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18話 ふたりで


 ==18話 ふたりで==


 次の日、朝起き寮の食堂に行くといつも通りリンが隣に来た。


「リン、ルームメイトと食べないのか? いつも来るけど」

「ああ、私のルームメイトは彼氏と食べるから……」

「ああ、気まずいのね」

「うん……」


 朝から何気なく食べたあと広間に張り出された昨日の結果を見に行く。


「ああ、SじゃないけどAクラスには入れたな……リンはどう?」

「良かった、私もAだ。これからもよろしくヒロ」

 

 少し頬を赤くしながら言ってきた。


「Sクラスは……予想通りだな」

「試験官倒した人達ってこと?」

「ああ、昨日の食堂で聞こえた情報通りの人数だ多分そうだろうな」


 昨日寮に帰ってから夕食時に食堂に行くと皆Sクラスに行く人を予想していてそれを俺のスキルで盗み聞きをしたところ試験官に勝つことができたのは全部で二一人と分かった。そして今見ると張り出された人数を見ると二一人だった俺が集めた情報を夕食を食べながらリンに話し試験官を倒すことがSクラスの条件かもとたどり着いた。


「お~すッ ヒロ、リーンちゃん どうだった?」

「ユーリ、俺達はAクラスだ。そっちは?」

「お! 同じクラスじゃん! よろしくー」


 相変わらずフワッとしているなだが、こいつは間違いなくSクラスに近い。こいつの名前は昨日の食堂でも出てきていた。その部分を聞いていると。

 ユーリのいたところの試験官は王都騎士団の副騎士長がいてその人は今回主席となった奴以外誰一人その人を倒していないそんな試験官相手にあと一歩で勝つところまで追い詰めていたと聞こえた。


「ヒロ~学校の始まりは明後日みたいだな」

「そうだな、今日と明日暇だな」

「じゃあヒロ、王都に行こうよ」

「おお! デート?」


 ユーリがからかうとリンは顔を真っ赤にしていたがそれに気づく前に。


「違う」


 そう言った瞬間隣から冷たいものが俺を刺してきた。


「ヒロあんまりすぐに否定しちゃいけないよ」


 珍しいくらいにユーリが諭して来た。


「な、なんかごめん」

「いい」


 声が冷たいが行かないとは言わなかった。


 ◇◇◇◇◇


「あれ? ヒロ王都に行くのか?」


 リンと分かれたあと出かける準備をしにリンが寮の中に戻っていきまた集まって学園の外に出ようとしたときマインから声をかけられた。


「ヒロと魔法について話し合おうと思っていたんだが……」

「すまない、リンと遊びに行く約束があるから……また明日でも良いか?」

「ふふ、デート?」

「ん……まぁ色々ダヨ」

「ふふ、濁しまくりだな」

「いいだろ!」


 軽口で逃げようとしたのがバレて気まずくリンを見ると嬉しそうにしていてほっとしたのは秘密で。


「まぁ邪魔はしないさ、そうだな……一日行くなら……夕方にここに行くと良い」


 そう言って俺達の持っていた地図に指を指しておすすめの場所を教えてくれた。

 そうして俺とリンはわくわくした気分で外に出たが重要なことを忘れていた、俺の()()のことを


 ◇◇◇◇◇


 王都の街は凄く賑わっていた。色々な人達が忙しなく動いていて色々な店で客引きをしていて静かの真反対を体現したような活気にあふれていた。


「ヒロこれ! 可愛くない?」


 そう言って見せてきたのは猫のぬいぐるみだ、もふもふして触ると気持ちよさそうだ。


「可愛いな」

「でしょ! でもな~お小遣いをここで使うには……いや、あとでここに戻ってこればよし、そうしよう。ヒロ! 次行こう!」

 

 真剣な顔で悩んでいたあとパッと満面の笑みでこっちを向いて言ってきた。思わず見とれていると


「? どうしたの?」


 斜め下からこっちを見ながら首を傾げて聞いてきて、さらに見とれそうになる前にさっと違う方を向いて。


「あ、ああ次ね、次行こう!」

「? うん! 行こう行こう」


 な、なんとか誤魔化せたか。


 色々な店を見て回って昼になるとユーリが俺が部屋を出るときにおすすめしてくれた店に行った。


「ここの料理美味しい、ユーリ君は何でこんなに美味しい店知ってるんだろ?」

「ホントだな。しかもこの味でこの値段か……安いな」

「あはは、ご飯食べてるのに値段の話になるのね。相変わらず現実主義だね」

「まぁしょうがないだろ。そういう性格だしね」

「まあヒロと食べにこれれば何でも美味しいし良いんだけどね」


 大分恥ずかしいことを言ったと気づいたのか顔をちらっと見ると真っ赤になっていた。


 昼ご飯を食べ終わり外に出ようとすると朝は快晴だったのが今には雨が降るのではというくらいの空模様になっていた。


「リン、これは無理かも知れないな……もう帰ろう」

「うん……雨に打たれるのは嫌だもんね……えっと、学園はこっちだね」

「? いやこっちだ、猫の買うんだろ」

「良いの?」 

「ああ、すぐ否定した御礼で買うよ」

「ありがとう」


 顔を赤くしながら嬉しそうにしてから俺の手を握ってきた


「じゃあこれもおれいに追加! いこ!」


 そういって握った手は温かかった。


 走って最初の屋台に行くと猫のぬいぐるみがあったが店を今閉めようとしていた。


「待っておじさん! 最後にこれを売って」


 俺がそう言うとおじさんが手を止めて


「おお、小僧急げ! 売ってやる売ってやる」

「ありがとう! これで」

「大銅貨一枚のところ可愛いお嬢ちゃんにやるんだろ、まけて銅貨八枚だ!」

「さすが! ありがとう!」


 優しいおじさんのおかげで買うことが出来てすぐに渡そうとリンを見るといなくてあれって思って周りを見るとリンが違う屋台から包みを持ってこっちに向かってきた。


「おれいのおれい! ちょっとしゃがんで!」


 リンの言う通りにしゃがむと俺の首にネックレスを付けてくれた。


「えへへ、かっこいいよ。……私のセンスの良さね」


 と言いながら笑顔でこっちを見ていて思わず見とれていると一瞬で大雨になり今の良い雰囲気がぶち壊されてしまった。


「……【土創造 〈傘〉(グラウメイク)】……帰ろうか……」

「……うん……」


 土を使い傘を二本の傘を作って二人で寮に帰った。


 締まりがない終わりになってしまった。



……どうなんでしょうね。こんなことあるか? なんて思っちゃうロキュです。

書きながら自信がなくなっちゃいますこれ、まぁまた書きますけどね。 ではでは。

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[良い点] なかなかの不運の持ち主で見てて楽しいです。やっぱりなんもかんも上手くいくよりは思い通りにならない方が面白い。 [気になる点] 不運はまだまだこんなもんじゃないと思ってます。 [一言] がん…
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