第55話 穢れの花々
原作 上海アリス幻樂団
改変、独自設定その他諸々 小湊拓也
「まっ……ずぅううううううい……」
カナ・アナベラルが、泣きじゃくっている。
ズタズタに裂けていた霊気質の身体が、見えざる手によって縫合されてゆくかの如く繋がり、再生回復を遂げていた。
「まずいよぉおお……」
「ふふん、不味かろう」
美鈴が笑う。
「死にかけた身体が嫌でも目覚める不味さ。生きてる、って感じがするだろ」
「……私……騒霊なんだけど……」
紅美鈴に抱き起こされながら、カナが呻く。
霊体にも、効果を示す。やはり、凄まじい薬ではあった。
魂魄妖夢は、腰に結わえた小袋を片手で触り、中身を確認した。
小瓶が、1つ。
自分の命が残り2つ、という事か。
太陽の畑、である。
上空では、激烈な弾幕戦が繰り広げられている。
その弾幕戦で妖夢も美鈴も、藤原妹紅に撃ち落とされたところであった。
その藤原妹紅は、炎の翼で大気を打ち、炎の尾羽を揺らめかせて、北白河ちゆりに挑みかかっていた。
植物の塊が何体か、妹紅の飛翔を阻みに出た。空中に立ち塞がり、片手を振るう。
蔓草と根と荊で出来た鞭が、何本も伸びて妹紅を襲った。
伸びて来たものを妹紅は全て、炎の翼で打ち払った。植物の鞭が、ことごとく焦げてちぎれた。
その間、ちゆりが何かをしたようである。魔力・呪力の発動か、あるいは小さな道具の操作か。
光の線条が、何本も生じて宙を切り裂き、妹紅を直撃した。
いや。妹紅は、炎の翼で全身を覆い包み、防御をしていた。
その防御が、砕け散る。炎の翼が、火の粉に変わる。
火の粉を撒き散らしながら妹紅はよろめき、空中で踏みとどまり、失った翼の代わりのように右手を振るった。
火の粉が、全て火球に変わり、螺旋状に渦巻いて飛翔し、ちゆりを襲う。
ちゆりが軽やかに空中で跳躍し、植物の塊たちの後方へ逃れた。
植物の塊が1体、火球の螺旋の直撃を喰らい、燃え上がりながら爆散した。綺麗な灰が、粉雪のように舞った。
「……藤原の奴、やっと目が覚めたか」
美鈴が、空になった小瓶を放り捨てる。
「よし、私らも行くぞ」
「こらこら」
何者かが、美鈴を咎めた。
「ポイ捨てをしてはいけない。幽香に殺されるから、本当に」
「お前……雇われ妖怪のルーミアじゃないか。何だ、こんな所にいたのか」
白黒の洋服に赤いリボンの似合う、小さな少女。その可憐な姿の内側には、闇が詰まっている。妖夢も思い出した。
「むむ……人間か妖怪か幽霊か、よくわからない奴。お前もいたのかー。いつぞやは随分な目に遭わせてくれて、ありがとう」
「再戦ならば受けて立つ、と言いたいが……そんな場合では、なさそうだな」
妖夢は見上げた。
植物の塊たちが、妹紅を避けるように降下して来る。
人型に固まった、無数の植物。
そんな姿の怪物たちが、全身各所に咲いた花から弾幕を噴射する。
花粉のような光弾の豪雨が、美鈴を、カナを、ルーミアを、妖夢を襲う。
「ふん……私らの方が、藤原1人より与し易いってか」
美鈴が、ルーミアを背後に庇いながら、虹色の光をばら撒いた。色とりどりの光弾の嵐が、防護の形に渦を巻く。
花粉の弾幕と防護の弾幕が、ぶつかり合って砕け散る。
光の破片が煌めき吹き荒れる中、妖夢は踏み込んで楼観・白楼の二刀を一閃させた。
蔓草と根と荊の鞭が無数、襲いかかってきたところである。
