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異説・東方永夜抄  作者: 小湊拓也
27/90

第27話 地上の月

原作 上海アリス幻樂団


改変、独自設定その他諸々 小湊拓也

 原形を失いかけていた蓬莱山輝夜の肉体は、蓬莱の薬を処方する事で再構成され、赤ん坊となった。

 その赤ん坊はフェムトファイバー・カプセルに閉じ込められ、地上に向かって射出された。

 追放刑の完了である。

 蓬莱の薬を服用したる者は重罪、地上へ追放。

 形骸化して久しい法律であった。

 月の都の筆頭執政官・綿月豊姫が、それをいささか強引に解釈適用し、輝夜を月から遠ざけてくれた。

 嫦娥の手から、遠ざけてくれたのだ。

 静かの海の砂浜に八意永琳は佇み、天空に浮かぶ『地上の球』を見上げていた。

 穢れの塊とも言うべき、あの天体の、一体どの辺りに輝夜は落下到着したのであろうか。

 フェムトファイバー・カプセルの中で何百年、何千年あるいは何万年、眠り続ける事になるのだろうか。

 同じく地上の球を見つめながら、綿月依姫が呟く。

「追放されるべきは本来……私、ではないのでしょうか……」

「蓬莱の薬を、貴女に処方する事になっていた。かも知れないわね、確かに」

 嫦娥は間違いなく、依姫を狙って弾幕を放った。

 輝夜が依姫を庇う、と読んでの事だ。

「私の……私のせいで、輝夜が……」

「おやめなさい依姫。貴女のその自責の思いに、嫦娥様は間違いなく、つけ込んでくるわよ」

 自責の念は、永琳にもある。

「私とした事が……あの嫦娥という怪物を読み誤っていた。これほど短期間で、月の都の全権を掌握してしまうとは」

「今の……月の都の民は、抗う事を知りません。嫦娥に、逆らえるわけがないのです……」

 月人という種族が、穢れを忌避し続けてきた結果である。

 今や月人は、自力では何も出来ない知的生命体と化しつつある。このままゆけば、いずれヒトの形をも失ってしまうだろう。

 己の身体を動かす必要のない暮らしを、月の都の民はしているのだ。

 介入を、するべきなのか。月の賢者たる、この八意永琳が。

 しかし今、月の都が、宇宙で最も平和な場所である事も事実なのである。穢れを知らず、穢れがもたらす様々な争乱を知らず、平穏に暮らす月の民に今更、穢れを教え込むのか。

 永琳は頭を振った。今、考えるべき事は他にある。

「今、私が警戒しているのは嫦娥様ではないわ。あの方の懐刀として暗躍する……月の、賢者」

「月の賢者は貴女です八意様。私は、あのような者を賢者とは認めません」

 依姫が言う。永琳は、微笑む。

「彼女には随分と、してやられたようね? だからこうして、私に会いに来たのでしょう」

「な、何をおっしゃるのですか八意様。私が、あのような者に」

「別に咎めはしません。私は貴女の上司や上役ではないのだから」

 依姫の、気丈だがどこか脆さを感じさせる美貌を、永琳はまっすぐ見据えた。

「彼女に……どんなふうに、してやられたのか。正直におっしゃい、ドレミー・スイート」

「……格が違いますね。やはり八意永琳、貴女こそが月の賢者です。稀神サグメなんて、ただの詐欺師です」

 依姫が俯き、自嘲気味に笑う。

 否。綿月依姫ではなく、獏の少女であった。

「その詐欺師に……第四槐安通路を乗っ取られてしまった私は何なのかっていうお話ですけどね。夢の世界の支配者、一世一代の不覚です」

「甘く見たわね、彼女を」

「……最初はね、久しぶりに会ってお茶でも飲もうっていうお話だったんです」

 ドレミー・スイートは言った。

「気が付いたら……第四槐安通路に、艦隊を入れられていました。私がいつ、どういうタイミングで許可を出してしまったのか、全く覚えていません。あの人の、一体どんな口車に乗ってしまったのか……」

