出で感染力が激強い新型肺炎ウイルスの変異株が蔓延したら、どうなるんでしょうね。再びの緊急事態宣言に、大値上げラッシュ。原油価格の値下がりは間に合うんでしょうかね。原発銀座のフクイイ県の方々は氷河期並みの降雪だそうですが、首都だの、オーサカが大降雪になったらどうなるんでしょうね。それにオーサカはもう、変異株が広がりつつあるそうで、それでオーサカ特有の変異株とかできちゃったら、超マズイですね。万博とかカジノ誘致どころじゃないですよね、カジノはそもそも誘致場所が地盤弱すぎで、かなりの公金をつぎこんで整備しなきゃならなくなりそうでマツイダ市長は青くなってるらしいですけど。無知というか、あの人もいい数字が欲しいみたいなこといって、部下のいじくった数字みて騙されちゃったんですかねえ、それなら自業自得ですけど”

「オーサカのメイジの奴らなんて、どうでもいいんだ。しゅ、首都が大寒波で電力が止まったりしたら、どうなるんだ。変異株への医療施設の対応や、年始の参拝客の安全や、いやそもそも我々ジコウ党だって忘年会、新年会」

“だから、各種金集めの宴会はやめて、まずは、国民に注意喚起をよびかけ、外出しなくてもいいように備えをするとか、人流を抑えるよう宣言出すとか。ほかにも国民が安心して備えられるように、政党助成金とか文書交通費廃止して、そのお金を国民に配る、PCR検査を街中でいつでもだれでも受けられるようにする、医療従事者や介護者への賃金を爆上げにする、最低賃金1500円実現、できなきゃもらえない人に直接補助、最低控除額103万円にするとか、いろいろやれることあるでしょ。これ、情状酌量で煉獄行きとか天国もしくは転生になった亡者さんたちからの受け売りなんですけどね”

「そ、そんなことをしたら、総理の座を追われるかも…。いや、き、聞こえてない。私が聞いているのは憲法改正を望む声」

“ほとんどの人がそんなこと望んでないですって。ほんと聞き分けのない人たちですね。冬至からの最強寒波ぐらいじゃダメなんですか。それに加えナンカイトラフ大地震とか、フジサン大噴火とか加えないと目が覚めないんですか。大災害連発だと心を入れ替える間もなく地獄行きになる人が多数でるんで、なるべくやりたくないんですけど”

「うう、せ、せめて年末年始は心安らかにしたい。こ、このワインを飲んでクリスマス気分をー」

“そのまえに冬至のゆず湯にでも浸かって、よーく考えていただきたいものですね。あなたといい、アベノさんといい、ガースさんといい、私たちの仕事を増やさないでくださいよ。オイタがすぎると、トンデモなお年玉をあげなきゃならなくなりますよ”

と、あきれ果てる地獄の書記官の声を無視し、グリューワインをがぶ飲みするキジダダ総理であった。


明治の文豪はニホンの夜明けがどうのこうのといったそうですが、さて、どのようになったら明けたことになるんでしょうか。少なくともトンデモな虚構にあわせてデータをゆがめ、他人のせいにミスリードし、不正をする人間を優遇し正そうとする人を攻撃し貶める政府やらマスコミが幅を利かせる国では、まだまだだと思うのですが。

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