二刀の斬撃が、植物の鞭を片っ端から切り払う。
切り払われた数の何倍もの鞭が、様々な方向から伸び群がって来る。
それらが、ことごとく砕けちぎれた。
「魂魄妖夢! 貴女一体、何をやっているの!」
兎が1匹、妖夢の傍に着地した。そう見えた。敏捷な兎。片手で拳銃を形作り、繊細な指先から鋭利な光弾を速射している。
「こんな所で戦う理由、貴女にはないはずよ。月へ行きたいのでしょう? あの掘っ建て小屋みたいなロケットが完成するまで、大人しくしていればいいじゃないの!」
その射撃が、植物の鞭をさらに3本、5本と撃ち砕いてゆく。
援護を受ける形に、妖夢は踏み込んだ。
「相変わらず……凄まじい腕だな、鈴仙・優曇華院・イナバ」
鞭を再生させている最中の怪物を1体、双刀で叩き斬る。
楼観剣・白楼剣が、植物の塊に十文字の裂け目をザックリと刻み込んだ。
その十文字を、鈴仙が睨み据える。両の瞳が、赤く発光する。
真紅の眼光が迸り、十文字の裂傷に激しく突き刺さった。
植物の塊が、赤い極太の光に内部を灼かれて爆散した。
いや、辛うじてまだ人型の原形はとどめている。灼けちぎれた植物が、再生してゆく。
「くっ……これでも斃せないなんて……」
「当たり前だよ。こいつらは、花の幽香の分身だぞー」
ルーミアが、光弾とレーザーを放つ。
そこへ、さらなる光弾の嵐が加わった。
「久しぶりだね宵闇の。力を貸すよっ」
「おお、夜雀のミスティアと蟲のリグル」
「ねえ鈴仙隊長。貴女にだって、こんな所へわざわざ来る理由はないはずよ?」
ルーミア、それにミスティア・ローレライとリグル・ナイトバグ。
妖怪の少女3名の弾幕が、再生途上の植物を完全に粉砕していた。飛散した葉や蔓草や花々の破片が、枯れて砕けて消滅する。
ようやく、1体を斃した。
その間、他の怪物たちが構わず花粉を放射し、鞭を叩き付けて来る。
無数の小鳥が、妖夢たちを取り巻いて飛翔した。
吹き荒れる花粉の弾幕が、消えてゆく。光弾が、小鳥たちに啄まれていた。
その間、妖夢の双剣が、美鈴の手刀が、リグルの蹴りが、植物の鞭をことごとく切断する。
鈴仙が光弾を速射し、ルーミアとミスティアが援護射撃を行う。
植物の塊が1体、その3名の弾幕に削り取られてゆくが、じわじわと再生してもいる。
小鳥たちが、妖夢の傍らに集結し、1人の少女の姿を取り戻す。
「ねえ剣士さん、貴女は……」
カナ・アナベラルの言葉に合わせ、いくつもの白色光球が出現し、渦を巻いた。
「鳥籠に、戻ろうとしているの? 今が、鳥籠を飛び出す一番のチャンスなのに」
螺旋状に渦巻く白色大型光弾たちが、再生中の怪物を打ち砕いた。植物の破片が飛散し、枯れ崩れる。
植物の塊は、まだ大量にいる。なのに妖夢は硬直していた。
何本もの植物の鞭が、そこへ襲いかかる。
カナが光弾をばら撒き、それら鞭を全て粉砕した。
「だけど貴女は、鳥籠の中にいた方が……綺麗なお歌を、歌ってくれるかもね。うふふ、いつか聴かせてもらうわ」
妖夢は、認めるしかなかった。
自分は、西行寺幽々子という名の鳥籠を渇望しているのだ。
空中に佇む風見幽香の全身に、植物の鞭が無数、絡み付いてゆく。
何体もの怪物たちが振るう、根と蔓草と荊の鞭。
幽香のたおやかな細腕を、すらりと伸びた美脚を、絡め取る。凹凸のくっきりとした胴体に巻き付いて衣服を引き裂く。
「あら……」
