閑話B 2話
==閑話B 2話 ==
聖都に着くと早々に教会に通されました
「ふむ、戻ったかエド」
「珍しいですね、フナ大司祭殿。帝国の方は空けておいてよろしいので?」
「ええ、問題ないですよ。聞きました何でもお隣の国から秘密裏のお願いとして元奴隷の者達を連れてくると……ああ、後ろにいる者達がそうですか」
表情が変わらなく口だけが小さく動いているのに響くように私達を助けてくれた人の後ろの私達に聞こえてくる
表情が変わらなくて少し怖い
「枢機卿はいらっしゃいましたか?」
「貴方の苦手な方、ならいますよ」
「はは、面倒くさいですね」
そう言って頭をガシガシと掻いていた
「何人か私の治めているところにも来てくださると良いのですがね」
「……引き取るのならばちゃんと――っとフナ大司教には不要な言葉ですね」
「ふふ、その言葉は誰にでも言うべきものです。問題ありませんよ?」
ふふ、って言ってるのに表情変わらない……
「皆さんはここにいてください。俺は話をつけてきます」
「「「「「「ありがとうございます」」」」」」
数人の人が答えたが多くの皆は教会の中に驚いていた
私達の恩人――エドと呼ばれた人奥の方に歩いて行ってしまった
まだ教会に入ってすぐの所だけどすごい
天井は高くて柱と柱に曲線の石がかけられていて、入ってきた入り口の上には色んな色の光りになる窓があった
さらに天井はよく見ると絵が描いてあって数回しか見たことが無いけど多分神様が書かれているのだと思う
基本的に私達は教会に入る機会がほぼほぼない
元々住んでいた集落だと教会は無く人間が住んでいる街にしかないものだからだ、そこから私達獣人、亜人は人からさげすまれている
見つかれば奴隷にしようと嵌めに来たり、酷ければ追い出されたりもする
正直良い思い出はそこまで無い
「皆様、会っていただけるみたいです。こちらに」
程なくして戻ってくるとすぐに案内された
◇◇◇◇◇
入ってすぐに頭を下げて話の流れで動いてね
という明確な指示が無いまま始まった枢機卿との対面
この国、聖神国と呼ばれる国にでは基本的に神を崇め称える宗教によって成り立っている
教会のトップは教皇と呼ばれる
この教皇という人は獣人で奴隷だった私でも分かる。死者蘇生、万傷治癒、欠損完全修復などなどの神の奇跡って言われるすごいことができる人
という認識
教会の序列というと教皇、枢機卿、大司祭、司祭、大司教、司祭、という位で分けられ後は教徒と呼ばれるらしい
次にこの国のトップ、教会を中心としてはいるが教皇は教会、国には国のトップをと言うことで法王がいる
教会の教皇、国の法王
今の……というよりは最近では教皇と法王を兼任することが多くなっている
今の状態はこの国に私達が入るために許可を取りに来ているという事らしい
普通であれば枢機卿にも直接会うことなく書類で済まされる(らしい)が私達をこの国にと言ったのが一国の王子で更に裏からのというのは国に入れても大丈夫なのかという事になってしまうため枢機卿の許可取りと言うことらしい
これをしないで書類を通して後で穴掘りのように責められると面倒な事になるためとのこと
「面を上げよ」
そう言われて皆が動く気配を感じる
今長々とした話が終わった所だ
なぜか分からないけどちゃんと聞いていようと思ってのに全部耳から耳に抜けた
まぁ基本的にロードという人に恩を売れたのか? とか、あの国に教えを広めれたのか? お布施はいくら集まっただのでちっとも興味の無いことばかりで全然何言っていたか覚えていられない
特にお金の話っぽいの長かった……
「エドよ問題ない、外務に回し来てくださった方達を分けるよう伝えなさい」
「御意に」
「皆、私はワーテラストと申します。この国にて枢機卿という役を担ったいる。基本的に皆には力仕事をメインとした職に就きこの地にて安定な生活を目指して貰いたいと思っておる。ただ皆を一箇所には集められぬ、幾人かは分かれることとなってしまうが最大限の配慮はする。よくぞ皆よ来てくださった」
入ってきたときから私達を奴隷にしていた奴が使ったいたものよりかは劣るが高級そうな椅子に座っていたがピシッと立って胸の前に左手を当てながらしゃべり最後に一礼をしてまた座っていた
声を聞いていて思ったが立ってくれたことで見える
教会にいる人は痩せているイメージを持っていたけど顔に油のような汗をつけ少し……結構太っていた
その後全員で礼をしてというエドさんの言葉に従って立って一礼をして外に出た
「あ……この後違う所に行って皆の行き先が決まる、そこで細かい――」
「お~珍しいな~お前がここにいるなんてな」
急にヒョロッとした男の人が話に割り込んできた
グラッと前のめりになると前髪が何本か垂れて少し不気味だった
「……話の最中に入ってくるとは良くないですよ? というか貴方がここにいて良いのですか? まずまず俺より珍しいでしょあなたいるの」
「失礼だな~まっその通りか。今はまぁあれが俺のとこにいるからな」
「そう、ですか。じゃ後で手合わせお願いします」
「断る、というかお前に指令だぜ? 朱音くんが来てるらしいぞ」
あかおと? 誰だろ……というかこの後どうなるんだろ……
エドさんの顔を見るとすごくすごく嫌な顔をしていた
嫌な顔ってこんなに出るんだ……
「め、何でも無いです、はい。行きます。皆さんを案内してから――」
「なぁ。この小っちゃいの。貰って良いか?」
スタスタと私の目の前に来ると私の目をじっと見ながら言ってきた
「え゛!? そんな趣味が……」
「んな訳あるか! コイツ……いや。良いだろ?」
「まぁ……まだ行く所決まってないですけどその子の意思が――」
「なぁ嬢ちゃん。君は誰かに救われた、もしくは優しくされたか?」
「え? あ、はい」
私は戸惑いながら返事をした
「力がいるなら俺と来い、まぁ後ろの仲間と一緒にいるのも賢い選択だがな」
そう言うと私から離れていった
力……
あの時、私が動けたらお兄ちゃんと離れないでいられたかな……
あの時、力があれば捕まったりしなかったかな……
あの時、力があれば騙されたり……しなかったのかな……
あの時……
「ニニナ、無理しなくても良いが俺達に遠慮はいらないからな」
「え?」
「お前は強いけどあいつはもっと強かったからな」
……カノンお兄ちゃん
「行きます。連れて行ってください」
「良いのかい? この人の場所は――」
「ようこそ」
「おい! あんま勝手に……」
「問題ないぞ、コイツは育つ」
そう言って頭をわしゃわしゃと掻かれた
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ではでは。