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異説・東方永夜抄  作者: 小湊拓也
20/90

第20話 遥かなる再会の地・幻想郷

原作 上海アリス幻樂団


改変、独自設定その他諸々 小湊拓也

 イリュージョンレーザーが、スターダストミサイルが、博麗霊夢の残像を片っ端から切り刻んでゆく。

 残像の破片を蹴散らしながら霊夢は飛翔し、大量の呪符を投射・散布し続けた。

 霧雨魔理沙は、攻撃を中断した。回避に専念するしかなくなった。

 魔法の箒を操縦し、呪符の豪雨をかわしてゆく。

 アリス・マーガトロイドが今どこにいるのかは、わからない。自力で身を守ってくれている、と信じるしかなかった。

「……お前……何を、した……?」

 箒の長柄を、両手で握り締め、左右の太股でしっかりと挟み込んだまま、魔理沙は呻いた。叫んだ。

「鈴仙……優曇華院・イナバ……お前! 霊夢に何をしたあああああああああッッ!」

 飛翔する呪符が無数、全身をかすめる。

 鈴仙・優曇華院・イナバが、どこにいるのか視認している余裕もない。声は聞こえる。

「心の隙に、私の眼光が入り込めば……ね。もう逆らえはしない、私の操り人形になるしかないのよ」

 間違いない、と魔理沙は確信した。

 弾幕で満たされた、迷いの竹林の夜景。そのどこかから、鈴仙は自分に狙いを定めている。

「永遠亭の防衛戦力として、末長く有効に使ってあげるわ……貴女は要らないから死になさい霧雨魔理沙」

「……させないわよ」

 アリスの声。

 衝撃が、空気を通じて伝わって来る。

 見えはしないが、アリスが鈴仙に何かしら攻撃を加えたのは間違いないようであった。

「誰かを操り人形にする……なんて、私の目の前でよくぞやらかしたものね鈴仙さん。貴女に糸をくくり付けて、操り人形にしてあげましょうか」

「アリス・マーガトロイド……お前のような、おぞましい人形は要らないわ。撃ち殺す!」

 会話が、遠ざかってゆく。

「……参ったぜ霊夢、お前と1対1になっちまった。こんなにしんどい事はない」

 苦笑しつつ魔理沙は箒を駆り、呪符の嵐を回避し続ける。

 飛翔乱舞する無数の呪符を押しのけるようにして、光が来た。

 虹色の、光の塊。いくつものそれらが、正確に魔理沙を追尾し、左右から魔理沙に迫り、あるいは魔理沙の前方に回り込む。

「夢想封印……!」

 魔理沙は青ざめ、息を呑んだ。霊夢は今、確実に、自分を殺しに来ている。

「……そうだな、そういうもんだよな弾幕戦ってのはっ!」

 魔力を、魔理沙は周囲に展開した。

 箒で飛翔する少女を取り囲んで、5つの魔法陣が生じた。

 それらが、光を発した。

 5色の光が、5方向に迸り、夢想封印を薙ぎ払う。

 煌めく5色の光芒が、虹色の大型光弾たちとぶつかり合った。

 爆発が、魔理沙の周囲に咲き乱れた。

 全方向から爆炎に照らされながら、魔理沙は魔法の箒を掴んで振り上げた。

 咲き乱れる爆発光の中に、霊夢が突っ込んで来たのだ。

 お祓い棒が、まるで鉄棒か何かのような重い唸りを立てて魔理沙を襲う。

 箒の長柄が、その一撃を受け止める。

 交差する2つの得物を挟んで、魔理沙は霊夢と睨み合った。

 真紅に輝く瞳を、正面から見据えた。

「本気の殺し合いなら応じるぜ、霊夢……だけどな、これは駄目だ」

「殺す……永遠亭を脅かす者、生かしてはおかない」

「殺す、生かしておけない……なあ霊夢、それは一体誰に言わされている?」

 言葉など、届きはしない。そんな事は魔理沙もわかっている。

「弾幕はな、私たち弾幕使いのものだぜ霊夢。自分の意思がどこにもない弾幕戦なんて……駄目だ」

「……敵性体……排除する……」

「されない。今のお前にだけは、排除されてやるわけにはいかない」

「殺す……」

「霊夢! 正気に戻れ!」

「敵性体、排除する……鈴仙少尉のために……永遠亭のために……」

 真紅の眼光が、ぎらりと燃え上がった。

「……月に御座す……高貴で永遠の、御方のために……」

