16話 入学前テスト
==16話 入学前テスト==
春になって俺はリンと一緒に王立の総合学校 アルウェムス王立総合学校に入学しました。
まず入学式をする前に寮に入りました。
「ヒロ、今日はまだ入学式じゃないのに制服で集まるんだね」
「まぁ、クラス分けは重要なんだろ」
今日は俺たちが入寮してから1週間たってから制服が届きその次の日にクラス分けのテストが行われることになり朝からかなりの人数が同じ方向に向かっている。
「なぁヒロ、その可愛い子だれ?」
「ああ、幼馴染みのリンナだよ」
俺と同じ部屋のユーリが聞いてきた。
「幼馴染みで入学と羨ましいね~ 俺はユーリ、ヒロのルームメイトでカナデって街出身なんだ、よろしく~」
「私はえーと、ヒロの幼馴染みのリンナ、よろしく」
二人が俺を挟みながら挨拶をした。
「そうだ、ヒロ知ってるか、このテストでクラスが決まるのと同時にSクラスになると一人部屋がもらえるらしぜ」
「へぇ、そうなのか」
「どうよ、ヒロはSクラス狙ってるのか?」
「狙ってはいるがそうそうは入れないからこそのSクラスなんだろ」
「はぁー つまらないくらいに真面目な回答だなー」
「どう盛り上げるんだよ」
「一人部屋になって女の子を連れ込むの目的だ! くらい言ってくれよ」
「バカだな」
「何を! 夢じゃん!」
そう言ってバカなことをユーリが言うたびに隣から冷たい目線がユーリを指していたが全く気にしないで自分の妄想を話し続けていた。
◇◇◇◇◇
テストは王国の歴史や世界の歴史、計算などと言った筆記と自分の特技で試験官と戦う実技があった。
テストは二時間、カンニングした者は自動的に最下位クラスに入ることになる、と最初に説明された。そのあと全員にヘッドホンに似た耳当てが配られそれを付けると耳当てから声がして開始の時間まで待つことを言われた。
テスト自体は解ける問題が多かった。しかし俺は解くことの出来た問題の四分の三しか書くことができなかった。あと少しのタイミングで書いていたペンがポッキリ折れた、こんなことある!? って思いながら何もできず時間になった。しっかりと不運神の加護が力を発揮していた。
昼休憩を挟んだあと実技として試験官との実践戦闘を行った。試験官は王都の守衛を担っている王都騎士団だ。
王都騎士団は王都の有事や周辺で何か起きた時にも駆けつける為一人で魔獣を退ける力が最低条件であり一人一人が強く基本的何も学んでいない俺たちが勝つことはまず無い。
「【身体強化】! ふっ!」
今も騎士団の一人に目で捉える事が出来ないくらいの早さで剣を振りかぶりながら向かって行く、騎士団の人は魔法を一切使うこともなく剣で軽々受け流し悠々と生徒の首に剣を近づけ止めていた。
「ヒロ……騎士団の人達強い上に結構本気じゃない?」
「多分な、でもまだあの人達は誰も一切の魔法を使っていないからどうなんだろね」
「そうだね……これ勝てる気がしないよ」
受験者である俺たちの人数が多いため学園の中なる幾つかの闘技場に二人の試験官で分かれた中俺とリンは同じ場所で受験することになった。
「やぁ、久しぶりだねヒロ、リンナ嬢」
「っ! マイン殿下」
リンが後ろから声をかけてきたマインに敬礼をしていた。
「久しぶりマイン」
「ちょっ、ヒロ!? 殿下だよ!」
「知ってる」
「なら……」
「良いんだよ、リンナ嬢。ここは学園、貴族の権利はここじゃ振りかざす事は禁止だ」
「そうそう」
「うう……」
リンは俺たちが軽いやりとりに何か言いたげだが王子の機嫌を損なうことの方が怖いのか何も言ってくる事は無かった。
「ヒロ、テストは大丈夫だったろ?」
「いや……実はな……終わる前にペンが折れた」
「「は?」」
「いや、ペンが……」
「あり得ないだろ……硬い万年筆だぞどこが折れるんだ?」
「そ、そうだよ。ヒロならほとんど解けていると思ったのに……」
「いや……俺の加護が実力を発揮したんだろ……」
「ああ、そういうことか、それならしょうが無いか……」
「加護ってあっちの方?」
「ああ」
「次、マイン・ロワ・プリネラ」
俺たちが話しているとマインの番が来た。
「これはこれはマイン殿ですか、手加減はしませんよ」
「ああ、頼むよ、お手柔らかにな。アビリ副騎士長殿」
マインはそう言ったあと魔力を纏い始めた。
「いくぞ。【身体強化】、【火弾】」
いきなりマインは素早く魔法を撃った。
「ふふ、マイン殿下さすがですね……【身体強化】」
今日初めて試験官が魔法を使いマインの放った魔法を切り尽くした。
マインは切られることを想定していたのか切り終えた試験官の背後に斬りかかりに行った。
「ぐっ!」
試験官が唸ると魔法を切った格好から思いっきり剣の腹を振り回し、マインを吹き飛ばした。
「危ない危ない、致命傷になるとこでしたよアビリ副騎士長殿」
「何を言っているのですかマイン殿下、こちらこそですよ」
口では軽口のように言っているが試験官の副騎士長はマインを鋭く見ていた。
「【火弾】×三 【風纏】」
「なっ!」
突然マインが魔法を放つまでは余裕がありまた切ろうとしていたが、二つ目の魔法を聞いた途端試験官が慌てて距離をとろうとしていたが一瞬で距離を詰め試験官の首に剣をそっと当てていた。
今回の試験で初めて試験官に勝ったのはマインだった。
どうもロキュです! 焦ってます! 昨日投稿したと思っていたらなんと実行押すのを忘れてました。
昨日待っていたかも知れない方ゴメンナサイ!
ついに入学です、実際の世界でも入学式の時期ですかね?まぁ今はコビットが猛威を振るっていてあるのか分からないですけどね。
毎日投稿をやめるつもりはないのでよろしくです。
あ、忘れてました、この作品が面白いかもって少しでも思ってくれたらブックマーク?付けてくれるとうれしいです? ではでは。