などと呟いている間に幽香は、植物に侵蝕されていた。
その美貌を突き破って生えた芽が、花を咲かせる。
白い肌が破裂し、大量の草葉が溢れ出す。
風見幽香の内臓は、全て植物。霧雨魔理沙には、そう見えた。
それら植物が、膨張し、咲き乱れる。
幽香は、花と草葉の巨大な塊と化していた。先程は、魔理沙たちがそうなりかけた。
今も、気を抜けばそうなる。
植物の鞭が大量に伸びて飛び交い、魔理沙を襲う。
魔法の箒を操縦し、魔理沙は全てを辛うじて回避した。
「こいつら……ッ!」
飛翔する箒の長柄にしがみついたまま、魔理沙は眼前に八卦炉を浮かべた。ちろちろと炎を発する小型八卦炉。
その小さな炎が、爆炎に変わった。
轟音を伴う爆炎の閃光が、八卦炉から迸って空全体を灼く。
植物の塊たちが、閃光の中で焦げ砕けてゆく。
いや、原形はとどめている。
灰を撒き散らせながら、怪物たちの原形が、植物を再生させてゆく。
蔓草と根と荊で出来た鞭も再生し、様々な方向から魔理沙を強襲した。
斬撃。
植物の鞭が全て、魔理沙の周囲で切断されていた。
何体もの人形が、魔理沙を取り巻いて浮遊しながら、剣を振るったところである。
アリス・マーガトロイドが、声をかけてくる。
「魔理沙、大丈夫?」
「大丈夫……いや、そうでもないぜ」
魔理沙は苦笑した。
「……マスタースパークの効かない連中に、こう立て続けに出て来られたんじゃな。それより成子」
同じくアリスの人形たちに護衛されている矢田寺成美に、魔理沙は声を投げた。
巨大な植物の塊と化した、風見幽香に親指を向けながら。
「……あいつを、助けてやれないか?」
「必要ないと思うわ。まあ見てなさい」
荊と根と蔓草の鞭が、何本も伸びている。幽香と、彼女の分身たちを繋いでいる。
分身たちが、本体である牝妖怪の肉体を、植物に作り変えている。悪しき力を、流し込む事によって。
いや違う、と魔理沙は気付いた。
怪物たちが、幽香に向かって鞭を伸ばしたまま、萎れてゆく。枯れてゆく。凄まじい再生能力を備えた植物が、ボロボロと崩壊してゆく。
力を、流し込んでいるのではない。吸収されているのだ。
やがて幽香の周囲で、分身たちは跡形もなく崩れ消滅した。
一際、巨大な植物の塊と化したままの幽香が、空中に残された。そして、さらに色とりどりの花々を咲かせてゆく。
咲き誇る花々が、一斉に散った。
散ったのは、無数の光弾だった。
太陽の畑の上空に、弾幕の花が咲いていた。
巨大な植物の塊が、生命力を放出している。魔理沙には、そう見えた。
花開くような弾幕が、まだ大量にいる植物の塊たちを、ことごとく粉砕してゆく。
マスタースパークに灼かれても再生してくる怪物たちが、完全に砕け散り消滅していた。
「……弾幕1回分の力には、なったわね。ふふ、ごちそうさま」
生命力を放出し尽くした植物たちが、枯れ果てて剥離する。
その下から、獰猛なほどに生命力を漲らせた白い肌が、瑞々しく露わになった。
果実が生るように胸が揺れ、枯れた草葉を弾き散らす。
「粗製濫造品にしては、なかなかのもの。誉めてあげるわよ、岡崎教授」
若木を思わせる胴のくびれと、美しい腹筋の線。
白桃のような尻、形良く膨らみ締まった左右の太股。
目映い裸身を撫でるように、植物の枯れ果てた残骸が滑り落ちてゆく。
「けれど……まさか、これで私を斃せるなんて、思っていないわよね?」