 お祓い棒が、ぐりっと回転した。魔法の箒が受け流され、魔理沙は空中でよろめいていた。

 よろめいた魔理沙の身体が次の瞬間、前屈みに折れ曲がった。霊夢の右足が、腹に叩き込まれていた。

 一瞬、呼吸が止まったまま、魔理沙は微量の鮮血を吐いた。

 そこへ、お祓い棒が叩き付けられて来る。

 いや。直撃の寸前に魔理沙は、辛うじて手放さずにいられた箒の長柄に魔力を流し込んでいた。

 魔法の箒が、魔理沙を引きずって高速飛翔する。お祓い棒が、豪快に空振りをした。

 飛翔する箒に、魔理沙はヒラリとまたがった。呼吸は、どうにか回復している。

 そこへ、光弾の嵐が降り注いだ。

 霊夢の左右に浮かぶ2つの陰陽玉が、無数の光弾を速射している。

 それらが全て、魔理沙を直撃する寸前で砕け散った。

 いくつもの閃光が、魔理沙を防護する形に弧を描き、霊夢の光弾をことごとく斬り砕く。

 斬撃の、閃光だった。

「どうした、仲間割れか」

 大小の抜き身を構えた少女剣士が、魔理沙を背後に庇い、霊夢を見上げている。

「それとも……お前たち2人、そもそも仲間ではなかったのか? 元より殺し合う間柄か」

「魂魄妖夢……」

 魔理沙は言った。

「……霊夢は私の、仲間で、友達だ。それはそれとして弾幕戦はやる」

「そういうものか」

「助かったぜ、恩に着る。まさか、私を助けるためだけに冥界からはるばる来てくれたワケじゃあないだろうけどな」

「人を捜している。この竹林に住んでいるらしい」

 永遠亭の事か、と魔理沙は思った。

「……誰、貴女は」

 アリスが、妖夢の近くで空中に着地した。

「魔理沙を助けてくれた。つまり、私たちの味方という判断でいいのね?」

「お前たちの出方次第だが」

 妖夢は、アリスの方を見ない。満月を背景にこちらを見下ろす霊夢に、意識を集中している。

 霊夢の傍らには、いつの間にか鈴仙がいた。

「地上の虫ケラが……群れてきたものね、まさに虫ケラ。まとめて駆除してあげる」

「……向こうが先に出方を決めてくれた」

 妖夢が、楼観剣の切っ先を鈴仙に向ける。

「あの兎は私が斬る。博麗霊夢の方は、お前たち2人でどうにかしろ」

「貴女は……初対面の相手に対する、口の利き方を知らない人なのかしら?」

 機嫌を悪くしたアリスの背後に、ゆらりと人影が生じた。

「ごめんなさいね。妖夢は基本的に、私しか敬ってくれないのよ」

 青ざめ息を呑むアリスの耳元で、端麗な唇が囁きを紡ぐ。

「それはともかく……貴女、いいわね。どろどろしているわ、とっても」



 臭う、と藤原妹紅は感じた。

 焦げ臭い。

 火事が起こっている、わけではなかった。ただ、ここが人里であったら大火災になっていたかも知れない。

 それほど凄まじい火花が、この辺りでは大量に飛び散っていたのだろう。空気が灼けて、焦げ臭くなるほどに。

 妹紅の火炎にも匹敵し得る力同士が、ぶつかり合っていたのだ。先程まで。

「……弾幕戦、だな」

 歩きながら、妹紅は苦笑した。

 人里から、迷いの竹林へと向かっているところである。

 妹紅は思う。この幻想郷という土地は、実に健全な場所だ。力ある者たちは、とりあえず弾幕戦をせずにはいられない。

 難しい事を言わない。考えない。建前も大義名分も必要ない。

 妹紅は、月を見上げた。

 もう太陽が輝いていなければならぬはずの空に、図々しく居座って厚かましく光を降らせて来る満月。

「まるで……お前だな」

 その者の名を思い浮かべた瞬間、妹紅の心は燃え上がった。怒りか、憎悪か。

 この燃え盛るものが、いかなる感情であるのか、妹紅は未だにわからない。

 最初は恐らく、ただの八つ当たりであったのだろう。

「……なあ、わかってんのか親父殿?」

 もはや返事をしてくれない相手に、妹紅は語りかけていた。

「自分の娘とそんな歳の違わない女にだぞ、年甲斐もなく求婚とか。手間暇かけて金かけて冒険話でっち上げ、偽物のお宝も用意して、全部バレて! 当然ふられて! 笑いもんになって当然だッッつうううううううううの! バカ!」

