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異説・東方永夜抄  作者: 小湊拓也
53/90

第53話 夢消失

原作 上海アリス幻樂団


改変、独自設定その他諸々 小湊拓也

「ねえ妹紅……貴女、あの上白沢先生と」

 蓬莱山輝夜が、ぽつりと言った。

「……随分、仲がいいのよね?」

「ああ。だからさ、お前にも慧音とは仲良くして欲しいんだ」

 藤原妹紅は微笑み、輝夜の黒髪をそっと撫でた。

 自分の髪は、白い。輝夜とは、残酷なまでに鮮烈な対照をなしている。

 美しい銀色だ、などと上白沢慧音は言ってくれる。気を遣ってくれる。

 自分など、白髪の老婆でもおかしくはないのだ、と妹紅は思っている。

 肉体は小娘のまま、心だけが老いぼれてゆく。それが、髪の色に表れている。

「みんなで仲良く暮らそう。幻想郷って、そういう所だろ?」

「そうね……誰とでも、分け隔てなく仲良く出来たら……本当に、いいわよね」

 言いつつ輝夜が、どこを見つめているのか。

 自分と輝夜が今、どこにいるのか。

 妹紅は、わからなくなっていた。

 迷いの竹林、のようでもある。永遠亭に上がり込んでいる、ようでもある。

 いや、輝夜と2人で人里を歩いているのか。

 2人で空を飛び、幻想郷の様々な場所を見下ろしているのか。

 どこでも良い、と妹紅は思う事にした。ここが幻想郷であろうが、外の世界であろうが、天国や地獄であろうが。

 どこであろうと、自分と蓬莱山輝夜は共に在る。永遠に、在り続けるのだ。

「……私と貴女は、ずっと一緒よ妹紅」

 言わずもがなの事を、輝夜は言った。

「私の方が……上白沢先生よりも、ずっと昔から貴女の近くにいたのよ……」

「おいおい、やきもちか?」

 妹紅は笑った。

 輝夜は笑っていない。真顔で、じっと見つめてくる。

 笑ってはならない事なのだ、と妹紅は気付いた。

「……ごめん。慧音も、私にとっては大切な存在なんだ。本当に……ごめん」

 謝ってもならない事なのだ、と妹紅は思った。

「……私の方こそ、つまらない事を言ったわ」

 輝夜が、視線を外した。

 見渡している。この、迷いの竹林か人里か、幻想郷か外の世界か、天国なのか地獄なのか、よくわからぬ空間を。

「これが……貴女の、歴史なのね」

 まるで慧音のような事を、輝夜は言い始めた。

「貴女だけの歴史、貴女にとって都合の良い歴史……貴女は、どこでもいいのね。大切な誰かが、傍らに居てくれさえすれば」

「うん? まあ確かに、お前や慧音が居てくれるなら私はどこだっていい。迷いの竹林だろうが人里だろうが、幻想郷だろうが、外の世界だろうが。天国だろうが地獄だろうが」

 話を聞いてやろう、と妹紅は思った。誰にだって、何やら語ってみたくなる時はある。

「……私も、引きこもっていたわ。私の歴史、私だけが幸せな歴史に」

「幸せなら良かったじゃないか。誰かに迷惑、かけたわけじゃないんだろ?」

「迷惑を被ったのは私の方よ。幸せな場所から無理矢理、引きずり出されて」

 迷惑と言いつつ、輝夜は微笑んでいる。

「ねえ。貴女は……誰?」

「何だ。今更、名乗りを上げろって言うのか? よしよし何度だって聞かせてやるぞ、私は藤原妹紅! お前を焼き尽くす者だ」

「貴女は、私よりずっと強いわね。藤原妹紅」

 輝夜は言った。

「私は……自分の名前すら、忘れていたわ。私だけの歴史に、閉じこもっている間」

「お前は輝夜だろう? 蓬莱山輝夜」

「違うわ」

 輝夜が、じっと見つめてくる。

「私は……アリス・マーガトロイドよ」



 カナ・アナベラルが、スターダストミサイルの直撃を受けて砕け散った。

 飛び散った破片は、全て小鳥だった。

 小鳥たちが空中を舞い、ぱたぱたと集合し、融合して少女の姿を取り戻す。

 カナは微笑み、霧雨魔理沙は息を呑んでいる。

「くそっ、何だ……お前と私、どこかで会ったか? この厄介さ、覚えがあるような……」

「忘れちゃったなら、思い出してくれなくてもいいわ」

 無数の光弾を、カナは楽しげに放射している。

「新しく覚えてもらうから。初めまして! 私、カナ・アナベラルよ」

 その弾幕を、魔理沙がかわす。魔法の箒で、空中あちこちを逃げ回る。

 太陽の畑、上空である。

 2つの弾幕戦が、繰り広げられていた。ひとつは、カナと魔理沙。

 もうひとつは、凄まじい斬撃を伴う弾幕戦であった。

 上白沢慧音の放つ光弾の嵐が、燃え盛る2つの斬撃によって、ことごとく斬り砕かれる。

 楼観剣と、白楼剣。

 二刀が、炎のような憎悪の揺らめきを帯びたまま一閃を繰り返し、慧音の弾幕を粉砕し続けていた。