風見幽香の裸身には、いつの間にか衣服がまとわり付いていた。白いシャツに、チェック柄のベストとスカート。
開いた日傘をくるりと弄びながら、幽香は見上げる。
2人、そこにいた。
魔理沙よりも、いくらか年上に見える若い娘が2人。
片方は、赤かった。
赤い髪、赤い服、赤色のマント。苺、を思わせる少女である。
『これで貴様を斃せれば僥倖、とは思っていたさ』
声が遠い、と魔理沙は感じた。この2人は、ここにはいない。
幻影。とてつもなく遠いどこかから、この空に投影されている。
「教授!」
風見幽香の粗製濫造品、とも言うべき怪物たちを盾にして藤原妹紅の炎をかわしながら、北白河ちゆりが叫ぶ。
「すいません、こいつら! 思いのほか手強いっす!」
『弱いわけがないだろう……なあ、霧雨魔理沙』
教授と呼ばれた赤い少女が、ちらりと視線を向けてくる。
初対面、のはずである。いや、実はどこかで会っているのか。
そんな事は、しかし魔理沙は、どうでも良くなった。
もう1人の、幻影の少女。光の繭を、愛おしげに抱いている。
魔理沙が声を発する前に、妹紅が叫んだ。
「綿月豊姫!」
植物の塊が1体、至近距離から炎の弾幕を叩き込まれ、灰に変わった。
マスタースパークで広範囲を灼き払うよりも、1体1体に火力を集中させる。この怪物たちを斃すには、それしかない。
自分には、風見幽香や藤原妹紅のような戦い方は出来ないのだ。
魔理沙は、魔法の箒を駆った。
幽香の分身はまだまだ大量にいて、花粉の光弾を放ち、植物の鞭を伸ばして来る。
それらが魔理沙を襲い、だが直撃する事なく、弾幕に薙ぎ払われて砕け散る。
赤い弾幕だった。
赤い、巨大な光弾が3つ。小さな光弾を大量に散布しながら浮遊飛翔し、魔理沙を護衛している。
「私に出来るのは、この程度……」
成美が、合掌をしている。
「後は……貴女たちで、どうにか出来る? 魔理沙にアリス」
「……任せろ!」
魔理沙は箒を旋回させ、片腕を伸ばし、アリスを抱きさらった。
「な、何をするのよ! いきなり」
「力を貸してくれ、アリス。私1人じゃ、こいつらを1匹も斃せない」
「……私1人でも、ね」
アリスは、魔理沙の後ろで箒に腰掛けた。
魔理沙の前方に、上海人形が浮かんだ。
1本の箒に騎乗した魔女2人の魔力が、1つの人形に集中する。
そして、放たれた。
超圧縮された2人分の魔力が、光の束となって上海人形の両手から迸り、怪物の1体を直撃する。
植物の塊が、穿たれ、ちぎれ、爆散した。
『ふむ……さすが、侮れないわね。地上の弾幕使いたち』
幻影の綿月豊姫が、ようやく声を発した。
『貴女たちの誰か1人が来るだけで……月の都は、ひとたまりもないわ』
「……だから私らを滅ぼす、か。わかりやすい話じゃあるがな」
魔理沙は言った。
一方的に幻像を投影しているわけではなく、こちらの言葉も拾っているようである。会話は、出来る。
『ええ、幻想郷は滅ぼすわよ。穢れた土壌が、恐ろしく危険な有毒植物を育ててしまう』
豊姫の視線が、幽香に向けられる。
『……微量で、月の都を滅ぼす毒よ。貴女たちに、その意思があるかどうかは無関係。そんな毒が宇宙に存在する、それ自体が私たちにとって、あってはならない事』
「……意思なら、あるわよ」
幽香が言った。
「月の都は私が滅ぼす。今、決めたわ」
『……ほざくな化け物。貴様は、私が滅ぼす』