「そこまでして確保した、第四槐安通路から……稀神サグメの艦隊が、退却したわ」

 第四槐安通路。永琳が、最も警戒していた進軍ルートである。

「一体何が起こったのか、私も貴女に会って訊いてみなければと思っていたところよ。まさか……貴女が、撃退してくれたの?」

「いくら夢の中の私でも、それは無理です。月の艦隊に勝てるわけありません……だから、助っ人を頼んだのです」

「私に声をかけてくれれば、良かったのに」

「最終的には、そうするつもりでした。ちょうど良い所に、藤原妹紅さんと伊吹萃香さんがいらっしゃったので」

「……月を砕く鬼が、いよいよ関わってきたのね」

 藤原妹紅も、戦闘用蓬莱人として順調に仕上がりつつある。

「月の軍勢に対抗するための戦力が、ようやく整いかけている。あとは……八雲紫が、どう動くか」

「八意様……地獄の女神が、動いています」

 永琳は、耳を疑った。

「サグメ様の退却も、結局はそれが原因です。私、てっきり八意様による御手配かと」

「……いくら私でも、彼女を動かす事は出来ないわ」

 永琳は嫌な予感がした。地獄の女神は今、どこにいるのか。

「ねえドレミー・スイート……まさかとは思うけど、彼女は今」

「……はい。綿月依姫様に、憑いています」

「依姫は……相当に、弱っているのね。見境なく神様を拾ってしまうほどに」

 弱っている理由は、想像がつく。

「……反旗を翻したのね? 依姫は、嫦娥様に対して。結果、敗れたと」

「玉兎の兵士たちが、サグメ様に捕えられて人質になっています」

 稀神サグメであれば、人質という手段に絶対的な信頼を置く事はないだろう。要所要所で依姫の心を揺るがす。その程度の使い方に、とどめておくはずだ。

「依姫は……輝夜を、守ろうとしてくれたのね」

 それが出来なかった、と依姫は思っているのだろう。だから幻想郷に降りて来ていながら、輝夜にも永琳にも接触を求めて来ないのだ。

「合わせる顔がない……そんな事を思っているのね。あの子は、きっと」

「八意様。どうか、お知恵を」

 ドレミーが、跪いた。

「……玉兎たちを、救出しなければ」

「違うでしょう? 夢の支配者よ」

 永琳は身を屈め、ドレミーと目の高さを近付けた。

「貴女が救いたいのは、玉兎たちではなく……稀神サグメ。違うかしら」

「…………私」

 頭を垂れていたドレミーが、顔を上げた。

「……サグメ様に、あんな事をして欲しくないんです……」

 轟音が響いた。

 いや、音は鳴っていない。轟音にも似た激烈な気配が、空間を揺るがしている。

 永琳は、目を覚ました。布団の中から、身を起こした。

 永遠亭の、自室。

 窓から射し込むのは、朝日の光ではなく月光である。が、時間的には早朝だ。

 八意永琳自身が作り上げた、紛い物の月。それが変わらず、中天に鎮座している。

 そして、本物の月と地上との通路を塞いでいる。

 不変を維持する結界が、永遠亭を守護してもいる。

 月の都から永遠亭へ直接攻撃を行うには、この2つの防備を取り除かなければならない。

 偽物の月は、八意永琳によるもの。

 不変を維持する結界は、蓬莱山輝夜によるもの。

 この両名が健在である限り、月の都からの直接攻撃を警戒する必要はなかった。

 警戒すべきは、やはり第四槐安通路。ここを通れば、偽物の月を迂回して幻想郷に至る事が可能となる。

 月の艦隊が、幻想郷を灼き払いながら永遠亭へと迫る、となればどうか。

 艦隊の火力で、幻想郷を滅ぼす事は出来ても、不変の結界を破壊する事は出来ない。

 しかし輝夜が、幻想郷を見殺しにして結界に閉じこもる事を肯んじてくれるはずはなかった。必ず、永遠亭から打って出る。

 八雲紫をはじめとする幻想郷の人妖たちも、大人しくしてはいないだろう。

 月の都から、永遠亭を直接、攻撃する事は出来なくとも、幻想郷に軍勢を降ろす事ならば今までも可能であった。今現在は、偽物の月という障害物のせいで不可能ではあるが。

 嫦娥が今まで、幻想郷に手を出さなかった理由は2つある。

 1つは、やはり幻想郷の戦力そのものを警戒しての事である。八雲紫たちが、わざわざ月の都まで出向いて、地上の妖怪の力を大いに見せつけた。あの月面戦争は、幻想郷からの一方的な侵略行為であるように見えて、実は幻想郷側の自衛の意味合いを多分に持ち合わせていたのである。あの戦いがなければ嫦娥は、早い段階で幻想郷に脅しをかけてきただろう。蓬莱山輝夜の身柄を引き渡せ、と。