 防御の二刀流を披露しながら、魂魄妖夢は叫んだ。吼えた。憤怒の咆哮。

 それに応じて、半霊が同じく怒りと憎しみの炎を燃やす。

 その炎が、噴出し発射された。憤怒と憎悪の光弾、あるいは火球。

 立て続けに放たれたそれらを、慧音が逃げるようにかわす。妖夢が空中を蹴って踏み込み、追う。

 妖夢が何故、そこまで怒り狂っているのか。おぼろげに、ながらアリスにはわかる。

 慧音によって妖夢もまた、歴史の中に閉じ込められるところであったのだ。妖夢だけの、妖夢にとってのみ心地良い歴史の中に。

 だが妖夢の中には、もっと強固な歴史があった。

「藤原妹紅……貴女に、それはないの?」

 呆然としている妺紅の顔を、アリスは正面から見つめた。

「私には……なかったわ。だから私だけの、甘い歴史に逃げ込む事が出来た。強固な歴史を作るのは、これからよ」

「人形師・神綺! 妹紅に要らぬ話を吹き込むのは、やめてもらいたいな」

 吹き荒れる妖夢の双刀をかわしながら、慧音は言った。

 彼女に請われ、寺子屋で人形劇を披露した事もある。

「妺紅は今、頑是ない子供と同じだ。貴女の人形劇には……子供たちを、洗脳する力がある。不穏な脚本で、妹紅を惑わせてはいけない」

「まずは1つ、お詫びをしておかないといけないわね。上白沢先生」

 アリスは言った。

「私の名前……神綺、ではないのよ。私は、アリス・マーガトロイド」

「自分だけの歴史を……貴女も、捨ててしまうのか」

「私の歴史は、私がこれから作っていくのよ。今からでも、そうするしかないわ」

 言葉と共に、アリスは人形の糸を操った。

 上海人形、他数体の人形たちが、アリスの頭上で盾を掲げた。

 それら盾に、光弾の雨が激突した。

 弾幕が、降り注いで来たのだ。

 いくらか危うい回避飛行をしていた魔理沙が、アリスの傍らで箒を停めた。

 盾を持つ人形たちで魔理沙を防護しながら、アリスは言う。

「苦戦しているわね、魔理沙」

「ああ……ちょっとな、やばい事になってきた。見ろよ」

 言われるまでもなく、アリスは見上げていた。

 カナが、上空から見下ろしてくる。

 彼女だけではなかった。3人、いつの間にか出現していて、正三角形にカナを取り巻いている。

「なるほど……リリカの言う通りね。凄いわ、この子の……音……」

「幽々子さんと、どっちが……って感じ。ふふ、うっふふふ……よっぽど気合い入れないと。あたしら全員、消えて無くなる」

 メルラン・プリズムリバーが、陽気に不敵に笑う。

 騒霊楽団の三姉妹に囲まれて、カナが呆然と、陶然と、している。

「貴女たち……私の、音楽を……演奏して、くれるの……?」

「貴女のため、じゃあないのよね」

 リリカ・プリズムリバーが言った。

「ルナ姉もメル姉も、こんな音を聴かされて……大人しく、してられるわけないじゃない」

「そういう事よ、カナ・アナベラル。貴女には……プリズムリバー楽団の、新曲の素材になってもらうわ」

 ルナサ・プリズムリバーが、ヴァイオリンに弓を当てる。

 メルランが、トランペットを構える。

「さあて、どんなストーリーの楽曲になるかしらねえ。籠の中の小鳥ちゃんが……籠の中で朽ち果てるお話か。それとも籠を飛び出して、野垂れ死ぬか食われるか」

 眼差しは、妹紅に向けられている。

「……見せて、もらうわよ」

「やめろ……」

 半霊の放つ光弾の直撃を受け、空中でよろめきながら、慧音が悲鳴に近い声を漏らす。

「やめてくれ……お前たちの音楽は、歴史を破壊する……」

「……いいわね、上白沢先生。貴女も今、とても良い音を鳴らしているわ。絶望の音」

 ルナサが言った。

「いずれ私が編曲してあげる……今は、この曲を聴きなさい」



 それは、音楽という形をした、悲哀そのものだった。

「……何が、そんなに悲しい?」

 藤原妹紅が、何やら不機嫌である。

 怒り狂ってくれるのならば良い、と紅美鈴は思う。腑抜けのまま、おかしな夢を見続けるより、遥かにましだ。

「私を……哀れんでいる、のか? ふざけるな、私は幸せだぞ。慧音がいるし、いつでもぶちのめせる輝夜もいる。私は今、幻想郷で一番、幸せなんだぞ」

「……鳥籠の中で、大事に飼ってもらう。幸せ、よね。確かに」

 カナ・アナベラルの言葉に合わせて、無数の小鳥が空を舞う。まるで弾幕のように。

 怒りと憎悪に燃えていた魂魄妖夢が、斬撃を中断し、その有り様を見回している。

 斬撃に追い立てられていた上白沢慧音が、妖夢に反撃する事もなく叫ぶ。

「やめろ! やめてくれ、騒霊たち……音を発する事に関して、お前たちを超える種族は宇宙に存在しない……だが、まさかプリズムリバー、それにカナ・アナベラル……お前たちの奏でる音が、これほどとは……」

