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プロローグ
「わしは…もう直死ぬ…」
「…そんなことはございません、ハーゲン様はこれからも世界を収めるべき存在でございます」
年老いた老人はベッドに横になっており、咳ばらいをしながら話しをする。
その隣を若い魔族の者が膝をついて話す。
「わしには…もう魔力は無い…そんなわしに最後まで付いてきてくれたお前にだからこそ…頼みたいことがある…」
「はっ!なんなりとお申し付けください!」
「わしの娘…マリナを…よろしく…頼む…
あいつを…一人前の魔王…に…」
そう言い残すとハーゲンは息を引き取る。
「ぐっ!!ハーゲン…様…そのお言葉…私の命をもって成し遂げて見せます…!」
拳を握りしめ且つ唇を噛みしめそう呟くと、魔王第一側近のグリゲルトは部屋を後にする。
向かう先は魔王の娘がいる部屋。この城で一番警備が厳しい場所として有名…。