 2つ目の理由。

 嫦娥には、不倶戴天とも言うべき敵がいる。月の都にとっては、幻想郷との揉め事よりも対応を優先させねばならぬ厄災である。

 その敵と、嫦娥はどうやら休戦の約定を結んだ。

 恐らくは期限のある一時的なものであろう。だから夜を延ばし、時間稼ぎをしている。

 その間に蓬莱山輝夜、それに恐らく八意永琳をも斃して後顧の憂いを断つ。それが嫦娥の目的である事は間違いなかった。蓬莱人を、殺害する事は不可能でも、無力化する手段はある。

 第四槐安通路に艦隊を通し、幻想郷もろとも永遠亭を潰す。幻想郷との全面戦争を、嫦娥はついに決意したのだ。

 第四槐安通路に地獄の女神が現れた瞬間しかし、その決意を翻してしまう。

「……それでは、いけませんよ嫦娥様」

 声の届かぬ相手に、永琳は語りかけた。

「地獄の女神を敵に回す……そこまでの覚悟がなければ、幻想郷は潰れません」

「失礼いたします、八意先生……」

 部屋の外から、声をかけられた。

「……敵襲でございます。現在、鈴仙隊長が応戦中」

 透き通った、綺麗な声。感情の聞き取れない、平板な声。

「八意先生は、姫様と共にどうか安全な場所へ」

「それをウドンゲが言っていたの? だとしたら……あの子、冗談が言えるようになったのかしらね」

 永琳は立ち上がり、するりと寝間着を脱ぎ捨てた。

 数億年かけて美しく磨き上げた裸身が、皓々たる偽りの月光の中に白く、妖しく、浮かび上がった。

「身支度を整えて、すぐに行くわ。持ちこたえてちょうだい」

「……はい。どうか鈴仙少尉を、お助け下さいますよう」

 本当に綺麗な声だ、と永琳は思った。

「貴女の歌を……また聴いてみたいわ、ミスティア・ローレライ」

「恐縮でございます……」

「ふふ……洗脳なんてされていない、貴女の歌をね」

 部屋の外に向かって、永琳は微笑んだ。

「頼りない上官だとは思うけれど。ウドンゲを、支えてあげてね」



 斬撃と銃撃が、ぶつかり合っていた。

 魂魄妖夢は当面、藤原妹紅に協力するつもりのようである。主・西行寺幽々子を妹紅に会わせるのが、妖夢の目的なのだ。

 真紅の光弾の嵐を、妖夢は双剣でことごとく切り砕いた。閃光の弧が、光の破片を蹴散らしながら生じては消え、消えては生じ、銃撃者に迫る。

 迫り来る斬撃の弧を、鈴仙・優曇華院・イナバはふわりと回避した。跳躍。軽やかに回転しながら妖夢の頭上を飛び越し、空中から狙いを定める。人差し指を、妖夢の後頭部に向ける。