「それは違うわ、慧音先生」

 カナが言った。

「ルナサ、メルラン、リリカ……確かに、この子たちの音楽は凄いわ。でもね、それと共鳴するものが……妹紅さん、貴女の中にあるからこそ」

 悲哀、だけではない。ぼんやりと、美鈴はそれに気付いた。

 プリズムリバー楽団の奏でる、悲哀。その根底には微かに、だが確かに、燃えている何かがある。

 今は、弱々しい種火でしかない。いつ消えても、おかしくない。

 消しては、ならない。美鈴は、そう思った。

 カナが言う。

「ほら……鳥籠が、壊れ始めてるよ」

「……黙れよ、輝夜」

 妹紅の声が、震えている。怒りか。

「お前……今日は、私に負けたんだから……大人しくしてろよ、な……」

「私、カナ・アナベラルよ。間違えないで。私の名前、覚えて。忘れないで」

 白い光が、カナの眼前で渦巻いた。

「そんな所に閉じ籠もっていたら、貴女だって忘れられちゃうよ? 忘れられるって……とっても、辛いよ……」

 白色の、大型光弾。

 複数のそれが、渦を巻くように旋回しながら飛翔し、妹紅を直撃する。

 血飛沫を散らし、吹っ飛んで行く妹紅を、慧音が追う。

「やめろぉーっ!」

「やめるのは、お前だよ。この似非神獣が」

 美鈴は、慧音の胸ぐらを掴んで引きずり寄せた。

「お前は今、消しちゃならない種火に、水や砂をぶっかけようとしている。させない」

「消してやる、そんなものはいくらでも消してやる! 妹紅はな、もう炎など燃やす必要はないんだ。火の鳥であってはならない! 籠の中の小鳥で、何が悪い!」

「……お前、あの時の私らにそっくりだな」

 美鈴は思い返した。

 自分もあの時、今の慧音と同じような事を言いながら、レミリア・スカーレットを叩きのめした。

 そして、叩きのめされた。

 レミリア・スカーレットは結局、博麗神社という鳥籠で大人しく飼われる小鳥ではなかったのだ。

「お前は……どうなんだ? 藤原の」

 小鳥たちの乱舞を、美鈴は見渡した。

 この鳥たちは今や、騒霊少女の生み出した幻影ではない。

 藤原妹紅の、心の現れだ。

 プリズムリバー楽団の演奏によって呼び起こされ、可視化を遂げたものだ。

 自由に飛び回っている、ように見えて、鳥籠を求めている。

 鳥籠を求めて飛び回りながら、空に憧れてもいる。自由で過酷な、大空を。

 悲哀そのものの静かな曲調に隠されていた、激しい何かが、燃え上がり始めていた。

 種火が、焚火に、松明に、篝火に、変わってゆく。プリズムリバー楽団の奏でる、楽曲の進行に合わせてだ。

「妹紅…………!」

 慧音の声が、上擦った。

 無数の小鳥たちに、ちらちらと炎が混ざりつつある。

 2羽、3羽、5羽。小鳥が、火の鳥に変わってゆく。

「…………ああ……ああぁ…………うぁああああ…………」

 乱舞する鳥たちの渦。その中心で、妹紅は頭を抱えている。白銀色の髪を、掻き乱している。

「……か……ぐや……かぐやぁ……」

 涙が、飛び散っていた。

「……私の……私の、せいで……輝夜ぁあ……」

「私たちと一緒に来い、妹紅」

 魔理沙が、語りかける。

「輝夜を、助けるぞ」

「……助ける……輝夜を……」

 また1羽、小鳥が火の鳥に変わった。

 悲哀を帯びたまま、激しく燃え上がる。その曲調に聴き入ったまま、アリスが呟く。

「そう……そうなのね。これは……夢を、終わらせる……夢の消失を、告げる曲……」

「……夢は終わりだ。本当は気付いてるんだろ、妹紅」

 魔理沙が言う。

 小鳥が火の鳥に変わってゆく光景を一瞬、見渡した後、妹紅の目を正面から見据える。

「輝夜を助けに行こう。私たちと一緒に」

「……やめろ…………」

 慧音が、青ざめている。

「どこから、何から、助けようと言うのだ……妹紅、騙されてはいけない! 蓬萊山輝夜はそこにいる、お前の目の前に!」