教授と呼ばれた赤い少女。幽香とは、いくらか因縁があるようだ。
『今そこにいる粗製濫造品どもは実験でしかない。風見幽香、貴様の屍を材料に……もっと凄まじい力を作り上げる。そうしなければ斃せない敵がいるのでな』
「私の……次を、見据えているとでも?」
幽香の笑顔が、剣呑な翳りを帯びる。
「ねえ岡崎教授……ここにまだ、私がいるのよ」
『……貴様は確かに、とんでもない化け物ではあるがな。まだ辛うじて、姿の見えるところにいる』
岡崎教授。
この赤い少女を、自分は確かに知っている。
根拠もなく魔理沙は、そう思った。
『姿の見えない敵がいるのだ。そやつは……この可能性空間移動船の力をもってしても、まるで全容が把握出来ない』
可能性空間移動船。夢幻遺跡。
知っている、と魔理沙は思った。
「負けたのね」
アリスが言った。
「貴女たち、その誰かに……負けたのね」
『勝てない……幻想郷という、後顧の憂いを抱えたままでは』
言いつつ豊姫が、光の繭を抱き締める。
『後顧の憂いは、永遠亭だけだと思っていた……違ったのね。私、自分の身体で思い知ったわ。幻想郷の穢れは、彼女と同質』
彼女。
それが豊姫の言う『姿の見えない敵』なのであろう。
『貴女たちは……彼女と、同調してしまいかねない』
「だから私たちを滅ぼすか。それなら、お前自身で来い。そいつを抱えたまま」
妹紅が言う。幽香の分身を1体、燃え盛る飛び蹴りで爆砕しながら。
「……輝夜は、返してもらう」
『八意様がお造りになられた、戦闘用蓬莱人……順調に、その資質を開花させているようね。血まみれの、穢らわしい花』
妹紅は、褒め言葉だと言うであろう。
『私の輝夜を……一番、穢してくれたのは貴女ね。生かしては、おかない』
「嬉しい事、言ってくれるじゃないか」
『永遠の生を、死で穢し続けてきた……この宇宙で、2番目におぞましい生命体』
空中に、またしても大量の花が咲いた。
植物の塊。
ようやく若干は数が減ってきたか、と思われた怪物たちが、新たに無数、出現していた。
可能性空間移動船から、幻想郷へと送り込まれている。
『おぞましい花を咲かせる、穢れた土壌を……まずは、滅ぼす』
粗製濫造された風見幽香、とも言うべき怪物たちが、豊姫の言葉に合わせて一斉に動く。
それよりも一瞬早く、何者かが動いた。魔理沙は、そう感じた。
斬撃の光が、一閃していた。太陽の畑の上空と地上、全域でだ。
魂魄妖夢、ではない。彼女も、この有り様を呆然と見つめている。
あちこちで、空間が裂けていた。
その裂け目から、無数の切っ先が出現し、幽香の分身体を全て切り刻んだところである。
寸断された植物の破片が、炎に包まれ、焦げ崩れた。
妹紅の炎、ではない。彼女は、息を呑んでいる。
灰が、粉雪の如く舞い漂った。
太陽の畑の空が、すっきりと綺麗になっていた。
植物の怪物たちが、再生の暇もなく殲滅されたのだ。
ただ一閃の、斬撃によって。
『祇園様の刃……愛宕様の火……』
豊姫が、呟く。
『……穢れの大地で……おぞましい花として、咲き直してしまったのね……』
「おぞましくとも構わん。貴様のやりようを、美しさと呼ぶのであればな」
空中に突き刺した剣を引き抜き、構え直しながら、その少女は言い放った。
「そう……まず最初に私が貴様を叩き斬っておけば、このような事にはならなかったのだ」