 その指先から、真紅の光弾が速射された。

 半霊が、妖夢を取り巻いて防護しながら、白色の光弾をばら撒いていた。

 紅白の弾幕が、ぶつかり合った。

 鈴仙は着地し、その激突に圧されるようにして後方へと跳んだ。間合いを開き、妖夢を睨み据える。

 真紅に輝く瞳から、眼光が迸り出た。

 極太の赤い眼光が、妖夢を襲う。

「くっ……!」

 大小の二刀を、妖夢は交差させた。その防御に、真紅の眼光が激しくぶつかって行く。

 永遠亭の庭を削り、土や砂利を足元から大量に舞い上げながら、妖夢は後退りをしていた。

 その間、鈴仙がこちらを振り向く。叫ぶ。

「リグル!」

 そう名を呼ばれた妖怪の少女は、藤原妹紅に顔面を鷲掴みされ、吊られていた。細い手足が、じたばたと弱々しく暴れる。

「弱い者いじめを、やりに来たわけじゃあない」

 触角のある妖怪の少女を、妹紅は鈴仙に向かって投げ捨てた。

「じゃあ何をしに来たのかと言えば……そろそろ言わなくてもわかってもらえる、なんてのは私の思い上がりかな」

「いえいえいえ、ようくわかっておりますともさ」

 鈴仙とはまた別の、兎の少女であった。揉み手をしながら、へらへらと愛想笑いを浮かべている。

「ただねえ、うちの姫が貴女様には会いたくない追い返せと、こうおっしゃるものでして」

「あいつの意思を尊重する気はないんだよ、婆や」

「えへへ……ひどい言われようでございますなあ。こんなに若くてピチピチのてゐちゃんを捕まえといて」

「ああ確かに、ピチピチして美味しそうだな」

 妹紅の右手が、炎を帯びた。

「捌いて焼いて塩をまぶす。酒が進みそうだ」

「ふうむ……おかしなものですなあ」

 てゐ、という名前であるらしい兎が、恐れげもなく言った。

「お酒の話が出たと言うのに、大江山の大将が黙っておられる」

「………………」

 大江山の大将、と呼ばれた少女は、俯いたまま何も言わない。

 その小さな肩に、アリス・マーガトロイドはそっと手を置いた。

「……無理をする事はないのよ」

「……頼む……私に、優しくするな……」

 伊吹萃香の、声が震えている。

「恐くて、小便だだ漏らしで泣き喚く……そんな鬼によォ、存在価値なんざねえんだよ……優しくしねえでくれ……」

「……本当に、どうしちまったのさ大将」

 てゐの顔から、愛想笑いが消えた。

「あんたが酔っ払ってないなんて、何百年ぶりかねえ」

「美味い酒が……呑めなく、なっちまったんだよ……」

 萃香が、顔を上げた。酒気も血色も失せた、青白い顔。

「なあ、頼むよ……教えてくれ……ありゃあ一体、何モンなんだ……」

「……そう。貴女、出会ってしまったのね」

 声がした。

 てゐが、ひょいと道を空ける。

 空には、美し過ぎる満月が浮かんでいる。

 もう1つの月が、永遠亭の庭園に現れた。アリスは、そう感じた。

 本物の月。隕石孔だらけの、荒涼たる死の世界。それが見えた、ような気がした。

「月を砕く鬼……貴女にも1度は会っておかなければ、と思っていたところよ」

「……お……前……はぁ…………」

 萃香が、かちかちと牙を痙攣させる。

「……いや……お前、じゃねえな……あれは……」

「そう、私ではないわ。貴女たちと比べて私は確かに、いくらかは彼女と近いところにいるけれど」

 荒涼たる月は、すぐに消えた。

 そこにいたのは、宇宙をまとう女性である。星座が描かれただけの衣服は、彼女が身にまとうだけで宇宙となる。

「……私を一息で倒せないようでは、彼女を克服するなど夢の夢、そのまた夢よ」

「……私に、会いたかったって?」

「かつて月の都を滅ぼしかけた怪物。月の関係者ならば、見ておかなければと思うわ」

「そんな大層なもんじゃねえよ……」

 萃香は、また俯いてしまった。

「月を砕く鬼とやらは、見ての通り単なる小便垂れの臆病者だ……見て、ガッカリしたんじゃねえのかい」

「そうね。憂えるべき、由々しき事態だわ」

 宇宙をまとう女性が、その優美な片手でキラキラと光を撒いた。

「月を砕く鬼が、恐怖を知った……その恐怖を、うっかり克服でもされてしまえば」

 光が、長弓となった。

「伊吹萃香……貴女は、月を砕くどころではない怪物に進化する。ここで、息の根を止めておく必要があるわね」

 宇宙をまとう女性が長弓を握り、萃香を見据える。

 その冷たく鋭い眼差しから萃香を庇うように、妹紅が立ち構えた。

「八意先生……あんたをぶちのめせば、あいつが出て来ると。そういう事でいいのか」

「そろそろね、私自身の手で貴女を試したいのよ。どの程度の仕上がりなのか」

 八意先生、と呼ばれた女性が微笑む。

「その炎で……まずは、私を灰にでも変えて御覧なさい。私が憎いのでしょう?」

「……私は、自分の意思で岩笠を殺した。自分の意思で、蓬莱の薬を飲んだ。あんたのせいにする気はないが、まあ八つ当たりはさせてもらおうかな」

「させない」

 言葉と共に、いくつもの魔法陣が空中に生じていた。

 それらは一斉に弾幕を放つ事が出来るのだろう、とアリスは直感した。

 それを今はせず、空中にふわりと佇む1人の魔法使い。

「……八意先生への無礼は、許さないわよ」

「貴女は……」

 アリスの周囲で、人形たちが槍や剣を構えた。

「……そう、竹林で攻撃を仕掛けてきたのは貴女ね。おかげで魔理沙とはぐれてしまったわ」

「霧雨魔理沙……以外にも1人、魔法使いの気配は感じていたけれど」

 いくつもの魔法陣を操る少女が、空中からアリスを見据える。

「貴女……魔理沙の、代わりをしようとでも?」

「そうよ」

 アリスは即答した。

「魔理沙は今、異変解決をしようとしている……終わらない夜と、月からの侵略。この永遠亭がそれらと全く無関係とは、いよいよ思えなくなってきたところ。お話を聞かせてもらいたいわね」

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