「私は、霧雨魔理沙だぜ」

「何度でも言うわ。私は、アリス・マーガトロイドよ」

「ちなみに、お前の目の前にいるのは紅美鈴だ。わかるか偽神獣」

 美鈴は、慧音の胸ぐらを掴む手に力を込めた。

「このまま裸に剥いて、生かじりしてやろうか? 性根は腐ってても肉は美味そうだな、お前」

「下衆の下等妖怪が……」

 慧音の両眼が、間近から美鈴を見据えたまま、禍々しく燃え輝く。

「貴様にも、貴様にだけ都合の良い歴史を見せてやる! さぞ薄汚い歴史であろうが……」

 違いない、と美鈴は思った。スカーレット家に仕える者たちの中では、自分が最も汚らしい歴史の持ち主だ。

 小さな少女と病弱な魔女しか住んでいない、おかしな赤色の屋敷に、金目の物を求めて押し入り、殺されかけた。あれは何百年前の事であったか。

 吸血鬼の少女の気まぐれで、自分は生かされた。紅魔館の肉体労働者として、使われる事になった。

 その労働内容は、主に殺戮である。

 スカーレット家に低次元な嫌がらせを仕掛けてくる人間たちを、引きちぎったり叩き割ったりして、紅魔館の庭園植物を大いに肥やす。まあ難しい仕事ではなかった。

 それ以前の自分は、どこで何をしていたのか。美鈴は、思い出せないが気にした事はなかった。ひたすら人間を食い殺し、命を繋いできたのだろう。している事は大して変わっていない。

「…………貴様……!」

 慧音が、息を呑んでいる。

「紅美鈴、貴様は……貴様の、歴史は……!」

「何だ、どうした。よっぽどなものが見えたか? ええおい!」

 美鈴は、慧音の腹に膝を叩き込んだ。

 血を吐き、へし曲がった慧音の身体を、掴んで引き起こす。にやりと牙を見せ、間近から微笑みかける。

「殺して殺して殺しまくる歴史か? ほれ、こんなふうに。こんなふうに! こんなふうにッ!」

 美鈴は、ひたすら拳を叩き込んだ。

 慧音の美貌が歪み、血飛沫を散らせ続ける。

「紅美鈴、それを私によこせ」

 魂魄妖夢が、声をかけてきた。憎悪のゆらめきを帯びた切っ先を、慧音に向けている。

「腐り果てた脳髄とはらわたをなあ、大いにぶちまけてくれるぞ上白沢慧音!」

 妖夢が必要以上に大声を出している、と美鈴は思った。まるで、誰かに聞かせるかのように。

「……渡せないなあ。このなんちゃって聖獣は、私がぶち殺す!」

 美鈴も、大声を出した。

「肉もはらわたも、私が食らう! 血はお嬢様に捧げよう……と言いたいが、こんな腐れ聖獣もどきの体液を紅魔館の食卓に出したら私、咲夜さんに殺されるな。しょうがない、1滴残らず私が啜ってやるよジュルジュルってなあああああああ!」

 小鳥たちが、全て火の鳥に変わった。

 燃え盛る、鳥型の弾幕。それが妖夢を、美鈴を、猛襲・直撃する。

 あの時の炎だ、と美鈴は思った。かつて紅魔館で、美鈴を焼き払い、レミリアの弾幕とも互角に激突して見せた、4人目のヴァンパイアハンターの炎。

 血飛沫と火の粉をぶちまけながら妖夢が、太陽の畑へと墜落する。

 空中に突然、巨大な向日葵が咲いた。

 妖夢の身体が、それに激突して跳ね返り、あらぬ方向へと飛んで行く。

 自分も一瞬後には同じ目に遭うのだろう、と思いながら美鈴は見上げた。

 不死鳥の群れを従えた藤原妹紅が、そこにいた。

 血まみれの慧音を両腕で抱き上げ、空中に佇んでいる。燃え盛る炎の翼と紅蓮の尾羽を、猛々しく揺らめかせながら。

「……そう……そういう、事だよ……」

 空中に咲いた巨大な向日葵に激突しつつ、美鈴は呻き、微笑んだ。

「お前を閉じ込めておける鳥籠なんて……あるわけ、ないだろう? 藤原妹紅……」

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