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閑話 幽魔の心

 

 ==閑話 幽魔の心==



 魔法とは歪なものだ



 未だになぜ人が行使できるか分からない


 いや、判明していることはある


 人の中に魔力があって………というものだが


 極稀に人の死に際にその人物では行使不可能と言えるレベルの魔法、法術が使えることがある


 だが、まずまずとして


 第一体の中の魔力についてもそこまで解明されていない


 だが一つの説がある


 死に際に強くなるという点から



 人の魂が行使していると



 その説の立証に我々幽魔の存在が言われる


 人が朽ち果て尚強い心を持つことで人ならざる存在になり新しい存在になっていると



 まぁそんな下らぬことはどうとでも良い



 己に生きていたという記憶が無い


 最早悠久に近しい時を生きたということだろうか


 それとも死に際の記憶を保持することが危険に繋がりそれを己の知らぬ内に記憶から消したのだろうか


 わからぬ


 だが、それでも良い



 仲間がいるから



 人の憎しみ羨み妬み


 人は死んでも忘れぬものがある


 己は見たのだ


 その一点に駆られ欲望のままに進み破滅に向かったものを


 だから


 なんていい考えなどではなく己は己の為なのだが


 幽魔の存在またはその卵を見つければすぐに馳せ参じ円滑な欲望を遂行しこの体での生き方を見つけさせる


 己としては仲間が増え嬉しいものだ


 それに欲を間近で見ることもできる



 幸せだった


 傍から見れば歪ものだろう


 関係ないのだ


 それに己は破を制している一員だ


 関係を持つことないと思っていたのが傲慢か?


 人質として己の仲間を取られた


 腹立たしい限り



 だが分かる


 己の仲間は無能ではない


 時を待てば良い


 時を稼げば良い


 アイツらは自然と


 そうあるべきの様に縛から放たれる



 ◇◇◇◇◇



 命令された


 調べてみればこの人間どもの目的は外なる神の降臨


 言わば世界の破滅を求めていた


 馬鹿らしい


 というか馬鹿なのだろう



 幽魔の身から言えば貴殿らに魂はないのだ


 つまり幽魔になれるだけの憎しみがない


 …………いや、奪われた……か?



 まぁなんでも良いか



 下手に干渉したくないとこだ


 当てられる役に――場所には問題があるがそれ以外には直接的な関わりを持たなくて済むな



 ◇◇◇◇◇


 驚きなり


 星獣の子を誑かすとは


 幾つかの意志強気子は関係なしとしているが下の森にて行動を起こすことには起こすようだ



 希望としては強き人間(ひと)がいれば良いのだが



 ◇◇◇◇◇



 ふふふふふふふふふふふふふふ



 面白い!



 人間でありながら強き者がいた


 人でありながら雷を自在に操り己の力を看破し対策を取りながら攻撃が多様に且つ複雑に効果的になっていく



 己はここまで来るのに時をかけた


 永き時を生きぬ人間でここまで


 面白いを通り越すな!



 感動に近い!



 己相手に全力ではない


 いや、全力という底は見える


 この人間にも己の底が見えるのかもしれん


 まぁ制限を解けば違うのだがな


 ――――!


 ふふふふ、残念だな


 ここまでだ


 己の仲間が抜けたようだ



 ここにいる意味が無いどころか早く出ねば



 交渉だ



「フむ、オワろう」


 魔力を霧散させる


「どういうつもりだ?」

「どうも、こうも無い。貴殿も分かっているはずだろ? 己がイドラを解しているのだ何もできなくなる、と」

「……理由は?」

「主を担う者が己の友を、部下を、仲間を、家族に刃を向けていたが今それを己の友と部下が刃を弾いた」


 あとここ危ないしな


「つまり戦う意味理由が無くなったと?」


 ここにいる意味なんてまぁ最初から時間稼ぎなり


「そうだ」


 そう言うと周りに散乱した木の枝を自分の周りに集め始める


「これは……何をしている」

「ん? 自然保護と後片付けだ、この地は木が無限が如く生えうるが折れた木はそのままなり片付けるのは当然であろう?」


 当然なことを聞いてくるな


 大切だろ!


 ……コイツ魔物かよ!?みたいな目だな


「貴殿も手伝え己も帰りたいからな、エネルギーが必要だ」

「お前……すげーな、さっきまで殺し合いしてたのにそれ頼む?」


 貴殿ならやってくれるだろう?


「……うん」

「……」

「だめか?」

「……魔王種、王を名乗る魔物に俺が手を貸すとでも?」


 声に怒りの感情を感じる


「……」

「王を名乗る、名乗れるだけの魔物を一体倒せば何十人もの人を救える。分かるだろ」

「人も、魔物もそれは変わらぬな……己には分かる、貴殿は手伝ってくれると」

「……誰が手伝うか、最後にお前に一撃を入れてやるだけだ」

「はは、貸しは返す」


 面白いな貴殿は――――()()()()()()()()()










 ん?ツンデレとはなんだ?




「知らん! 磊磊紫轟」


 赤い雷と蒼い雷を無理矢理混ぜたような雷が向かってきた


 ふむ、無駄なことを考えていないで早く戻らねば



 幽世に




「あ……き…は……んだね。貰ってあげるよその――を」



 幽世に戻る一瞬の隙間の空間にて聞き覚えのない声を聴いた


 気配はあるが人の影はない


 一瞬の出来事でも己にかけられ向けられた力は忘れたりしない(確実にある)


 なんだ?


 今のは……




三章はこれで終わりとなります


次から四章になります


更新ができない日が多いのでこれを機に十話近く溜ができてから更新しようかなとか考えています。


四章は……長くなりそうです

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