 燃え盛るものが、妹紅の背中から溢れ迸った。

 炎の、翼。

 単なる八つ当たりでしかなかったものが、千年を超える時を経て今、もはや説明あたわぬ感情となって燃え猛っている。

 説明など、必要ない。この炎に、もはや理由はないのだ。

「……お前を、焼き殺す。いやまあ、殺せないんだけどな……」

 妹紅は、牙を剥いて微笑んだ。あの女の事を思うと、怒りが湧いて来る、と同時に笑いがこみ上げる。

 建前も大義名分も要らない。あの女を灰に変える。そこに、今や理由など必要ないのだ。

 自分は今から、弾幕戦をやりに行く。

 この明けぬ夜に永遠亭が関わっていないはずがない、などというのは妹紅の思い込みに過ぎないのかも知れない。

 永遠亭に、殴り込めばわかる事だ。

 拍手が、聞こえた。

「すげえ、すげえ! 終わらぬ夜に羽ばたく炎の翼、何ともお洒落なもんじゃねえか」

 地面に座り込んで、宴会をしている2人組がいた。

「いやあ。美味い酒、呑ましてもらってる」

「……ほう、私の炎は見せ物か。お前らの、酒の肴か」

 炎の翼をゆっくりと畳み、揺らめかせ、縮めながら、妹紅は睨んだ。

 子供が酒を呑んでいる。注意しなければ、叱らなければ。そう思った。

 一見、幼い少女である。小さな身体を精一杯、偉そうに見せつけるかの如く、立派な角が生えている。

 もう1人の少女は、年嵩だ。すらりと背が高く、胸は妹紅よりも立派である。

 その美貌が、ほんのりと酒気を帯びたままニコリと歪む。

『見せ物にとどめておきたまえ。君の炎は、とても危険だ』

「……危険なのは、お前らだよ」

 言いつつ妹紅は、空気中に残る焦げ臭さを嗅いだ。

「ここで……どえらい弾幕戦をやらかしたのは、お前らだな。一戦交えて、仲直りの酒盛りか」

「いやあ、こいつ強えからよ」

 2人の少女が、酒盃を触れ合わせる。

「なかなか、やるじゃねえか依姫……に、くっ憑いてやがる誰かさんよ。どこの神様か知らねえが」

『私も驚いたよ。君ほどの妖怪、地獄界にも修羅界にもそうはいない。創作意欲を、刺激されるよ』

 2人とも、少女……の姿をした、人外の何かであるのは間違いない。無論それは妹紅も同じだが。

 焚き火が燃えていて、その周囲には小動物の骨が散らかっている。野兎か何かを捕まえて、酒のつまみにしたのだろう。

『炎の翼の少女……君も、なかなか良い穢れを醸し出しているじゃないか。欲しい、欲しいねぇ畜生界に』

「畜生界だと……ふん。残念ながら私は、六道のどこにも行けはしない身だ」

『ほう。死なない、とでも言うのかな?』

 奇妙な少女だった。

 美しい唇から、綺麗な声を紡ぎ出している。この少女自身の肉声であるのは間違いないだろう。

 だが、この少女が喋っているわけではない。どうも、そんなふうに思えてしまう。

「ま、おめえも呑めよ」

 角を生やした小さな少女が、瓢箪を掲げた。

「おっと、つまみがねえな。また何か捕まえるか」

「お構いなく。それよりも、だ」

 妹紅は、焚き火の近くにどっかと腰を下ろした。

「不躾ですまない。お前と私……どこかで会った事、ないかな。なりの小さい大酒飲み、何か見覚えがあるんだよ」

「ふむ」

 角を生やした赤ら顔の少女が、顎に片手を当てた。

 愛らしい五指は、しかし凄まじい妖力の塊だ。妹紅の手足を、容易く引きちぎるだろう。

「おめえさんの炎……私も、確かに初めて見たような気がしねえ。会ってるとすりゃあ幻想郷じゃねえな、外の世界か」

「懐かしいな。外の世界じゃ、大勢の妖怪と戦ったもんだ」

 全て、最初の八つ当たりの延長である。

 憂さ晴らしで妖怪たちと戦う日々を送っているうちに妹紅は、気が付いたら幻想郷にいた。

「幻想郷で生まれた妖怪はな、まあ割と大人しい奴が多い。人間とも、そこそこ上手くやっていける……問題は、外の世界から幻想郷へ流れ込んで来た連中だな」

 手足を引きちぎられる激痛。妹紅は、思い出していた。

「色々やらかして、外の世界にいられなくなった奴がほとんど……お前、その筆頭だよ。大江山の外道大将」

「妖怪退治の跳ねっ返り小娘! おめえか、やっぱり!」

 伊吹萃香が、嬉しそうな声を発した。

『知り合いなのかな? 2人とも』

「おうよ。凄えんだぞ、こいつ。貢ぎ物の女どもに混ざってなあ、私の命を狙いに来やがったのよ」

『貢ぎ物とは?』

「肉だよ、肉」

 萃香が、懐かしそうに嬉しそうに笑う。

「あの頃、私はまだ人喰いが卒業出来てなくてなあ。最初は男どもを喰ってたんだが美味くねえ。それよりマシだってわけで若い女どもをな、さらって来たり人身御供にさせたり」

『ははは。なるほど、外道だ』

「泣く子も黙る外道丸。お前、そう呼ばれていたんだよな」

 妹紅は睨みつけた。

「私は……お前を退治するには、残念ながら力不足だった」

「おめえ、強かったよ」

 萃香が、褒めてくれた。

「私な、本気でおめえを叩き潰したんだぞ? 手足もいで、はらわた引きずり出して、それでも死なねえと来たもんだ」

「手足もいで、はらわた引きずり出して……お前、そのまま私を放置しやがったよな?」

「観察してた。何日くらい生きてるかなーって」

 萃香が、酔っ払いながら無邪気に笑う。

 妹紅は片手をかざした。鋭利な五指が、炎をまとう。

「残念ながら死ななかった。となれば、お前に借りを返すのが物事の正しい流れというやつかな」

「はっはっは、今度はあんなもんじゃ済まねえぞコラ」

『まあまあ』

 仲裁をされた。

『こんな月の綺麗な晩に、する事でもないだろう。まあ、あの月はちょっと綺麗すぎていささか不穏な心持ちになるが』

「……あれは、綺麗な満月の絵さ。誰が描いたのかは大体わかる」

 妹紅は、とりあえず炎を消した。

「何でそんな事してるのかは不明だけどな……締め上げに行く途中で、まさかこんな奴に会うとは思わなかった。お前、いつから幻想郷にいる?」

「さあなあ、もう数えちゃいねえ。おめえもそうだろ藤原妹紅」

「……まあ、な」

 萃香が酒盃を差し出してきたので、妹紅は受け取った。

 そこに、瓢箪から酒が注がれる。

「幻想郷って場所はな、外の世界と時間の流れが違う。外の世界の百年が幻想郷の千年だったり、その逆だったりする。ま、おめえも私も百年や千年じゃババアにもならねえ。結構な事じゃねえか。呑め」

「私は、そろそろ老いぼれてきているよ。身体はともかく心がな」

 酒盃の中身を、妹紅は一気に飲み干した。

「……ふん。美味い酒、呑んでやがるじゃないか」

『ふふ……まったくだ。これほど美味い酒を呑んだのは、どのくらいぶりであろうか……』

 奇妙な少女が、草むらの上に寝転がった。倒れたようでもある。

『私はともかく……この巫女は、どうやらあまり酒が強くはないようだ……ここまで、だな……』

「行っちまうのかい?」

 萃香が、いくらか寂しげな声を発した。

「せめてよ、名前くらい教えてこうって気にはならねえのか」

『……君たちとは、また……いずれ会う……その時に、な……』

 言葉が、寝息に変わってゆく。

 酒気を帯びた寝顔を見つめ、妹紅は訊いた。

「……で、これは一体何者なんだ? お前のような外道と仲良く酒を酌み交わしている。聖人君子じゃあないな」

「聖人君子じゃねえが、神様だぞ」

「鬼と神様が、一緒に酒盛りか」

 妹紅は笑った。

「……伊吹萃香。お前は本当に極悪非道の大外道だし私もひどい目に遭わされたけど、私は何故かお前を嫌いになれない。憎めない。お前なんかより、ずっと許せない奴がいる」

「ふん、私以上の外道丸がいるんかい。会ってみてえもんだ」

「外道じゃあない。お前と違って、悪い事をしてるわけでもないしな……単に私が気に入らない、虫が好かないってだけの話だ。ぶちのめしに行くとこだったんだが、酒が入っちまったな」

「もっと入れろよ。景気付けて、ど派手にぶちかませ」

「藤原妹紅さん。貴女は、呑めば呑むほど強くなる類の人ですか?」

 いきなり話しかけられた。気配を、全く感じなかった。

「そうでないなら、お酒はそこまでにして助けて下さい……お願いです」

 1人の少女が、礼儀正しく正座をしていた。

 辛うじて、妹紅は覚えている。上白沢慧音の家で1度、会った。本当は何度も会っているらしいのだが。

「お前……獏、だったよな」

「嬉しい! 覚えていて下さったんですね」

 獏の明るい笑顔が、どこか弱々しい。

 頼れる相手が、ここにいる藤原妹紅と伊吹萃香しかいない、という様子である。

「すみません、私の失態です。夢の世界の支配者として、やらかしてはならない大失態です」

「おめえ、酔っ払ってんのか」

 萃香が言った。

「いいぜ、酔っ払いのバカ話を聞いてやろうじゃねえか」

「あ、貴女に言われたくはないですが……まあ夢みたいな話ですからね」

 草むらの上で寝息を立てている少女に、獏はちらりと視線を向けた。

「月の軍勢が、幻想郷に攻め入ろうとしています……こちらの方の、夢の中から」

「ははは、そいつぁ大変だ。まあ一杯やれや」

「せめて最後まで話を聞いて下さい……」

 獏は、涙ぐんでいた。

「私が、第四槐安通路を奪われてしまいまして……はい。幻想郷にいる月の賢者より、もう1人の月の賢者の方が一枚上手という事です。現時点では」

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